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測り終わり。

「………………ふぅ、やっと終わった………………」

鉛筆をぽいっとテーブルの上に投げ捨てて、大きく伸びをする。

「おつかれ〜、なんだか私まで疲れちゃった」

ゆみりもあくびを一つ。

「いや、ゆみりがじっとしててくれればもっと早く終わったし、ここまで疲れなかったんだけど………………」

「だ、だってぇ………………」

「あーはいはい分かった分かった。ゆみりがくすぐったがりだってことは、よーく分かったから。」

さてと、ゆみりのサイズは分かったから、あとは何を作るのかを決めないと。

「ゆみり、ちょっといいかな?」

「なぁに?」

やっと落ち着いたのか、おやつをぽりぽりとつまんでいたゆみりが顔を出す。

「とりあえずサイズ測れたからさ、ゆみりの希望を聞きたいなって」

「きぼう?」

きょとんとするゆみりに説明する。

「うん。サイズは分かったから、次は何を作るのかを決めようと思って。ゆみりは何がいい? ワンピース? スカート? それとも、ゆったりシャツ?」

「え、最初に決めないでも大丈夫だったの?」

「まぁね、全部測ってあるから何にでも応用できるし」

「わぁ………………、それならねぇ、ゆったりめのスカートと、上着が欲しいかなぁ。」

「なるほど、スカートと上着ね。春物でいいかな?」

「あ、えっとね。出来れば冬の間着られるやつがいいんだけど………………」

「………………え? でもそうすると、仕上がっても何回も着ないうちにタンスに仕舞っちゃうことになると思うけど………………」

「ふぇ? そんなに時間かかるの?」

「うん。ぼくだって一日中針持ってちくちくやってられる訳じゃないし、それに帰省しちゃうからね………………」

「あ、そっかぁ………………」

実言うと、あんまり地元に帰りたくないんだよね。………………昔の友達と顔合わせちゃうかもだし、それに………………田舎は、自分の生き方を分かってくれる人なんて殆ど居ないから、ね。

「そっか、帰っちゃうんだ………………」

「うん。………………………………ゆみり、もしかしてぼくの作った服を着て実家に帰りたかった?」

「うん。実家って言っても、今も実家から通ってるけど。お正月に集まる親戚の人たちに見せたかったんだ。」

「なるほどね。………………なるべく頑張ってみるけれど、多分その希望には沿えそうにないかも。」

「そっかぁ………………………………あ、あとね、もう一つ希望いい?」

「お、なんだい? お金のことなら心配しなくてもいいし、ちゃんとゆみりに似合うように作るよ、あとは」

「ううん、そうじゃなくて。………………その、着たときに、あんまりおデブさんに見えないようにして欲しいの。」

「………………………………へ?」

思わず聞き返す。ゆみりは、今のままが気に入ってるんじゃなかったの?

「えっとね、お正月にみんな集まるんだけど、いとこ達に毎年おデブだおデブだーって言われるのね。………………私はこの身体が気に入ってるんだけど、ブーちゃんとか からかわれるのは嫌なの。だから、お正月には間に合わなくても、すずちゃんに作ってもらう服はそういうのがいいな、って。」

「ゆみり………………」

思わずゆみりの頭をなでなでする。ついでにお腹もぷにぷに。

「す、すずちゃん、私は真面目に話してるのにぃ………………」

そう言いつつもあんまし嫌そうじゃないゆみり。一通りゆみりで遊ぶと、

「わかった、こっちも出来るだけ頑張ってみるよ。期待して待ってて。」

「ほんと? すずちゃん大好きっ」

いきなりゆみりに抱きつかれる。………………あ、ゆみりのシャンプーいい匂い………………

「っとと、それはそれとして。………………ゆみり、次の日曜日って空いてる?」

「え? えっと、空いてるけど………………」

「よし、ならそこでお買い物行こっか。ゆみりのお正月の服を見立ててあげるよ。」

「ええっ、そんな、お洋服作ってもらうだけでもありがたいのに、更にお洋服選んでもらうなんて悪いよぉ………」

「大丈夫。それに、ゆみりにも選んでもらうものがあるからさ。」

「私にも?」

「うん。実は生地を選んで欲しくてさ。どんな色合いのがいいかとか、厚みはどれぐらいがいいかってのは、ゆみりに決めてほしいし。だから、そのついで。 そんなに気にしなくたっていいよ。」

「そ、そう、なんだ………………………分かった、じゃあ日曜日の………10時でいい?」

「うん、じゃあその時間にこの部屋で待ち合わせね。忘れないでよ?」

「忘れないよぉっ」

ゆみりは拗ねたように言うと、カバンを持って私の部屋を出ていった。

………………さてと、こっちはこっちで案を練りますかね。

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