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捕獲されました。(昔の記憶ってなんですかー?)

私、美形年下武人殿下に会いに来たんだよね。


「セツラ…やっと二人きりになれたね。」

国王陛下が言った。


「おい、くそ坊主、二人きりじゃねぇぞ!」

じいちゃんが叫んだ。


「団長…申し訳ない。」

アーウィングおじさんがそういって

じいちゃんを押さえつける団員に指示した。


「丁重にお帰りいただけ。」

アーウィングおじさんが言った。


「てめ、セツラに何かしたら承知しねーからな!」

じいちゃんはそういいながらも連行されていった。


じいちゃん、腰蹴られてたけど大丈夫かな。


「ご苦労だった。」

国王陛下が言った。


美形年下武人殿下に会いに行くって決めて

渋るじいちゃんを新作のさつま芋コロッケでつってやっと王宮に来たのに。


きたとたん、カササダ竜騎兵団のアーウィングおじさんと団員に囲まれて。


じいちゃん、さすがに多勢に無勢だったらしいよ。


「さすがは、次のカササダ竜騎兵団、団長だな。」

国王陛下はそう言いながら

竜騎兵団員から私を受け取って抱き上げた。


「アーウィングおじさん、助けて。」

無理かな?

出世が大事?


「すまねー、セツラちゃん。」

アーウィングおじさんが弱々しく言った。


やっぱりダメか。


「やっと、てにいれた。」

国王陛下の目が怖い。


私を見つめたまま歩き出した。


「私、美形…オズワルト殿下の許嫁です!」

なんで、この人は私に執着するんだろう?


「オズワルトはそれを放棄した、チエアイス武王国に婿入りするそうだ。」

国王陛下が言った。


ああ、やっぱりそうなんだ。


おかしいな、悲しみが沸き上がってくる。


「泣いているのか?」

国王陛下が言った。


わからないけど、涙が出る。


「セツラ、涙を見せるなら、私の腕のなかで私のために流せ。」

国王陛下が言った。


よくわかんないよ。


「オズワルト殿下に会わせてください。」

会って確かめなくっちゃ。


「今はいやだ。」

清々しいほど自分勝手に言い切ったよ。


「ハブータエ殿下はどうするんですか?」

そうだよ、その線でいこう。


「そうだな、ハブータエ殿を王妃に据えてもいい、形だけなら。」

国王陛下が笑った。


形だけなら?真実結婚じゃないの?


「オーレウス帝国が黙っていないんじゃ。」

オーレウス帝国…うん、絶対になんか言う。


「セツラは優しいな、昔、慣れない国王業務で疲れ果ててたときに、お兄ちゃんって言って頭を撫でてくれた。」

国王陛下が妖しい事を言った。


その程度の事がたたってる?


「とても、癒されたんだ。」

国王陛下が嬉しそうに笑った。


昔…ちび幼児時代なんて覚えてない。

よっぽど、印象深くないかぎり。


例えば、初めて天竜にじいちゃんにのせてもらったとか。


スゴい、大きい建物に連れてこられたとか?


美味しいお菓子…。

綺麗なお兄ちゃん…。


あー、案外記憶あるわー。

内容なんて覚えてないけどさ。


なるほど…それが原因か…。


「セツラ、ずっとそばにいてほしい、国王位なんてくそ食らえだ。」

綺麗な人もくそ食らえいうんだ。


って、何のんきなことを!


気がつくとベッドに下ろされてた。


首もとに口づけられる。


「セツラ。」

国王陛下が色を含んだ声で言った。


そのまま押し倒された。


わー…ヤバイ!

でも、美形年下武人殿下は

今回は来ないよね。

だって、チエアイス武王国に婿入りするんだもん…。


ああ、なんか悲しくなってきたよ。

誰かじゃなくて

オズワルト殿下に助けに来てほしいよ…。


もう、このまま、最後まで行っちゃうのかな?


「セツラをお離しください!父上!」

空耳が聞こえた?


もしかして、本当に!?


美形年下武人殿下がそこにいた。

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