歓迎会きついです。(ああ、しらばっくれたい~。)
歓迎会の用意で体力使い果たしたよ。
貴族の女性って半端ないと思います。
「セツラ、大丈夫か?」
美形年下武人殿下が心配そうに言った。
「オズワルト殿下、そこは綺麗だとかでございますわ。」
ローレン女官が不満そうに言った。
まあ、この人たちの力作だしね。
「セツラ、綺麗だ。」
美形年下武人殿下が取って付けたように言った。
「いいんですよ、無理しなくても。」
そうだよ、美人じゃないもん。
「心配だ、抱えていこうか?」
美形年下武人殿下が言った。
そんなに疲れてるように見えるんだ。
今日もカササダ竜騎兵団、団長の正装か…。
羨ましい、わたしももっと簡素なかっこうしたい。
今日はエメラルドグリーンのアンダードレスにうす紫のオーバードレスなんです。
いつになく気合いはいってるんですけど、
髪は銀のユリの花型の髪飾りです。
ああ、仕度に半日ってなに?
「エレガントにエスコートしてくださいませ。」
ローレン女官が言った。
その時はもうお姫様ダッコってなに?
「べつに良いだろう?」
美形年下武人殿下が不満そうに言った。
「エレガントに!エスコートしてくださいませ!」
ローレン女官が主張をした。
「下ろしてください。」
恐ろしいないな、慣れてきたよ。
「セツラ、無理するな。」
美形年下武人殿下は下ろそうとしない。
「で、ん、か!セツラ様が笑われるのですよ!」
ローレン女官が慎みをすて叫んだ。
そうだね…笑われるかもね。
「そうか、だが私は離したくない。」
美形年下武人殿下が言った。
「きちんと習ったのではありませんか?」
ローレン女官が冷たく言った。
「ほかの女ならいくらでも離せる、セツラは信用できない。」
美形年下武人殿下が言った。
逃亡防止かい!
「あのさ…美形年下武人殿下~、私は今さら逃げないって。」
どうやって逃げるのさ。
「分かってる、だがセツラは転ぶに決まってる。」
美形年下武人殿下が言った。
そっちの心配か…たしかに…。
「行こうか。」
私は諦めた。
「ああ、そうしよう。」
美形年下武人殿下が嬉しそうに笑った。
「諦めないでくださいませ!セツラ様!」
ローレン女官が叫んだ。
自分自身はよく分かってるよ。
「オズワルト、見せつけかい?」
途中で合流したカラさんが言った。
「セツラは私の許嫁ですので。」
美形年下武人殿下が言った。
「お姉さま、きちんと歩いてください。」
アサギが言った。
カーラアスト王太子殿下のパートナーはアサギらしい。
「アサギ嬢に頼んだのですね。」
美形年下武人殿下が笑った。
アサギならいいんかい?
「アサギ姫が押しかけていったんだ、セツラちゃんと自分は似てお買い得だって。」
カラさんが言った。
「だってお姉さまだけじゃ心配なんですもの、私単独では招かれていませんし…。」
アサギが言った。
そうなんだ…なんてお姉ちゃん思い…なのかな?
「未来の王妃様に覚えめでたくなっていただかなければ!」
アサギが言った。
「もう、ダメなんじゃないかな?」
国王陛下のせいで…。
「私もそうおもうが…。」
美形年下武人殿下が私を抱えたまま言った。
「…さっさと、父上には引退してもらおう。」
カラさんが黒い事言った。
「父上はまだ、若いですよ、兄上。」
美形年下武人殿下が言った。
歓迎会の会場は麗しいハブータエ皇女殿下…。
そして、会場に名前を呼ばれて入ったとたん、予想通りガン見されました。
今もひそひそ噂話されてるし。
抱き上げられてるなんてはしたないとかね。
「…あれ、聖騎士団の団長盛装?」
私は美形年下武人殿下に聞いた。
どう見ても、騎士服に長いスカートな盛装なんですけど。
「オダーウエ聖騎士団の盛装のようだ、見合いはそれでいいのか?」
美形年下武人殿下が答えた。
その隣に不本意そうな顔をした、
国王陛下がいる。
「セツラ嬢ですわよね。」
ハブータエ皇女殿下が笑った。
でも、目は笑ってない。
「オズワルト、セツラ嬢が可哀想だ、おろせ。」
国王陛下が言った。
「父上こそ、ハブータエ皇女殿下を、未来の義母上を抱き抱えなくて良いのですか?」
美形年下武人殿下が臆面なく言った。
「未来の義母上だなんて、オズワルト殿下は素晴らしい方ですわ、許嫁がオズワルト殿下につりあわないのではなくて?」
ハブータエ皇女殿下が言った。
目の上のタンコブですか?
まあ、たしかに。
「セツラ嬢とオズワルトはたしかに釣り合わないな。」
国王陛下が言った。
ハブータエ皇女殿下がわが意を得たりと満面の笑みを浮かべた。
まあ、たしかにふさわしく有りませんよ。
「セツラ嬢はこの国の王妃にこそ、ふさわしい。」
国王陛下が爆弾を投下した。
会場が騒然となり、大臣たちが慌ててる?
「やはり、あなたがライバルなのは分かりましたわ、決着をつけないとですわね。」
ハブータエ皇女殿下が笑った。
「義母上、セツラは私の許嫁です、父上の妃になど、なりません。」
美形年下武人殿下がフォローした。
「ライバルはかんぷなきまでに叩き潰す、それが私のポリシーですわ。」
ハブータエ皇女殿下が言った。
そんなポリシーいらないです。
「じゃ、負けでいいですよ。」
うん、べつに王妃何てなりたくないし。
「そういうわけにいきませんわ。」
ハブータエ皇女殿下が華のように笑った。
ああ、迷惑だよ、私は普通に
イアスダスの直売所店主だけで十分なのにさ。
まったく王妃なんて興味ありません。




