表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/101

第73話

江戸 東の療養所―


朝方、礼庵は療養所へ戻ってきた。

戸が開く音がしたのを聞いて、東は飛び起き、玄関へと飛び出していった。


東「おっおかえり、礼庵」

礼庵「…ただいま。東さん。」


礼庵はそう東に微笑むと、疲れた様子で、部屋へと戻っていった。

東は、心配なあまり、礼庵について部屋へと向かった。


東「沖田さんは、どうだ?…元気そうか?」


そう言って、閉じられたふすまの外から呼びかけたが、返事がない。


東「礼庵…おい…着替えてるのか?」


そう聞いてみたが、着替えている様子もないので、そっとふすまを開いてみた。


東「!!」


礼庵は、その場に倒れ込むようにして眠っていた。

もちろん、着替える間もない。袴をはいたまま、畳の上で眠っていた。


東「…おいおい…いくらなんでも、痛いだろう…?」


東はそう呟いて、床をひいてやった。


東「…嫌だろうが、ちょっと抱くぞ。」


東はそう言って、礼庵の体を抱き上げた。

礼庵は気づいているのかいないのか、抱き上げられた途端、東の首に両腕を巻きつけてきた。


東「…!(*--*)」


東は顔を真っ赤にした。


東「だっ大丈夫だよ。落としたりしないから…。…まぁ…そのままつかまってくれていても…いいけどよ…」


東はしどろもどろにそう言い、礼庵を床の上へゆっくりと下ろした。

礼庵はそのまま、ここちよい寝息を立てて眠っていた。


東「疲れてるんだな、礼庵…。ということは…沖田さんの具合、よくないんだな。」


東はそう呟いて、黙り込んだ。…総司の死が近づいていることを感じずにはいられなかった。


東「おやすみ、礼庵。」


東はそう言って、部屋を出、ふすまを閉じた。

その後、部屋には礼庵の寝息だけが残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ