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74.
一方、魔神の一角、シュナイダーはというと……。
自分の眷属である、ネズミを使って、戦場となる奈落の森を見つめていた。
真っ白な肌に髪の毛、血のような赤い目。
口元がにんまりとつり上がっている。
「ふふ……儀式の場は整いましたね……愚かな人たちです」
シュナイダーにはある目的があった。
彼はそのために、ヒカゲを、そして聖騎士達を利用しようとしているのだ。
「この儀式を持ってして、黒い獣は完成するでしょう。そうすれば、私の願いに大きく近づく……ふふ……たのしみですねえ……」
シュナイダーは嗤いながら、愚者達の争いを見つめるのだった。




