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第109話 「ミエリ」

 俺は寸前になって思い直した。


 ゼノスもたいがいだったが、しかしミエリのようなやつを主神にしてもいいのだろうか。この世界の人々はそれでいいのだろうか、と。


 いや、別にいいんだ。この世界の住人はミエリがこんな女だってのは知らないだろうし。


 問題はミエリの方だ。このまま俺に頼り切りで主神になって、ミエリは本当にいいのだろうか。


 確かに優しいところもある。俺が落ち込んでいるときなどに、慰めてくれたこともある。あったような気がした……のだが、さっきのフラメルをおちょくり倒している姿を見ていると、それも遠い幻だったのではないだろうかと思えてきた。


 まあ、この場で煩悶するようなことではないのかもしれない。でもなあ……。


 と、そんな俺に、ミエリは食ってかかってきた。


「ちょ、ちょっとどういうことなんですか!? わたしを主神にするのが嫌だって、今までそんなこと一言も言ってなかったじゃないですか! なんですかそれ、マサムネさん急に!」


 詰め寄ってくるミエリに、俺は正直な言葉を告げる。


「いやー、なんかさっきのでめっちゃ好感度下がったわ。フラメルちゃんがかわいそうじゃね? フラメルちゃんを主神にしたほうがいい気がしてきたわ」


 ミエリの顔色が青くなった。


「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待ってください、マサムネさん! マサムネさんは騙されているんですって! マサムネさんはフラメルのことを全然わかっていません! こんなところでこれ見よがしに出てきて、『わたし愛の女神だから助けられる命をすくってあげたいのー。キリッ』とかわざとらしく言っちゃう子ですよ! わたしのほうがよっぽどピュアで清純ですってば!」

「いや、それはどうだろう……」


 と、俺が横目でフラメルを見やると、フラメルは俯きながらもミエリが糾弾される姿を見て口元をニヤリと歪めていた。


 あっ。


 俺はピンと来た。こっちはこっちでなんかあるやつだ……、と。


 そんな、フラメル。俺は信じていたのに、なぜ……。


 しかしそうだよな、ミエリの妹だもんな。ミエリと血が繋がっている以上、真人間のはずがないよな。そんなの当たり前だよな。多少可愛いぐらいで、騙されるところだった。


 参ったな、どうしよう。なんか、どっちも主神になってほしくないな……。


 ミエリはなおも俺にすがりつく。


「ね、ねえ、冗談やめましょうよ、マサムネさん! ね、ね? フラメルを主神にしたらほんとろくなこと起きないですってー! あ、あー! ほ、ほら! わ、わたし、マサムネさんのこと好きですしー! ねっ、ねっ、ねっ?」


 上目づかいでぱちぱちと瞬きを繰り返しながら、俺の周りをくるくると回るミエリ。ぎゅっと握った両手を胸元にくっつけて、めちゃめちゃ媚びた声を出した。


「ほらほら、さっきもわたしのおっぱい揉みしだいてましたよね? ね? えーえへへ、どーしよっかなー。でもなー、ちらっちらちらっ。ね、マサムネさんがちゃんと魔王を倒してくれたらぁー、わたしマサムネさんにまたおっぱい触らせてあげてもー、いいですけどぉー?」


 実の父(ゼノス)が聞いたら卒倒しそうな台詞である。


 なんかこんなこと前もあったなー……。


 そうだ、魔王領域にミエリとふたりで転移したときのことだ。洞窟に引きこもっている間、魔法の使えないミエリは俺にひたすら媚び尽していたのだ。


 ミエリはあのときのような顔をしていた。ううむ……。


「あっ、あー、あ、あれですかー? おっぱい触るだけじゃ物足りないんですかー? も、もー、マサムネさんってば、エッチー。だ、だったら、一日ぐらいは好きにしてもー、いいですけどー? ちらっ、ちらちらっ」


 ふむ。


 俺は頬をかきながら言う。


「だったらミエリさ」

「は、はぁい、なんですかぁ?」


 ニッコニコのミエリに対し。


「お前、俺のハーレムメンバーになれ」

「ええええええええええええええええええええええ!?」


 ミエリは顎が外れるのではないかというほどに、口を開いて驚いていた。ハーレムメンバーという言葉の意味はわかっているようだ。顔を赤らめながらブンブンと首を振る。


「ちょ、な、なに言っているんですか!? わたし神様ですよ!? そんなことが許されるわけないじゃないですか!?」

「そうなの?」


 俺はフラメルに聞いてみた。フラメルは相変わらず光の輪に魔力を込めながらも、首を傾げた。


「え、えと……、ゼノスさまがどう思うかはともかくとして、不可能ではないと思います。人間と神様の恋というのも、ないわけじゃありませんし……」


 ゼノスは大反対するだろうな。間違いない。俺の命を取りに来るかもしれない。だが、そのときはそのときだ。またぶん殴って追い返してやる。


 一方、ジャックのほうだ。今なお魔王の闇の力と拮抗しているらしく。「僕は、僕は……、もう一度、あの男を、抹殺するまで死ねない……!」とうめき、魔王を驚かせていた。


「なんと、ばかな……! この男の心に巣食う闇は、とてつもなく禍々しい……! ここまでの闇を抱えながら、なぜ平然としていられる……! 並の人間であれば、いつ廃人になってもおかしくないはずなのに……!」

「そうさ、僕は死ぬわけにはいけないんだ! あの男を殺すまでは! 絶対に! 許さないぞマサムネえええええええ!」

「ばかな、我の闇が、飲み込まれてゆく……!? そんな、貴様のその怒り、憎しみ、悲しみ、畏れ、虚しさ、怯え、苦しみ……! ありとあらゆる闇の感情が、我を飲み込んでゆく……っ!」

「くくくく、この力があれば、僕は、僕はマサムネに復讐を果たせるんだ! 僕は永遠にマサムネを許さない! マサムネを倒すために、力を貸せ、魔王――!」

「ばかな、ばかなぁああああああ……!」


 そんな無駄にシリアスな展開を横目に、俺はミエリに向き直る。ミエリは落ち着きなくあちこちに視線をさまよわせていた。


「で、でも、わたしが人間のハーレムメンバーにって、そ、それはさすがにないんじゃないでしょうか! お嫁さんならともかくとして!」

「いいじゃねえか、あと少しでベッドインする仲だったじゃん」

「あ、あれはマサムネさんの舌先三寸に騙された結果です!」


 その言葉を聞いてナルとキキレアが『え、聞いてないけど!?』とばかりにこめかみに怒筋を浮かべていたが、俺は見ないフリをした。


「ミエリ、俺はお前が好きだよ」

「えっ、い、いや、それはわたしも、まあわたしも、わたしも……、で、でも、人間と女神なんて、それおかしいですって! おかしいですもん!」


 ミエリは俺と視線を合わせようとはしなかった。


 赤みの差した頬は、どういうことだろう。もしかしたら内心、怒りで煮えたぎっているのだろうか。


 いや、だとしても構わない。俺はミエリをモノにするって決めたんだ。俺は俺の手段を押し通す。三番目のハーレムメンバーをここで手に入れるぞ!


「なあミエリ、お前のその性格はともかく、容姿と身体は手放しがたいんだ! なんだったらそのうち性格だって好きになれる自信がある! わかるか!? お前は本当に人並み外れた美少女なんだぞ!」

「ううううううう、なんかすっごく褒められてその気になってしまいそうな自分がこわいんですけど!」

「いいじゃねえか! なれよハーレムメンバーに! なにが不満なんだよてめえ! どうせ主神になったって一日中食っちゃ寝の生活だろ!  だったらうちにいたって同じじゃねえかよ!」

「人間の下でそんなペットみたいな扱いなんてわたしの尊厳が傷つくんですけどー!」


 どうでもいいことを叫んでから、ミエリは「それにぃ」と俺を見くだすような目つきに変わった。


 次の瞬間だ。


「――だいたい、マサムネさんって童貞どーてーなんですよねえ?」


 俺は思いきり後頭部を殴られたような衝撃を味わった。


「それなのに、『ハーレムメンバー』とか言い出しちゃうの、おかしくないですかぁ? いかにも童貞どーてーの妄想って感じですしぃ、ちょっと噴き出しちゃいますよねえ?」


 口元に手を当ててミエリは笑いをこらえている。


 目の前が真っ暗になった俺は、ぷるぷると震えていた。


 そんな俺の様子にも気づかず、ミエリは俺をバカにし続けている。


「おれのはーれむめんばーになれ、キリッ。ですって! ちょっと真面目にウケるんですけどー、童貞どーてーおつかれさまでーす、って感じですよねー? うぷぷー、マサムネさんってばちょううけるー、うぷぷー」


 普段の俺ならば、冷静に『処女がなんかホザいてんな』ぐらいに返すこともできただろう。


 だが、今は違う。


 ――もう俺は二度と童貞を卒業することができないのだ。


 この体は、女性といざ事に及ぼうとするとリトルマサムネが爆発する体になってしまったのだ。


 好きでこうなったわけでも、自分自身の欲望でこうなったわけじゃない。これはピースファームの村人を救うために支払った代償だ。俺が童貞を捨てられなくなったのは、人の命のためだ。


 俺が苦しみ抜いて、泣き叫びながらも、【ゴッド】のカードを使ったその決断を、この世界を救うはずの女神に思いっきり煽られたのだ。


 納得いかないどころの話ではない。ミエリは知らないとはいえ、俺の逆鱗に触れた。


 俺はこの世界にやってきて初めて。


 ――本気でキレた。


「……あ、はい、そうですか、そういうことですか、わかりました」


 俺が静かな声でそう言った途端、ミエリもなにかを察知したのだろう。急に俺の顔色を窺うような声になった。


「あ、え、えと、マサムネさん怒っちゃったんですか? や、やだなあ、冗談ですってば。いつもマサムネさんだってきわどい冗談言うじゃないですかー、そういうのですよ、そういうのー、えへっへっへー」


 おどけて笑うミエリを冷たい目で見つめながら、俺は言い放った。


「俺、お前を絶対に主神にさせないわ」

「!?!?!?!?」



 今度こそ俺が本気だと悟ったのだろう。ミエリは明らかに態度を変えた。


「ま、待ってください、マサムネさん! 今のは冗談! そう冗談ですって!」

「あなたがどんな気持ちで言ったかは関係ありません」

「だ、だったらほら! わたしが、わ、わたしが、マサムネさんの童貞卒業を手伝ってあげますから! ね、ね、ね!? す、すっごい恥ずかしいですけど、でも、こ、こんな綺麗な女神さまで童貞卒業できるんですよ!? たまらなくないですか!?」

「あ、いいです。大丈夫です、間に合ってます」


 俺にはもうナルやキキレアがいるしな。まあ、いようがいまいが、童貞を卒業できないことには変わりないんだけどな……。


 一方、ジャックはなんかもう魔王の力を吸収し尽くしたらしく「僕こそが新たなる魔王――! ジャラハド・サタン・イクリピアである! 僕は僕のすべてを懸けて悪しき魔人マサムネを討ち滅ぼす! 悪を滅殺するために僕もまた悪となろうぞ! うおおおおおお!」とかなんとか叫んでいた。ディーネが涙ながら「ジャラハドさま! 正気に戻ってください! もとのお優しいジャラハドさまにっ!」とか言ったりして、あっちはものすごい盛り上がっている。まるであっちが主人公みたいじゃないか。


 とはいえ、そろそろ悠長にもしていられなさそうだ。ジャラハド・サタン・イクリピアに本気で斬りかかられても困る。俺はフラメルのもとへと向かおうとした。


 すると、ミエリは俺の前に回り込んできて、腰から下に抱きついてくる。


「実はわたしマサムネさんのこと大好きだったんですよー! 好き好き大好きちょうあいしているー! マサムネさんとずうっとずうっと一緒にいたいなー! あっ、そ、そうだ、わたしをマサムネさんのハーレムメンバーに加えてもらったら、ずっと一緒にいられるかなーなんてー! なんちゃってー!」

「……ハーレムメンバーに加えてほしいのか?」


 ミエリの瞳がきゅるりんっと光った。ここだ! と思ったのだろう。ミエリは俺のおなかに頬ずりをしながら訴えかけてきた。


「も、もちろんです! 加えて、加えていただけましたら光栄の極みですよお! はー、マサムネさんのハーレムメンバーとかマジあこがれるー! わたしの昔からの夢だったんですよー、えへっ、えへへっ!」


 背伸びをしたミエリは、ちゅっちゅっちゅっと何度も俺の唇に小鳥のようなキスを繰り返してくる。


 だが、そんなものでは俺の怒りは収まらない。


「あーあ、魔王城に入って靴が汚れちまったなあ? 誰か磨いてくれねえかなあ?」

「は、はいただいま! 女神ミエリがやらせていただきますねっ!?」


 いそいそと俺の靴を、女神の衣で磨き始める雷と転生の女神さま。言えばおそらく舌で舐めるのもいとわないだろう。必死過ぎる。


 俺は首を振った。


「わかった、ミエリ。お前を俺のハーレムメンバーに加えてやろう」

「本当ですか!? やったー!」


 ミエリは飛び上がった。手を叩いて喜んでいる。


「だったら今すぐ、フラメルと手を繋ごう。もう手遅れかもしれないが、ジャックを救うんだ」

「はい、ご主人様!」


 たったか走ってゆくミエリはわずかな違和感に気づいたように首を傾げたが、しかしすぐにそれも忘れたようだ。


 新たな女神が加わったことにより、先ほどまで拮抗していた状況は大きく変化する。闇の力は徐々に小さくなっていった。


「バカな――、こんな、こんなことが――マサムネ、マサムネえええええええええええ――!」


 こうして輪は完成した。ジャックの体を乗っ取った魔王は、少しずつ浄化されてゆく。だが致命傷にはいたらないようだ。


 フラメルとミエリ、それぞれに強い力を持つ人間たちが支える光の輪は、まるで牢獄のようにジャックを閉じ込める。ジャックの憎しみに彩られた表情が照らし出された。


 あいつ、魔王のせいであんなにも苦しんで……。今助けてやるからな、ジャック! 待っていろよ!


 フラメルが勢いよくこちらを振り返ってきた。あの額には珠のような汗が浮かぶ。


「今です、魔典の賢者さま!」


 フラメルの叫び声に合わせて、俺はバインダを開いた。


 ジャックの表情が歪む。光に閉じ込められたジャックは構わず腕を叩きつけてきた。そのたびに少しずつ光の輪に亀裂が入る。ジャックの体を乗っ取った魔王は、女神ふたりの力をも凌駕しようとしているのだ。なんという恐ろしい闇の力だろうか。これが魔王の底力か!


 だが、もう遅い。俺たちは皆、準備が整った。


 これが正真正銘の最後の一撃だ。


 俺は息を吸った。


「オンリーカード・オープン!」


 魔王ジャックの目が恐怖に染まる。


「ばかな、君は――!」

「今助けてやるぜ、ジャック。助けられるよな?」


 最後の問いはフラメルへのものだ。フラメルはしっかりとうなずいた。


「はい、この状態でジャックさんを倒せば、その闇『だけ』が浄化されるはずです! 『ジャックさん自身が闇と化してでもいない限り』、助けられる余地は残っています!」

「よしきた」


 あれほど心が清らかなジャックが、闇なんかに負けるはずがない。俺はジャックを信じるぜ!


 よし、だったらもう迷うこたあねえ。俺は次々とカードを引き抜く。


「【レイズアップ】」


 この一枚で、次に繰り出すカードを強化。


「【ダブル】」


 さらに、次に繰り出す二枚のカードを融合。


 俺の手に【カスタム】はないが、十分だ。


 玉座の間に光が満ちてゆく。ここに俺は宣言しよう。このゲームの勝利を。


 そして、この世界の征服を!


「――【フィニッシャー&タンポポ】! この世界の主神となるのは女神ミエリではない! この俺、タンポポの神、タン・ポ・ポゥだ!」



『えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?』




 大絶叫の中、カードの効果が発動する。


 魔王の足元に浮かび上がったのは六芒星ではなく、タンポポのシルエットを持つ紋章であった。


 恐らく世界でもっとも美しいタンポポだ。今まで数多くのタンポポを創り出してきたタンポポ玄人の俺だからこそわかる。これこそが世界を救うタンポポ。エターナルピースタンポポなのだ。


 タンポポはひときわ強く輝き、すぐに弾けた。まるで綿毛が舞い散るように、その内部から光があふれ出した。


 ジャックの顔をした魔王はその光に飲み込まれてゆく――。


『バカな、バカなあああああああああああああ――』


 重なり合っていたはずの声は、なぜかもうジャックの断末魔しか聞こえなかったが、気のせいだろう。今度こそ、トドメだ。


 こうしてジャックの闇は光に包まれて、浄化された。俺とみんなの力で、ジャックを助け出したのだ。ジャックは力を失ったかのように、その場に崩れ落ちた。倒れそうになった彼の体をディーネが支える。


 その直後だ。


 倒した魔王の足元から、光が立ちのぼった。


 それはほのかに輝く草であった。草はまるで絨毯のように床を覆い尽くしてゆく。波のように広がり、あっという間に玉座の間に敷き詰められた。それだけではない。廊下へ、窓へ、壁へ、外壁へ、次々と草の絨毯は広がってゆく。なんという神々しい光景だろうか。


 やがて崩れ落ちたジャックの足元に、ポンッと、一輪のタンポポが咲いた。なんの変哲もないかわいらしいタンポポだ。癒される。和む。そう、広がった草の絨毯はすべてタンポポの葉っぱだ。


 絨毯を追いかけるように、次から次へとタンポポが咲き広がってゆく。咲き誇り、狂い咲いてゆく。玉座の間はもはや、見渡す限りのタンポポ畑へと変貌を遂げていた。同じことが魔王城のいたるところで起きているだろう。


 まるで、魔王城をタンポポ城へと変えてしまうような勢いであった。なんという威力だ。【レイズアップ・タンポポ&フィニッシャー】。


 俺は小さく「タンポポ」とつぶやいた。すると俺の手の中に、タンポポの花冠が生み出される。


 冠を頭に着けて、俺は天に叫んだ。


「――人の子らよ!」


 その叫びは全世界に響いている。俺にはその確信があった。


「我が名はタンポポ神! タン・ポ・ポゥなり! 今この時、魔王は滅んだ! 光の時代が訪れるのだ!」


 階下からわずかな声がした。冒険者の集団が感極まって叫んでいるのが、ここまで聞こえてきているのだ。


 俺は拳を突き上げながら、生きとし生ける者に告げる。


「これからもお前たちの世界に光あらんことを!」


 こうして、俺たちの戦いは終わった。世界は救われたのだった。


 そして――。




 ジャックは廃人になった。


 

 22時「エピローグ」更新予定。

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わ、わたしは今、信じられないものを目にしているぜっ! 全てはこ、この一瞬のために! こ、この一瞬のためにっ! 〜JR淡路に向かう東大阪線のなかで、世界が変わったような体験をしているのはわたしです。
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