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卒業式

前に投稿したときの、この部分が抜けておりました。

前に読んでくれた方はすみませんm(_ _)m

 告白の返事や、それに対して女子達の反応など、なんやかんやドタバタしながらも卒業式当日に。


 1人娘である私の卒業式だからと、張り切っている両親を尻目に学校へ向かう。

 ん? 告白の件はどうなったのか?

 もちろん断りましたとも。

 その後、小学校という小さい社会の中では隠し事が難しく、告白の件がバレてしまいクラスメイトの女子達からは勿体無いと騒がれたりした。

 そしたら、なんの嫌がらせなのか、卒業式前日に3通のお手紙が下駄箱に入っていた。

 もっと他に渡す相手が居るだろ、オイ。


 またもやトイレの個室に入り、手紙を開封する。

 どれも似たような内容で、これまた女子に人気の高いメンツが揃っていた。なんで?

 しかも、明日の卒業式終わりに返事が欲しいとのこと。

 そして何故か、そのことが既に知れ渡っており、またもや女子に囲まれて騒がれることに。



 「玲奈ちゃんって私達と変わらないの歳なのに、綺麗でクールな美人なお姉さんって感じがするよねぇ。やっぱり男子はそういう子が好みなのかなぁ?」


 「玲奈ちゃんなら、仕方ないかなぁって思っちゃうよね」


 「「「うんうん」」」



 確かに私の外見は美人さんという評価を貰っている。

 ウチの両親は綺麗だと思っているし、そんな両親からも「玲奈は可愛いというよりも綺麗だから将来が楽しみだね」と言われるが、身内びいきな意見として捉えていたので、特に気にしていなかった。

 なぜって、可愛いものを愛でている方が幸せだから。

 アイ ラブ KA WA I I。アイ ラブ 日向ちゃん。

 私の可愛いオブ ナンバーワンは日向ちゃんなのだ。



 卒業式はつつが無く終わった。

 大体の子は市内にある同じ中学へ行くので、特に感傷は無い。また中学で会えるのに、女子の皆は泣いていたが。

 そして私は、見納めのつもりで校舎を見渡しながら、忌々しい記憶が残る焼却炉の所へ向かっている。

 3人共、同じ場所を指定するとは、ワザと狙っているのかな?

 

 到着すると、そこには気まずそうな男子3人が待っていた。

 ハッハッハッ、ザマァ見ろ(ワロス)



 「「「あ、高木さん!」」」



 向かってくる私を見つけると嬉しそうに私の名を呼ぶ。

 しかし3人共、直ぐに「え?」っという顔をしてお互いに顔を見合わせる。

 ちょっと笑いそうになった。ごめん、大爆笑の間違いだった。



 「えっと、3人共……何をコン……」



 おっと危ない、何をコントしているのと言いそうになった。

 実際に漫才としか思えない状況なので許して欲しい。



 「ゴホン。3人共お手紙の返事を待っていたんだよね?」


 「そうだ、ずっと前から好きだった。良かったら俺と付き合って欲しい」



 私の問いかけにイチ早く答えるのは、俺様系でリーダーシップがあり、顔も格好良いと噂される杉崎 (まこと)君。



 「僕だって前から好きだったんだ。 是非とも、僕と付き合ってください」



 次は学年の中でも頭が良い方で、紳士的な態度で女子に人気のある上野 修也(しゅうや)君。

 


 「ぼっぼくも……ずっと好きだったんです。だからぼくと!」



 と言うのは、小動物っぽい仕草と男の子にしては可愛い顔で、女子から可愛がられている早川 (じゅん)君。

 全員、委員会や前に同じクラスメイトだったりしたが、その程度の間柄だったはず。

 もちろん、この間の鈴木 勝谷もそうだ。

 それにしてもこの場面、私もそれなりに漫画など見たりするが、どこの少女漫画ですかと言いたい場面だ。

 私はモブでいいよモブで。



 「3人共、ごめんなさい!」



 頭を下げてキッパリと断る。

 そして直様90度方向回転。

 荷物は既に両親に持って行って貰っているので、身軽だ。よーーーい、ドン!

 私はごめんなさい(3人斬り)からの華麗なダッシュを決めることに成功。


 呆気にとられている3人は、追ってくる様子はない。もし追いかけてきたとしても、追いつけないだろう。なんてたって、これでも走るのは得意で、学年で1番早かったりする。



 「ふぅ……無事に巻けて良かった。」



 一番初めに告白してきた鈴木 勝谷君の時は、断った後も少ししつこかった事もあり、3人も居る所為で余計にややこしくなると予想していた私は、断った瞬間に逃げようと計画していた。

 上手くいったようで良かった。

 しかし、卒業後の進路を知らないので断言はできないが、告白してきた3人も中学で会う可能性が高いので結構憂鬱だったりする。

 まぁいいか。

 未来の私に全てをぶん投げて帰宅しよう。




 帰宅するとうちの両親と一緒に、何故か日向ちゃん家族が居た。

 どうやら、私の卒業を一緒に祝ってくれるそうだ。

 その中でも一番乗り気だったのはどうやら日向ちゃんみたいで、一輪のスイートピーをプレゼントされた。



 「れいなおねえちゃん、ごそつぎょうおめでとうございます! どうぞ、これを受け取ってください」


 「ありがとう日向ちゃん!」



 どうやら、自分のお小遣いを使って、選んで買ってきてくれたらしい。

 あまりにも嬉しいサプライズプレゼントだったので、抱きしめてしまった。

 これはあとで押し花にして、シオリにしよう。


 その後、6人で外食することになり、日向ちゃんに食事の席で卒業式について話をせがまれて、天狗になった私は色々な事を話した。

 我ながら、チョロイ女だ。



 「大半の子はまた会えるけど、寂しくて泣いちゃう子が多かったね」


 「れいなおねえちゃんは、さみしくないんですか?」


 「仲のいい友達は同じ中学校に行くから、寂しくはないかな」



 そして卒業となれば出てくる話題の1つ。



 「ねぇ玲奈。誰から告白とかされなかったの? なんといっても、卒業式に告白ってロマンチックですもの」



 と話題を降ってきたのは、うちのお母さんだ。

 なんて鋭い話題振りなんだ。



 「そう言えば、荷物だけ持たせて何処かに行っていたな」



 お母さんに追随する様にお父さんまで言ってくる。

 その時、じょぜつになっていた私は、迂闊にもそれに答えてしまう。



 「それがねぇ。前にも1人告白されたのだけれど、今度は3人同時で、しかも同じ場所だったんだよね。他に告白する相手が居ないのかな」


 「そんなの決まってるじゃない。 玲奈ちゃんが美人さんだからよ」


 「そうそう、玲奈ちゃんのお母さんに似て、とても美人さんなんだから。見る目がある男の子達ね」



 と、お母さんに同調する日向ちゃんのお母さん。



 「それなら、日向ちゃんだってとても可愛らしいから、将来モテモテになりそうですよ」



 なんといってもここに1人、既に心を奪われている人物がおります(ゆえ)



 「そうなのよねぇ。でも、日向はしっかり者だから、きっと大丈夫よ」



 そんな感じで、親バカな親達の娘自慢大会が始まり、私は大人しく聞くことにした。

 それにしても、先程から日向ちゃんが静かで気になる。

 ご機嫌斜め? 一体どうしたのだろうか。

 私の恋の行方も、日向ちゃんのご機嫌は行方知れずだ。

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