表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/101

第83話

会津―


土方はいつの間にか眠っていたことに気づいた。

はっと目をさますと、さっきまでいたと思っていた総司がいない。

土方は体を起こして、しばらくぼんやりとした。


土方「…夢だったのかな…?」


さっきまで、夢の中で目を覚ましていたにすぎなかったのではないかと土方は思った。

しかし、土方の傍には総司のぬくもりのようなものが残っているような気がした。


土方「…来ていたんだろうな…。」


土方は寝転んで小さく笑った。


土方「また生霊になって、総司のところへ行くか。」


そう呟いた。


……


総司が目を覚ますと、夕方になっていた。

黒猫はいつの間にかいなくなっている。


総司「…礼庵殿が来る頃か…」


総司は黒猫がいつも礼庵を出迎えていることを知っていた。

動物の感というものは鋭いようで、黒猫がいなくなってからすぐに礼庵が来るのである。

いつも決まった時間に来ると言っても、養生所での仕事で、かなり遅れることもある。

その時はその時で、黒猫はずっと総司の傍におり、くいっと顔を上げていなくなったかと思うと、しばらくして礼庵が来るのである。


総司「動物の感…か。」


総司も京にいた頃は、後ろの人間に殺気があるかないかくらいは、感じることができた。

背中をすっと冷たい手で触られたような不思議な感覚があった。


…しかし今は、もう鈍感になってしまっているような気がした。目を閉じていて、礼庵がいつの間にか横に座っていたことがある。

そして…今も…。


総司は目を開いた。やはり、礼庵が傍に座っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ