寝室に連れ込まれました。(私のせいですかー?)
美形年下武人殿下が怖い。
私のせいじゃないもん。
私を抱えて戻ってきた美形年下武人殿下は
寝室に直行した。
ベッドに下ろされてそのまま押し倒された。
「いったい、どういう訳だ!」
美形年下武人殿下が言った。
綺麗な顔が目の前にあった。
「どういうわけって言われても、私、ちゃんと抵抗したよ。」
体調不良と言うことでさ。
多勢に無勢で負けたけど。
「……セツラ、父上を煽るな、ハブータエ皇女殿下との婚姻は重要事項だ。」
美形年下武人殿下が言った。
「煽ってないもん!」
どうしてそんな発想になるのさ!
「……煽ってる。」
美形年下武人殿下が言った。
「どこがどうに煽ってるのさ!」
なんか切れてきた。
大体女性を力づくなんて言う男は最低だってお祖母ちゃんもいってたもん。
私はたしかに戦闘能力ないけど、従兄のウタシロ兄ちゃんにはあるんだからね。
まてよ…ウタシロ兄ちゃんってカササダ竜騎兵団の団員じゃん。
何でいないんだろう?
「その胸元が煽ってる…。」
美形年下武人殿下がそういって空いてる胸元にキスをした。
…身体目当てかい!
「その唇も甘そうだ。」
キスされそうになったので顔を背けた。
「嫌なのか?」
美形年下武人殿下が言った。
「いやだよ!」
嫌なもんはいやだよ!
「…ハブータエ皇女殿下を挑発するな。」
そういって美形年下武人殿下が起き上がった。
なんかふらふらしてるんですが?
「あのさ…身体大丈夫?」
私は身体を起こして言った。
「突き放したり、優しくしたり、セツラはうらはらだ。」
美形年下武人殿下が言った。
「それをいうなら、美形年下武人殿下だってワケわかんないよ!私のこときらいなら押し倒さないでよ!」
怖かったんだからね!
「美形?年下?なんだそれは?…私はセツラのことは嫌いではない、むしろ好きなのだが?」
美形年下武人殿下がきょとんとして言った。
わー、ナゾツン…。
本当にそうなら態度でしめしてよ。
「本当に好きなの?」
どうしようかな?
「ああ、ずっと好きだ、イグサ老の通信機の映像で見て以来好きだ。」
美形年下武人殿下が言った。
映像ですか?
「ほんもんでうんざりでしょう?」
私はついにベッドの上であぐらをかいた。
「いや、ますます目が離せない、どうしてこんなに惹かれるのかわからない。」
美形年下武人殿下が向き直ってベッドの縁に腰かけた。
ひかれる?本当に?
「……ねぇ、じゃ、私の意見も聞いてくれる?」
この際、つけこもう。
「なんだ?父上のもとに行きたいなら却下だ。」
美形年下武人殿下が言った。
「それはないから…あのさ、私、イアスダスに帰ろうかなって思うんだ、そうすれば、ハブータエ皇女殿下も心穏やかに、国王陛下に求愛出来るし。」
それにこの人から離れられるし。
「…イアスダスは嫌だ、会えなくなってしまう、イグサ老は順調に回復してるそうだ。」
美形年下武人殿下がしゅんとして言った。
なんか、可愛い、仔犬が落ち込んで耳をふせてるみたいだ。
え?だめだよ、私、なんで、そんな無理!
「王都ならいい?」
イアスダスに帰らなくていいの私?
「…そばにいてくれ。」
美形年下武人殿下が言った。
わーん、仔犬が仔犬が捨てられそうな顔してるー。
「私、仕事に出たいんだよね、ここにいてもやることないし…。」
だって、特に貴族の姫業はさアサギにまかせて本業してたしさ。
「……送り迎えしてもいいか?」
大きな仔犬が言った。
ああ、なんかダメだ。
「い、良いよ。」
どうしよう、ほだされてるよ。
「あと、護衛もつけたい。」
仔犬が言った。
しっぽブンブンふってる。
「ウタシロ兄ちゃんがいいな。」
知り合いがいいな。
「ウタシロはチエアイス武王国に対策で国境地帯にいる、エアスディアではダメか?」
美形年下武人殿下が言った。
だから、ウタシロ兄ちゃんいなかったのか。
「う、エアスディア竜騎兵は美形年下武人殿下のシンパだからいやだ、男性の方はいいな。」
視線がいたいんだよー。
「わかった、一瞬たりとも離れてくないが、しかたない…仕事を認めよう…生き甲斐は大切だ。」
美形年下武人殿下がほほえんだ。
ああ、どうしよう、仔犬モード最強だよ。
外出認めてもらったのに勝った気がしないよー。
仕事できるのはうれしいけどね。




