41. 2年生
2年生の講義室に入り、席についていると、
「よーカルロ。生きてたか?」
「おはよう、ジミー。久しぶりなのにずいぶんな物言いだな」
「だってお前。隣国の姫様に手を出して、辱めを受けた姫様が怒ってお前を拉致して王城に連れて行ったって。もっぱらの噂だぞ」
「誰だよ、そんなデタラメ流したヤツは?」
「そんなの分かる訳ないだろう。噂なんだから」
「ティルク先生は何も言わなかったのか? あの時いっしょに居たんだぞ」
「いや、何も言ってなかったぞ。誰か尋ねたようだが、いつものように変な棍もって頷くだけだったみたいだな」
かぁ――、使えね――。
「それで何やらかしたんだ? なぁ~、おしえておくれよ~~~」
「だぁ――、なんだそのキャラ。気持ちわりーからやめろ!」
「ちぇっ、いけずだなー」
「誰がだよ、とにかく放課後な」
「あ、それとアンがキレてたぞ。せめて、ポンタを残して行けってよ」
「なんだよ、僕はポンタ以下なのかー」
そして、放課後。
「ちょっとー、もう勘弁してよねー。せめて、休み前に帰って来なさいよね」
と、文句たらたら零しているのは、僕の出してやったチョコアイスを食べ終わりスプーンをいつまでもペロペロしている赤目赤髪の女子。
アン・シャーシー11歳(龍人族)である。
放課後になって1番に駆けつけてきやがった。そして、各スイーツをひとつずつ平らげていく。
健康のため、糖質のとりすぎには注意したほうがいい。
「よっ、きたぞ。まずはプリンな! プリン」
「来て、早々かよ! ほらっ」
「なんで、バケツなんだよ! 掃除しろってか。いや、このあま~い香りは!」
「正解! みんなで食うぞ。最後にアンと喧嘩するなよー」
「す、すげ―――、カルロ。一生ついて行くよ!」
「安っしーな、おい」
「見ろ、6人で分けても こんだけあるぞ。嬉しすぎんぜ、いただきまーす!」
僕の分け前も、それなりの量になったのでシロと半分ずつ分けることにした。
「カルロ、これ。少し堅いけど、カラメルソースがめちゃ多くて最高だな」
当りまえだ! あの スイーツ・ダンジョン で名高いサラに直接たのんだのだからな。
しかも今度は、”うめだ” で見たソフトクリームにプリンをのせたとんでもないヤツを頼んでいるしな。
しかし、アンが居るまえでは口に出来ないが……。
スイーツ・ダンジョン なんか聞いた日には、絶対に毎日つれて行けと言うに決まっている。
「ところで、あなた。夏休みの前は王城に居たって本当なの?」
各スイーツやデカプリンなどをたらふく食べて満足したのか、アンのヤツようやく喋る気になったようだ。
「おう、そうだぞ。大変だったんだぞ」
「やっぱり、変態ね。姫様に何したのよ」
「ちょ、おま、待て待て。なんで、僕が何かしたようになっているのさぁ」
「だから、噂でみんなそうだって言ってたんだからね。変態!」
「いやいや、変態 違うから。僕は無実だから」
「でも、今、王城に連行されたって……」
「おお――――い、連行されたとはいってないぞ――――」
そして、僕はチルチット絡みの経緯を王族の事などはボカシながらも分かるように説明した。
「そう、ピーチャンがね……。それはご苦労さま」
「…………」
「じゃあ、カルロも戻ってきたし、今まで通り休みの日はダンジョン行きで良いんだよな」
「それ、ちょっと待った!」
僕が頷いているのに、横から アン が「ちょっと待った・コール」を飛ばしてきた。
「それでは、まずは、ジミーから」
「は、はじめから ダンジョン・スパンク と決めてました。おねしゃっす」
「それで、ダイアナの答えは」
「……ごめんなさい」
「ごめんなさいダ―――」
「なにやってんだよ!」
「なんでもねーよ!」
あ、いかんいかん。流されてどーする。
「で、どうしたんだ?」
「で、じゃないわよ。何よ、今の茶番は……」
「まあ、いいわ。 端的に言うと、ダンジョンを変えないかってこと」
すると、ジミーが、
「どーこ行くんだよぉ。カイル か?」
「あんたバカァ――?」
「なにか、ムカつく言い方だな。それに指差すんじゃねー」
「ホント、おバカねー。わたしが言っているのは、ダンジョン・サラ よ」
「誰がおバカだよ、何が違うって言うんだよ!」
「はぁ――、スイーツが出るらしいのよ。たぶんプリンも出るわよ」
「!?……うぉ――――! カルロ、サラだ。ダンジョン・サラに行こう。絶対行こう! 」
あ~ぁ、知ってやがったかー。
そして、他のメンバー2人もこれといって異論も反対もないようだ。
まぁ、ダイアナはシロやテン達と戯れてご満悦の様子だし。
カミラさんに至っては、チラ見……どころじゃないな。
目が血走ってないか、大丈夫なのだろうか? 主にジミーの……乙。
こんな感じで、ひさびさの学園での1日は過ぎていくのだった。
ジミー・ヘンドリーセン Lv.11
年齢 11
状態 通常
HP 27/27
MP 22/22
【使魔】 テン (フェレット)
筋力 16
防御 12
魔防 17
敏捷 15
器用 9
知力 18
【スキル】 槍術 (2) 魔法適性(土) 魔力操作(4)
【魔法】 土魔法(3) 身体強化(1)
【祝福】 ユカリーナ・サーメクス
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カミラ Lv.11
年齢 17
状態 通常
HP 42/42
MP 13/13
筋力 17
防御 14
魔防 13
敏捷 17
器用 15
知力 13
【スキル】 短剣術 (2) 魔力操作(4)
【魔法】 身体強化(1)
【祝福】 ユカリーナ・サーメクス
懐かしの「ねるとん」ネタから、少しシムラさんが入って最後はあすかネタでございました。まあ、シムラさんのフリは「なんだろな?」なのですがね。さてさて、学園も2年目に突入して各キャラの特色も分かっていただけたことでしょう。また、仲良くダンジョンライフ……学園ライフ楽しくまいりましょう。
(∪^ω^)2年生お!
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