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鉄壁のアリバイ

作者: 山田結貴

 ある男が、殺人容疑で取り調べを受けていた。

 刑事は彼が犯人だと睨み、厳しい口調で追及する。

「お前は昨夜、資産家の邸宅に侵入し、家の主人とその夫人を殺して金品を根こそぎ奪った。間違いないな」

「とんでもない。私はそこまで、大それたことができるような人間ではありませんよ。それに、私にはアリバイがあります」

 男は刑事の威圧に臆することなく、堂々と言い放った。

 そして、自信たっぷりの笑みを浮かべながら、さらに続ける。

「だって私は昨夜、隣町のコンビニで強盗をしていたんですよ。防犯カメラにも、はっきりと映っているはずです。強盗はともかくとして、殺人なんて私にはとても……」


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