お茶会=お見合いですか?(ご遠慮いたします~。)
うーん、見合いだ。
まごうことなき見合いだ。
失敗したよー。
どこぞのお屋敷の東屋で優雅にお茶会らしい。
うーん、この茶器はケイアス産の高級陶器だよね。
お菓子もケーキとかスコーンとかサンドイッチとか並んでるし。
なんて優雅なんだろう?
戦争が起こりかねないのに。
「セツラさんはイアルダス領をおつぎになるのよね。」
上品そうな奥さまが言った。
「はい、予定ではですが。」
昔は確定だったけど。
今はそんなに魅力を感じない。
どうしてだろう?
「では、私と結婚したら、イアルダスには代官をおかないとですね。」
一応美形らしいエラスラ公が言った。
この人、物好きだよね。
よく、私みたいないわくつきまくりの女に
ズバリ、結婚何て言えるよ。
ま、この国は国王陛下ですら、重臣に婚姻を求められて断れない、立憲君主制だからな…。
だから、引退して婿にはいるなんて、アースリース陛下が言い出すんだしさ。
「エラスラ公、ご冗談を。」
その線で逃げよう。
私は愛想笑いを浮かべた。
エラスラ公の視線が胸元を舐めるように
見ているのがわかる。
「セツラさん、私はあなたの過去は気にしません。」
優雅にお茶を飲みながらまだ、私の胸元を見ながら言った。
この変態!私の過去ってなにさ。
「イルーシア様、セツラは疲れてるようですわ。」
お母さんが言った。
ニコニコしながらもどこか不機嫌そうだな。
「あら、ハフィアさん、シーラントのどこがおきに召さないのかしら?」
エラスラ公の母親が言った。
うーん、多分、変態チックなところだと思うよ。
「うちの子に過去なんてありませんわ。」
お母さんが言い切った。
いや、間違いなくあるよ。
美形年下武人殿下とかカラさんとか、国王陛下とかださ。
別に何があったわけでもないけどね。
「あら、ねぇ、オズワルト殿下と、でしょう?それなのにシーラントはセツラさんがいいなんて…なんて優しいんでしょう。」
イルーシアさんが扇で顔半分隠しながら言った。
「ええ、気にはしません。」
エラスラ公がますます舐めるように胸元をみた。
わーん、気持ち悪いよ。
「このおはなし無かったことにしてください。」
お母さんが言い切った。
「あら、いいの?ハブータエ皇女殿下からのご紹介なのに。」
イルーシアさんが言った。
こ、こんなところでその名前聞くと思わなかったよ。
「次期王妃様のハブータエ皇女殿下ですわよ。」
イルーシアさんが言った。
まずい、それだとひっくり返るかも知れない。
「…セツラ、シーラント様と散策してきたらどうかしら?お花がきれいだもの。」
お母さんが言った。
「行きましょうか、セツラさん。」
エラスラ公が私の手を握った。
「お忙しいのにお手をわずらわす訳には…。」
私はゴニョゴニョ言った。
「行きましょう。」
エラスラ公は案外強引に引っ張って言った。
わーん、気分的に
売られていく子竜だよー。
竜輸送車に揺られて、キューキューなく。
ああ、誰か助けて…。
いつから、こんなに弱くなったんだろう?
私はもっと心は強いはずだよね。




