第34話 「人々の希望たる者たち」
帝都イクリピアは、とにかくデカい街だった。
始まりの町が五つ六つぐらいすっぽりと収まってしまうんじゃなかろうか。
大通りは馬車が四台ぐらいすれ違えそうだし、どこまでいっても商店が続いていた。
さすが都会、これこそがまさしく世界の中心といった場所だ。
その通りをまっすぐいくと、城につくようだ。
しかし、なんだろう。
初めて見たはずなのに、イクリピアはどこか見覚えがある気がする。
俺は首を傾げながら、馬車に乗って城へと連れられて行った。
その後、王宮の医務室にて、俺たちは治療を受ける。
ケンタウロスの矢にかすったり、走っている最中に転んだ程度の傷で、みなはほとんどかすり傷程度だ。
だが、さすがに俺とキキレアの疲労は結構なもんだ。
一日の間にずいぶんな回数のレイズアップを使った俺はさることながら、キキレアもずいぶんと魔力を消費したようだしな。
で、だ。
シスターみたいな服を着た人に包帯を巻いてもらいながら、俺はうめく。
「ジャックのやつ、王子なんかに成りすまして、どういう気だ」
「そうよね、クーデターでも狙っているのかしら……」
「キキレア、イクリピアの王子ってどういうやつか、知っているか?」
「もちろんよ」
さすがキキペディア。
「イクリピアにはふたりの王子がいるわ。第一王子はランスロット・イクリピア・ランタン。イクリピアの騎士団長よ。武勇の腕もさることながら、国民の信頼も厚い人格者で、さらにイケメンよ」
「大したもんだな」
「第二王子はジャラハド・イクリピア・ランタン。とても心優しい性格をしていて、知性に長けているらしいわ。こっちもイケメンだって言われているの」
「なるほど」
俺たちは顔を見合わせて、うなずいた。
「つまりジャックがその、ジャラハドというやつに化けているんだな」
「間違いないわね」
「なぜハンニバルまで手を貸して……」
「弱みを握られているのかもしれないわね」
「まさか、人質!?」
「……妻や子どもたちを」
「なんてやつだ、ジャック! 見損なったぜ!」
「あいつはもともとそういうやつだったのよ。私たちが勝手に勘違いしていただけ。金持ちにはロクなやつはいないわ」
「……だとしても、俺は信じたかった」
「友人として忠告をしてあげるけれどね、マサムネ。あなたのその優しさは、いつか身を滅ぼすわよ」
「それならそれでも構わない。俺は俺の道を征くだけさ」
「……バカな人だわ、まったく」
「苦労ばっか、かけちまうな、キキレア」
「いいのよ。私たちが選んだパーティーリーダーなんだから」
「……ふ、すまねえな」
「ねえ、いつまで続くのこのやり取り!?」
部屋の隅に突っ立っていたジャックが叫んできた。
そういえばお前もいたのか。
ナルが邪気のない瞳で尋ねる。
「ねえねえ、ジャックくんって本当に王子様だったの?」
「うんまあ」
ジャックは歯切れ悪く目を逸らす。
俺は大きなため息をついた。
「嘘に決まっているだろ、ナル。ほら、見てみろよ。嘘つきは目を合わせようとしないんだ。やましいところがあるからな」
「見て! ほら、嘘じゃないから! 僕の目を見て!」
「う、うん」
ジャックが顔を突き合わせてきて、ナルは若干身を引いた。
しかし、こいつが本当に国の王子様だとはねえ。
まあそれっぽい振る舞いをしているところは、いくつかあったしな。
イクリピアの危機に血相を変えていたのだって、自分の国だったからだろう。
「ま、まあ、詳しい話は治療が済んでから話すよ。ひとまずは君たちを僕の兄に会わせようと思う」
第一王子ランスロットか。
なんとなく、すごそうな人物を想像してしまう。
そのとき、弓を担ぎながら手当を受けていたナルが、ハッと思い出したように顔をあげた。
「えっ、で、でもあたしたち、こんな格好だし」
「え?」
キキレアが聞き返すと、ナルは顔を赤くする。
「だって王子様の前に出るのに、こんな、汚れたレザーアーマーをつけているなんて、は、恥ずかしいかなって!」
「いや僕も一応第二王子なんだけど……」
ジャックのつぶやきは無視された。
キキレアは胸に手を当てて言い返す。
「いいじゃない、私たちは冒険者なのよ。なら防具こそが礼服ってものでしょう」
「うー、そうかなあ」
「そうよ。いつもみたいな自信を持ちなさいよ、ナル」
「王子様かあ、でも緊張しちゃうなあ……えへ、えへへ……」
ナルの顔が緩んでいる。
ジャックが「あの、僕も……」と言おうとして口をつぐんだ。
俺はそんなジャックの肩をぽんぽんと叩く。
「今さらお前も王子様扱いされても困るだろ、ジャック」
「まあそれはそうだけどね」
「お前は王子様だとかそれ以前に俺たちの仲間さ。ナルはきっとそれを言いたいんだ」
「そっか、なるほどね。……ほんとにそう思っている? マサムネ」
微塵も思っていない。
半眼でこちらをねめつけてくるジャックは、さすがにもう口車には引っかからないようだ。
チッ、まあいい。
すべてが終わった暁には、始まりの町でジャックが使っていたあの豪邸をもらえるらしいしな。ハンニバルとそう約束をしたんだ。ジャックが王子様だというのなら都合がいい。約束を違うことはないだろう。
そう、金と安寧の生活のため! 俺はそのために帝都までやってきたんだ。
そのとき、治療を終えたキキレアがこちらにやってくる。
「そういえばマサムネ。あのニャン太郎はどうしたの?」
「ん」
そういえば医務室には姿がないな。
どこかで昼寝でもしているのだろうか。
俺は辺りを見回し、ミエリの影を探す。
頭や性格はともかくあの美貌だからな。そうそう見失ったりしないと思うんだが……。
すると廊下に近づくと、なにやら人たちの話し声が聞こえてきた。
「なあ、この猫どっから入り込んだんだ?」
「毛並みがツヤツヤで綺麗ねえ。誰かの飼い猫かしら」
「に゛ゃ゛ーーーーーー!」
すみません、それうちのです。
ミエリ(猫)が衛兵に摘ままれていた。
調度品で飾り立てられた廊下を歩きながら、キキレアは俺の肩にのぼっているミエリを指差し、眉をひそめた。
「あれ、その猫いつの間に連れてきていたの?」
「ニャン太郎が縮んで猫になったんだ」
「へー……あ、そう……?」
会話はそれで終わった。
ミエリはにゃあにゃあわめいていたが、言葉が通じない今、反論もできない。
ていうか、なんで縮んでいるんだ。
まあそれはともかく、俺たちは謁見の間へと案内されていた。
物々しい騎士たちが俺たちの周りを取り囲んでいる。
先頭を歩くのがジャックだから緊張感がないけれど、でもこれなんか普通にちょっと怖い状況だ。
まあ武器は没収されていないということは、ある程度信頼されているんだろう。
しばらくいったところで、巨大な扉があった。
その前には、老紳士が立っている。ハンニバルだ。
「ようこそ皆さま。ではこちらへ」
言葉少なげに俺たちを招き入れる。
扉の中は、謁見の間だ。
真っ赤な絨毯が敷かれていて、さらには大勢の騎士たちが立ち並んでいた。
玉座には誰も座っていなくて、その隣にひとりの男が立っている。
長い銀髪を伸ばしたイケメンだ。どことなくジャックの面影がある。二十歳を過ぎたあたりだろうか。重そうなサーコートを着ており、その前面にはデカデカとイクリピアの紋章が縫いつけられている。
イケメンは両手を広げながら、口を開いた。
「ようこそ、勇者たちよ。俺の名前はランスロット。弟が世話になっているな」
あまり堅苦しくはない口調だ。好青年だな。
俺たちは順々に自己紹介をする。
「マサムネ殿、キキレア殿、ナルルース殿、か」
「にゃ~~」
「……その猫は?」
「ああ、こいつはニャン太郎だ。気にしないでくれ。俺たちのパーティーのマスコットだな」
「あれ、ミエリじゃなかったの?」
隣からナルルースが小声で問いかけてくる。
うん、もうどっちでもいいよ。
ランスロットは俺たちを物珍しそうに眺めている。
「なるほどな、これが冒険者か。うむ、度胸が据わっている連中だ。頼りになりそうだな」
「なにを言っておりますか! 殿下!」
すると玉座の近くにいた男が大声をあげた。
高級そうな服を身にまとったでっぷりとしたオッサンだ。
「よもやこんな男たちの手を借りなくては危機を脱せぬとは! 病床に臥せっている陛下がこのことを聞いたら、なんと言って悲しむか!」
「出過ぎた真似だぞ、リッドン」
「いいえ、ここは言わせていただきます、殿下! 私は陛下の代わりにここに立っているのです! ジャラハド殿下も殿下です! どこの馬の骨とも知れぬ者たちを連れ帰ってきて!」
なんだあのオッサン、元気だなー。
「僕、リッドン苦手なんだよなー……」とジャックが小さくぼやいた。
それが聞こえてきたわけではないだろうが、オッサンはこちらを睨みつけてきた。
「この帝都の誇る魔法騎士団は、世界最強の騎士団よ! お前たちの手などいらぬ! 帰れ帰れ!」
そう言われてもなー。ここで帰ったら豪邸もらえないしなー。
横目にキキレアの怒りゲージがたまってゆくのが見えた。さすがにこんなところでタンカを切ったりはしないと思うんだが、こいつ、炸裂弾みたいなところあるからなー……。
ただ、騎士が俺たちを見る目つきも、似たようなものだ。
ランスロットが俺たちみたいなのに頼みごとをするのは、いい気分ではないだろう。うさんくさい集団だしな。
わかるわかる。だからあんまり睨まないでくれ。
少しひやひやしていたところで、ランスロットが口を開いた。
「その魔法騎士団が使えていたら、苦労はしないさ……」
「……そ、それは確かに……ですが殿下! まだ打つ手は!」
「いたずらに死人を増やすばかりの作戦は、手とは言わん」
ランスロットは俺の目を見ながら、尋ねてきた。
「聞いてくれるか、マサムネ殿」
「ああ」
俺は殊勝にうなずいた。
豪邸のためだからな。
今、このイクリピアは闇の力に包まれているらしい。
イクリピアを取り囲むようにして、三方に建造された巨大魔法塔、トライミッドの結界のせいだという。
それによって、イクリピア及びその周辺ではほとんど魔法が使えなくなっているとか。
なるほど、それでミエリがまた猫になっているのか。
光の力を封じられているからなんだな。
俺たちが逃げてきた辺りの農業地帯が、ギリギリ射程外ってところか。
「え、うそ……」
キキレアが絶望した顔で自らの手を見下ろす。
魔法が使えないキキレアなんて、ただのキレやすい若者じゃないか。
ランスロットは語る。
「七羅将のひとり、ドクター・ゴグが仕掛けてきたこの作戦によって、イクリピアの魔法騎士団のほとんどが無力化されてしまった。今のところは無理な侵攻はしてこないが、その間に魔法塔の更なる封印の強化をしているのだとしたら、見過ごすわけにはいかんのだ」
そう口走る彼の顔は、どことなく疲れているようだった。
虎の子の魔法騎士団を無力化する手段か。考えたな。
トップメタのデッキに対する対抗としては、まさに王道の作戦だろう。
そうか、初めて来たはずのイクリピアがどこかに似ていると思ったら、始まりの町と似ていたのか。
それもギガントドラゴンがいたときの始まりの町だ。
活気がしぼんでいて、通りを歩く人たちの顔が暗かった。
ま、だからといって、俺たちは俺たちにできることしかできないけどな。
ランスロットは拳を握る。
「このまま手ぐすねを引いていたところで、いつかは住民たちの不安が恐怖へと膨れ上がり、中から人間族は崩壊してしまうだろう。よって、我らイクリピアの騎士団は、魔法塔に攻撃を仕掛けることにした」
ほう。
「三か所の魔法塔へ対し、同時に攻撃を仕掛けるのだ。魔法塔を守るのはそれぞれの七羅将だ」
ブラックマリア、ドクター・ゴグ、ビガデスだな。
なるほど、俺たちもその塔への攻撃作戦に加わってほしい、と。
そういう話か。
「我らはドクター・ゴグの魔法塔に攻め込む。お前たちには、ビガデスの塔に攻め込んでいってほしい」
「……お前、たち?」
俺は思わず聞き返す。
「って俺たちだけでじゃないだろうな?」
「ん?」
ランスロットもまた、眉をひそめた。
え、なに?
大臣のリッドンが声を大にして叫ぶ。
「なにを言っておりますか、殿下! こんな目つきが悪く、凶悪な顔つきをしていて、ゲス丸出しの男に重要な作戦を任せるなど!」
こいつの言うことは気に入らないが、その通りだ。
俺たちだけで魔法塔を破壊するなんて、できるはずがないだろう。
なにをバカなことを……。
が、ランスロットは口元を緩めた。
わかっているわかっている、皆まで言うな、という顔だ。
「ふ、聞くがいい、リッドンよ」
そして拳を握り、声高にに叫ぶ。
「――なんとこやつらはな、あの七羅将のひとり、『轟鳴のギルドラドン』を討伐した者たちなのだ!」
「な――っ」
リッドンだけではない。広場にいたすべての騎士たちが息を呑んだ。
えっ。
えっえっ?
俺たちに向けられる視線に、尊敬とか、憧れとか、そんなすごいキラキラしたものが混じり出す。
「まさか、あのギルドラドンを……!?」
「人は見た目ではないと言うが……なんとばかな……」
「すごい、すごすぎる……!」
「おお、勇者さま……おお……」
態度が変わったのはリッドンもだ。
先ほどまでの剣呑な雰囲気は霧散し、まるで孫を見るおじいちゃんみたいな顔になっていた。
「なんと……おお、今までの無礼をお許しください、勇者様……。私が、このリッドンめが愚かだったのです……。ああ、気に食わなければなんなりと、ぶって、私をぶってください……!」
誰だお前は!
なんだこの手のひら返し! 手首がねじ切れるぞ!
ついでにキキレアがリッドンの頬を思いきり引っぱたいていた。
お前―!
「スッキリしたわ」
じゃねえよ!
なんで叩かれて少し嬉しそうなんだリッドン!
ああもう、なんだこれ。
いや、こんなところで流されてたまるか。
「待て、ランスロット!」
「む? どうかしたか?」
「どうもこうもあるか! 俺たちだけで魔法塔を討伐するなんて無理に決まっているだろ! 冷静に考えろよ! 噂じゃなくてお前がその目で見た者を信じろ! 惑わされるな! 俺たちはここにいるぞ!」
「ふっ、俺は己を過小評価する者がそう嫌いではないぞ。謙虚な姿勢というのは美しい。それでこそこの帝都の命運を懸けるにふさわしい」
「ふさわしいものか!」
こいつマジでジャックの兄貴だな!
自分の見たいものを見たいように見てやがる!
「なあ、ナルもなんとか言ってやれよ。俺たちだけで魔法塔を攻略だとか」
「えへへ、マサムネくんが勇者さま……。やったね、マサムネくん! 今までやってきたことがついに認められたんだね! あたしも鼻が高いよ! 嬉しい! 心から嬉しいんだ、マサムネくん! きょうはパーティーだね!」
「ダメだこいつ使えねえ」
「なにが!?」
俺は頭を悩ませる。
このままでは本当に死地に追いやられる。
といって逃げ出したら、この先どうなるかわからない。
ていうかイクリピア自体がもう、魔族に囲まれた袋のネズミみたいなものだしな。
そのとき、さらに新たな声がした。
「失礼だけれど、彼らにそれは少々荷が重いかもしれません」
「む?」
扉から中に入ってきたのは、三人組だ。
赤髪の青年剣士。緑色の髪を持つエルフのアーチャーの男。そして穏やかにニコニコと微笑むプリーストの美少女。
俺たちを助けてくれたやつらだ。
まず最初に反応をしたのは、ナルだった。
「お、お兄ちゃん!」
て、ナルの兄貴か。同じアーチャーなんだな。
「……ナルルース、相変わらず壮健そうでなによりだな。その弓は使いこなせるようになったのか?」
「え? う、うん! ば、ばっちりだよ! 百発百中だし当たり前だよー、あ、はははー」
「嘘だな」
「ギクッ」
「お前が嘘をついていることぐらいわかる。まったく、当たらない弓を担いでなにをしようっていうんだ……」
長髪を後ろで結んだエルフ、ナルの兄は盛大にため息をつく。
苦労人のオーラがすごい。仲良くできそうだ。
次にプリーストを指差したのが、キキレアだ。
「あんた! のうのうとその座に収まっていい気分でしょうね! パチェッタ!」
あ、この子がキキレアの代わりにS級冒険者のパーティーに入ったっていうプリーストか。
「発言の意図がよくわかりませんが、お元気そうでなによりですね。キキレアさん」
「元気よ。当たり前でしょう。どうせ私が野垂れ死ねばいいと思っていたんでしょうね。ケッ、おあいにくさま、私は再びS級冒険者の座に返り咲くまで、絶対に死なないわ」
「な、なんでそんなに恨まれているのかわかりませんが、強く生きてくださいね」
そしてパチェッタは糸のような細い目をひたすらに困惑させて、体を揺らす。
ボディラインがはっきりとした法衣を着ているために、清楚な雰囲気がどことなく淫靡なものだったりもする。凹凸のはっきりとした体つきは、男性の目を惹いてやまないだろう。
キキレアに比べても、正統派な美少女だ。
俺はキキレアに笑いかけた。
「キキレア、もうお前の負けだよ」
「ぶち殺すわよ」
逆恨み女に本気の目で睨まれた。
そして――。
俺の前にやってきた赤髪の剣士は、手を差し出してきた。
「僕はフィン。僕たちのパーティーは、ブラックマリアの魔法塔を攻め込むことになっているんだ」
「はあ。俺はマサムネだ」
一見すると優男のような美形だが、しかし全身に装着した鎧の重量や、煌びやかに光る剣など、凄腕の雰囲気を漂わせている。
この世界でも最高クラスの実力を持っているのだろう。
そんなフィンと握手を交わす。
すると、彼は小さく首を傾げた。
「……あの、君たち、もしよかったらでいいんだけど」
「ん?」
「いや、ギルドラドンを倒すほどの君たちに、こんなことを言うのは余計なお世話かな」
「そういうのマジ気にしないでくれ」
「あはは、そうかい?」
フィンは人懐っこい笑みを浮かべながら、頬をかく。
――そうして、申し出てきた。
「だったら、作戦までの間。――君たちのレベルアップに、僕たちが協力したいと思うんだけど、どうかな?」
足元でミエリが「にゃあ」と鳴いた。
ううむ。
レベルアップ、レベルアップか……。
「……疲れそうだし、嫌だな」
「えっ!?」
こうして俺たちは、付け焼き刃のレベルアップに励むことになったのであった。
生き残るために……!




