97話 捜索班VS文明の利器
優也は珠音の店を出た後、あらかじめひなこと約束していた合流地点へと向かった。
「あ、優也くん!」
「ひなこ、そっちはどうだった?」
「ううん。このくらいの子が行きそうなところは探してみたけどだめだったよ。優也くんは?」
「こっちもダメだった」
収穫はなしか。
闇雲に探し回っても、この街は広い、見つけ出すなんて土台無理な話であろう。そもそもこの街にいるとも言い切れない。
それにしても、ひなこの言う、このくらいの子が行きそうな場所、というのを、なぜ彼女が知っているのか。
それについては、あえて、詮索しないし考えないようにしよう。
そんな時、優也の携帯電話が着信音を鳴らし始めた。ポケットから取り出して画面を見てみれば、その相手は寺都芽久実であった。
「おう、寺都。今ひなこと合流したところだ」
【それで。何か分かった?】
「残念だけど。やっぱりそう簡単に見つかりそうにねぇよ」
岡谷が最終目的といえど、こころのことも寺都が探していたはず。今まで見つからなかった人が、急に発見できたりなんて
【結野こころの居場所が分かった】
「本当か⁉︎」
——するらしい。
「でもどうやって?」
【前に貴方たちを襲った子がいたのを覚えてる?】
「『迷い子』とかいって、結野こころに操られてる『美少女』だよな?」
【そう。その子に流れ込んでいた『生力』の波を解析してたら、その波が集中してる場所があった】
「その『生力』って、確か結野こころのものだったよな」
だからその波が集結する地点に、その『生力』の持ち主、結野こころはいる。
「それはどこなんだ?」
【詳しくはこっちで話す。だから戻ってきて】
「わかった。これから戻る」
そうして、優也は通話を終了させた。




