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好色冒険エステバン  作者: 小倉ひろあき
10話 封印の遺跡

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53/101

おまけ 魔の公爵

【ヴァラファール】



『ちょっと、まて――』


 ヴァラファールは閉じた扉にすがり悲鳴に似た叫びをあげた。

 気づいたときには既に遅し、自由を得たはずの彼は、魔力を通さぬ檻の中にとり残されたのだ。


 ……ばかな、またも閉じこめられたのか……


 暗い封印の中で、魔貴族ヴァラファールは絶望した。


 扉の向こうでキャッキャウフフといちゃつく男女の声がさらに苛立ちを募らせる。


「開けろ! 開けてくれー!」


 何百年もの間待ちに待った正に千載一遇の好機だったはずなのに……ヴァラファールは必死で扉を叩き、必死で叫んだ。


 そして、気がつく。


 この場には、何もないことに。


 いくら魔族とはいえ、飲まず食わずで生きられるはずもない。今まで長らえてきたのは封印という一種の仮死状態であったためだ。

 それを半端に解かれ、魔法が使えない空間に閉じ込められた――状況は絶望的だ。


「開けてください! お願いします! 水も食料もないんです!」


 恥も外聞もなく叫ぶが、無慈悲にも扉の外の気配は次第に遠ざかって行った。


「畜生……畜生……っ! 皆殺しにしてやる、人間どもめ」


 絶望したヴァラファールは呪詛の言葉を吐き、取っ手の無い扉をガリガリと爪で掻き続けていた。



 そして2日後、ヴァラファールは酸欠により意識を失い、そのまま静かに息を引き取った。

 人間から魔族の公爵とも総裁とも恐れられた魔貴族の最期は、あまりにも寂しいものであった。




――――――




 一方、とある何やら



『なに!? ヴァラファールの気配が消えただと!?』

『封印されていたのではないのか!?』


 数人の魔貴族がどよめいた。

 ここはベントゥラ王国と戦う魔族の軍の本営である。

 ヴァラファールの気配が絶えた件が報告され、皆が浮き足立っている。


『は……一度気配が膨れ上がり……その後、徐々に弱りついには』

『なんと! 封印を解いて討伐したのか!?』


 彼らが驚くのも無理はない。ヴァラファールと言えば序列6位、魔貴族の中でも特に強力な力をもつ存在だったのだから。


『くっくっく、ヴァラファールも人間に殺られるとはヤキがまわったな』

『いや、恐るべき使い手が現れたのだ。油断するでないぞ』


 会議は紛糾し、これ以後、魔族の攻勢は激化するのだが……原因を作った3人組と裸忍者には知るよしもなかった。




■■■■



ヴァラファール


魔族の中でも特に強大な力を持つ序列6位の魔貴族。

獅子の頭を持つ大男。

かつて軍勢を率いてアイマール王国と争い、その強大な力により人間から『魔族の公爵』と呼ばれ恐れられた。だが、人間の英雄との争いに敗れ、魔力を封じる檻のなかに封印されていた。

今回、シェイラの智謀に敗れ、完全に消滅することとなる。


次回は少しお時間をいただきます

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― 新着の感想 ―
[一言] シェイラ、密かに大金星じゃないか。
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