故郷に帰りました。(引きこもりー?)
イアルダスに帰ったよ。
それなのに気が思い。
「セツラ、なに落ち込んでる?」
じいちゃんが言った。
「え?落ち込んでないよ。」
地野菜のリストを見ながら答えた。
まあ、まったく、頭に入らなかったけどね。
「そうか?まあ、それならいいけどな。」
じいちゃんが私をじっと見た。
なんでだろう?
美形年下武人殿下がそばにいないと
楽なはずなのに。
好きなことできるはずなのに…。
なんか悲しいんだよね。
美形年下武人殿下は今どうしてるんだろう…。
「ダメだよ…うん、もともと、縁がなかった人なんだし…それに…私は、別に好きなわけじゃないよね…。」
ああ、独り言が増えるよ…。
まあ、地野菜のアレンジメニューでもレイモンドとなんか相談しようか…。
さて…直売所でも行こうかな…なんか…行きたくないな…。
「よっこいしょ。」
私は重い腰をあげた。
行きたくない…あの紫の瞳をみてないと落ちつかない…。
あの、金髪の髪が背中に揺れてるのを見ないと寂しい。
「私は…変態かよ。」
困った…行き遅れが高望してる。
私はため息をついた。
「お嬢様、通信機がなっております。」
ホーっとあるいてたら執事のカラロンス・ウーアズさんが言った。
そういや…なってるね…ご当地アイドルイアルダスンの着メロ…。
『お姉さま!どういうことですの!』
出たとたんアサギに怒鳴られた。
「え?なに?」
何の話?
『お姉さまとオズワルト殿下が破談になったって本当ですの?』
アサギが言った。
「ハダン…それどんな野菜?」
ハダンってなんだったっけ?
『お姉さまがしらないと言う事は…嘘ですの?』
アサギが言った。
「…何がさ…。」
ハダン…よくわかんない。
『オズワルト殿下が国のためにチエアイス武王国との縁談を望んだと言う話を聞きましたの。』
アサギが勢い込んで言った。
「…国の為に…。」
いかにも…美形年下武人殿下が言いそうな事だよ…。
『本当ですの?もしそうなれば、戦争が起これば真っ先に…と言うお立場になりますわ!』
アサギが言った。
ああ、そうか…アサギの方がものの見方が広いんだね。
人質同然で行く覚悟なんだ…。
エルフは…私だって知ってるくらい強い…。
あのしなやかな身体に最高の戦闘能力…長い寿命と言うハイスペックの一族だ…。
チエアイス武王国にはウライシア工業国と言う最新の機械開発の国がついてて、
ある意味、竜の国である、アイルパーン竜騎国はそう言う意味では遅れをとってる。
もし、戦争になって、イグサじいちゃんみたいな戦上手がいても勝てるかは
微妙なんだろうな…。
エルフをチエアイス武王国につかせると、世界の均衡が崩れるのか…。
オーレウス帝国が付けば…多分変わるけど…。
多分戦争させない為に…美形年下武人殿下は決断したのかな?
『お姉さま!お姉さま!?』
アサギが叫んだ…。
でも、私、直接、破談とか聞いてない!
きちんとダメなら説明するのが礼儀だよ!
「アサギ…私、王都に戻る。」
私は静かに言った。
『お、お姉さま?』
アサギがたじろいだ。
「王都にいって、美形年下武人殿下に聞いてみる。」
行動しよう。
『お姉さま~?』
アサギが言った。
通信機を切って歩きだした。
うん、行こう、最初は嫌だったけど…。
きちんと終わりなら終りにしてこよう。
それ以前にまだ、なにも始まってない。
まだ、美形年下武人殿下をどう思ってるかなんでわかんないけど…。
会いたいんだよね。
「セツラ何処行くんだー?送ってやろうかー?」
じいちゃんが呑気にブドウ饅頭を食べながら言った。
アマリン堂の秋の限定メニューだ。
「うん、お願い。」
ちょうど良かった。
「ああ、どこまでだ?」
じいちゃんが首に下げた竜笛をもった。
パートナーの竜が赤ちゃんの時あった、角が抜け代わる時に作る。
竜騎兵の命の次に大切な笛…美形年下武人殿下も下げてたな…。
何処にいても竜に伝わるらしい。
「ちょっと、王宮までよろしくね。」
うん、きちんとけじめ付けてくる。
「おお…王宮?」
じいちゃんが竜を呼んだあと言った。
「うん、王宮までね。」
私は言った。
美形年下武人殿下。
私、まだ、あなたが好きかどうかなんてしらない。
でも、このままもやもやしてると仕事に支障きたすから…。
けじめ付けさせていただきます。




