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魔王は倒せるが、スライムが倒せない 〜最強魔王も倒せるけど、スライムが倒せないってどういうことですか〜  作者: 黄緑のしゃもじ
第3章「封惑の魔王」

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22話 絶剣「バルグレイド」



「絶剣「バルグレイド」! 持ち主の能力を最大限まで引き上げる最高の剣だ!」


 ……へー。絶剣か。

 そんな武器を持っていたとはな。

 この距離でもわかるぐらい、見た目は完璧だ。


「これは人間の中で最も強かったこの国の剣士である剣聖リルグレイハルト・バルシエルの剣! あの男が死んでからこの城に密かに隠してあったのだ! この国の王である吾輩の為に残していったのだろう!」


 高笑いをしながら自称魔王は語る。

 でも、何か聞いたことある名前が聞こえたのだが……。あれだよな、グレイバルトの元の名前だよな?


「さあ、人間よ。情けを乞うなら今の内だ! 吾輩の計画の邪魔をしたのだ。どの様な殺し方になるかわからんぞ! いや、もう情けを乞っても意味がないがな!」


 剣を持ち、立ち上がった自称魔王が高らかに笑う。


 情けを乞うか……。

 本当にこいつは今の状況が理解できていないみたいだ。


「悪魔でモンスターで、人間じゃない。ユリアを攫って傷つけて、エミリも傷つけた。ついでに魔王なんだろ? もう何も遠慮することはないんだ。わかっているか? 俺は魔法を使わずにお前を殴っているだけだぞ? 逆にお前こそただで済むと思うなよ? 俺は久しぶりにキレてるんだよ」


 ついでにあの剣は貰う。


「はっ! ふざけるがいい! 貴様は最高の殺し方をしてやるわ!」


 そしてセルゴラウスが剣を構えて走り出す。

 俺はそれに対して構えるだけ。


「素手の貴様に何ができる! 『煉獄の斬影』!」


 自称魔王が振り下ろした剣から黒い斬撃が飛び出る。

 この黒い塊は「死の斬撃」よりも弱い一撃でダメージは食らうがそこまで致命傷にはならないレベルだ。それに見えるスピードなら避けられる。

 俺はその斬撃を避ける。


「ふっ! これは避けるか! だが、これはさっきのとは一味違うぞ! 『終焉の漠魔』!」


「あれは私達の魔法が吸収された魔法!」

「おにーさん気を付けて!」


 目の前に迫ってきた黒い霧の様なモノを避けようとした時、後ろから避けたはずの斬撃が背中に当たる。


「……っ!? ぐっ!!」


「お兄さん!」

「おにーさん!」


 なんだ? 戻って来たのか?

 そして直撃した斬撃によって俺の動きは一瞬止まり、目の前の黒い霧に包み込まれる。


「ふははははっ! 気づかなかったのか? そんな攻撃も避けれんとはな! あとその魔法は魔力を吸い取るぞ? 貴様の魔力ぐらいなら一瞬で吸収するだろう! この剣を持っているだけで吾輩の力が膨れ上がるのだ!」


 少し油断したか? 思っているよりダメージは無いけど……。


 ……あいつが言ってる通り俺の魔力が吸い出されている様に感じる。

 その黒い霧が自称魔王の下に流れて行っているが、まだ10分の1も吸い取られていないけど。


「……ほう。これほどの魔力量か。人間としては中々だな」


 俺の魔力が自称魔王の下に行っている様だ。

 しかし、こいつに吸収されるのは気分が悪いな。


「どうだ、吾輩の攻撃は! 勝てないとわかるだろう!」


 そんな言葉が聞こえるが、俺は黒い霧の中を魔力が吸われる事も関係なく歩く。


「大人しく命乞いでもしてみるか……っ!?」


「それがお前の力なら興醒めだわ」


 俺は霧を抜け目の前に立つ。


「なっ……!? 何故動ける!! 人間なら立つ事すらままならないはずの魔力を吸い取ったのだぞ!? 勇者でもまともに食らえば魔力の半分は食らえるはずだ……!?」


「そっか、よかったな? でもな、俺は喋るなって、言ってるだろうが!!」


「ぐぼばぁぁぁぁ……っ!!」


 同じ壁に向かって全力で蹴り飛ばす。


 そしてあいつが持っていたはずの剣が宙を舞い俺の目の前に落ちる。

 剣を離すなんて、剣士の恥だぞ。


「ふふっ、剣ゲット」


 俺はその剣を拾い上げる。


「ぐばぁぁ……、くそが、くそが、くそがぁ!!」


 壁ごと崩れていた自称魔王が起き上がりながら叫ぶ。


 しかし、本当に頑丈だな。俺の全力の攻撃を4回食らっても生きてるなんてな。

 ただの攻撃では倒せないのか。


 まあ、この剣を拾えたって事は、俺にこいつを倒せと言う事なのだろう。


「吾輩をここまでコケにするとはぁぁ! 絶対に、絶対に許さんぞぉぉ!!」


「へー、いいじゃんこの剣? 魔力も取られないし使いやすそうだな?」


 叫ぶ自称魔王に対して、俺は拾った剣を振り回しながら見下す様に言う。


 あと、剣を持った瞬間にわかった。やっぱり剣技は使えると。


「き、貴様ぁ!! 吾輩の剣を!! その剣を返せ!!」


「嫌だな? それに元々これはお前のじゃないだろ? なら俺が持っててもいいって事だ」


 返せと言われても元の持ち主はお前でなくてリルグレイハルトだ。

 つまりグレイバルトを倒した俺の物である。


「なんだとぉぉ!! クソ人間が吾輩の剣をぉぉ!!」


 もうあの自称魔王が叫ぶのが耳障りだ。

 何に対して怒っているのかわからないし、俺の前で怒るのはお門違いだし、俺の方が怒りたいし。


「貴様は殺す! 殺すぞぉぉぉ…………っ!?」


 自称魔王が何かしようと右手を前に突き出した時、右の壁が爆ぜた。


「……ん?」


 そして何かが勢い良く壁を突き破り、俺達の目の前を通り、弾けた壁と反対側の壁にぶち当たった。


「ガハッ……」


 何とも言えない状態で壁にぶつかり崩れ落ちた何か。


 動け無い様だが……。

 あの見た目……セルドスか?


「はっ! たかが悪魔風情が我に勝とうなんて百年……いや、千年早いわ!!」


 そして右横の崩れ落ちていた壁から人間姿のティオルが喋りながら部屋に入ってくる。


「……せ、セルドス!!」


「……ニ、ニイ……サン……」


 俺と向かい合っていたはずの自称魔王が横を向きセルドスに向かって叫ぶ。

 しかしセルドスは声を出す事も限界の様だ。


「……っ!?」


「きゃあっ!」

「きゃあっ! なに!?」


 その瞬間、俺の後ろから爆発音が聞こえて、俺とユリア達の間の壁と扉が爆ぜた。


「ああ! くそっ! 逃げられたのじゃ!!」


 そしてその壁からアルデが悪態を吐きながら出てきた。


 逃げられたって、まじか。

 アルデから逃げれたクレナリリスはそこまでの強さなのか?

 実際俺も危ない状態だったから、強い事はわかっていたが。


「セルドス! セルドス! くっ、吾輩の弟をここまで……貴様ら! 絶対に許さんぞぉ!!」


 自称魔王は狂った様に怒りを顔に表す。


「なんじゃ、スノハラ。もう終わるところか?」


「主も悪魔と戦っていたのか。我も参戦しても良いか?」


 アルデとティオルが俺の所に歩いてくる。


「お前らも終わったのか? こっちももう終わるから待ってろ。それと、もう少し大人しく入って来いよ。ユリアとエミリがびっくりして端っこまで下がってるだろう?」


「む? それはすまぬのじゃ」


「ユリア嬢は助かっていたか。よかった。しかし、我より幼女の方が派手に破壊したぞ?」


「なんじゃと! 貴様も暴れておったじゃろ!」


「ふん、貴様よりまだましだ!」


 些細な事で喧嘩をし始める2人。


「お前ら、うるさい。この城を破壊するのはどうでもいいんだよ。ユリアとエミリに気を使えって事だ」


「そう言っても主も割とこの部屋を破壊しているようだぞ?」


「そうじゃ、其方も中々派手に暴れているのじゃ!」


「だから壊すのはいいんだよ。俺は気を付けてやってるから」


 そんな俺達のやり取りを見ていた自称魔王がしびれを切らして叫び、


「貴様らぁ! 何をぺちゃくちゃと!」


 魔力が膨れ上がる。


「貴様ら全員ぶっ殺してやるわ!!」


 そして膨れ上がっていた魔力が四散する。


「人間どもが! 吾輩の前に跪け!! 『眷魔の召喚』!」


 そして目の前に魔法陣が複数浮かび上がり、黒い光を放った。

 そして、


「お? 呼んだか、魔王?」

「今日は何の用事でしょうか?」

「あれ、ゼムとクムがいない?」


 3体の悪魔が自称魔王の前に跪き、


「吾輩の眷属3魔将! そして数十柱の眷属達よ!!」


 その後ろに数十体以上の悪魔達が召喚され、跪いていた。



   

次回の更新は水曜日の昼ごろです。

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