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魔王は倒せるが、スライムが倒せない 〜最強魔王も倒せるけど、スライムが倒せないってどういうことですか〜  作者: 黄緑のしゃもじ
第3章「封惑の魔王」

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5話 罪人は投獄

牢屋に打ち込まれました。



「ここで大人しくしていろ!!」


 看守が雑に牢屋の鍵を閉め、去って行く。


「……やばいだろこの状況は」


 やばい、まじでやばい。牢屋に入る事になるとか全く想像できなかった。


「狭いのう?」


「ジメジメするぞ? なんだここは?」


「……」


 呑気にこいつらは何言ってるんだよ。お前らのせいでここに入ったんだけど!?


 アルデがハリセンで叩いてから、さらに追い打ちをかける様にティオルも乱入して、2人とも暴れやがって! 一瞬で俺が抑えたものの危険人物に見られたじゃねーか!

 一つ言える事は、王様に大きな怪我が無くて本当に良かった。もしかしたらたんこぶぐらいできたかもしれないが。


「なあスノハラ、ここに居るのは嫌なのじゃ」


「そうだな。早く出よう」


「黙れ! これも全部お前らのせいなんだぞ!! 特にアルデ! お前がハリセンで王様を叩かなかったらこんな事にならなかったんだ! お前は反省しろ!」


「何を言っておるのじゃ! 2度付けした奴は犯罪じゃと言ったのは其方ではないか!」


 俺の怒りに対しアルデは反論する。


「場所と場合は考えろ! 王様を叩くとかあり得ないだろ!! 馬鹿か? 馬鹿なのか?」


「誰が馬鹿じゃと!? 貴様の方が馬鹿なのじゃ! 妾が王じゃぞ! 魔王じゃ!!」


「元だろ元! それに魔王じゃねーよ! 幼女だろ! ただの幼女!」


「幼女じゃないわぁ!!」


「うるさいぞお前ら!!」


 俺らが争っていると、外で待機していた看守が怒鳴る。


「はあ、もういいよ……」


「なんじゃと! 逃げるのか貴様!!」


 こいつと争ってても拉致があかない。

 後ろでギャアギャアいい始めた幼女を放って考える。


「どうしよう、まじで……」


「簡単だろ? 出ればいいじゃないか?」


 ティオルが真面目な顔で俺の呟きに返す。

 そんな簡単に言うなよ。お前もあの後アルデと一緒にハリセン持って暴れただろうが。

 百歩譲ってアルデは理由があるが、お前は楽しそうにしてただろうが!


「はあ……それができたら苦労しないんだよ」


「……ん?」


 何を言っているのかわからないみたいな顔をしてるんだけど。

 まあ、ここを出るのは物理的には簡単なんだけど、出るとエミリとユリアに迷惑がかかりそうなんだよな。


「とにかく、エミリかユリアが来るのを待つしかないのか……」


 今のところはそれしかないだろう。

 出るのは最終手段として考えよう。

 もし脱獄したとなればこの国で俺はお尋ね者になる。そうなればリンディンの街に戻ったとしてもあの屋台で串カツを売ることはできなくなりそうだし、ハマさん達にも迷惑がかかるよな。


 この国にいれなくなったら他の国に行くしかない。

 割と楽しくできていたから離れたくないんだよな。


「おいスノハラ、お腹空いたのじゃ」


「我も空いたな」


「……はあ」


 いっそ全部こいつらの仕業にして、俺は関係無いと王様にこいつらを売ってみるか? 上手い事行けば俺だけは罪を免れて、ハマさん達串カツ同盟で串カツ揚げられるかもしれないのでは?

 いやでも、連帯責任、監督責任で罪を被されそうだ。


 はぁ、何でこいつらを連れてきてしまったんだろうか。

 アルデはともかく、ティオルは留守番させてもよかった。メイド姿だから連れていくと俺の箔が付くと思った事が間違いだった。

 それでもアルデを連れてきた時点で詰んでいた気がする。


「なあ、スノハラー」


「うるさい! お前に渡す串カツはねぇよ! と言うか道具一式あそこに置いてきたわ!」


「なっ!? なんじゃと……」


 その言葉にお腹を鳴らしながら崩れ落ちるアルデ。

 うるさいのが黙ったからよしとしよう。


「我は生肉でいいぞ?」


「……自分の分は持ってるだろ?」


「食ったが?」


 ティオルはいい笑顔でそう言った。

 こいつ、献上用の量だけ残してワイバーンとコカトリスの肉をほとんど渡していたのに全部食ったのかよ。


「だったらないぞ? あれで全部だよ」


「なっ!? なんだと……」


 その言葉にお腹を鳴らしながら崩れ落ちるティオル。

 お前ら同じ反応して仲良しかよ。


 まあ、うるさい2人が黙ったからいいとするか。


「はあ、じっとしてるしかないか……」


 最悪の形にならないことを祈りながら待つしかない。

 あんなことをしたんだ。エミリもユリアも呆れているかもしれない。

 どうしよう、そんなことになったらまじでこの国で生きていけない。他の国に行く算段も考えておかないといけないのか。

 いや、望みは捨てずに今は待とう。明日になれば何か変わるかもしれないしな。


 そう考えながら楽しくなる筈だった王都での一日が想像できなかった形で……牢屋の中で終わった。





「無理じゃ! もう無理じゃ! お腹が空いたのじゃ!!」


「腹が、腹と背中が引っ付きそうだ……」


 お腹を大きく鳴らしながらアルデとティオルが倒れている。


「スノハラもう帰るのじゃ! 早くここから出るのじゃ!」


「そうだ主! こいつの言う通りだ! 早く出よう!」


「……うるさいから黙ってろよ」


「スノハラー!」


「主ー!」


 うるさいし、1日目から同じこと言ってるし。少々食わなくても人間生きていける。

 と言うか、毎日1食は出て来ている。

 無人島生活時代よりマシだ。我慢しろ我慢!


「スノハラー」


「主ー」


「あー、うるさい、うるさい!」


 あれから3日経った。しかしエミリもユリアも来ず、日にちだけが過ぎていった。

 何も音沙汰が無いのが怖い。まさか死刑まではいかないだろうと思っているけど、王様を叩くとかそのまさかの可能性が……。

 ……その時はその時に逃げればいいか。俺らなら一瞬で逃げられるし。


 後はハマさんとサッさんに報告しないとな……迷惑かけてしまうな。


「はあ……」


「スノハラー」


「主ー」


「……」


 とにかくこいつらを黙らせるか。


「……ん?」


 そう考えてた時この牢屋に向かって歩いてくる音が聞こえた。


「ユリアリア様!? どうされましたか!?」


「……ユリア?」


「ここはもう大丈夫です。下がってよろしいです。お疲れ様です」


「はっ!」


 その足音はユリアらしい。外の看守と話している。

 そして俺達がいる牢屋にやって来た。


「ユリア……」


「お兄さん……大変な事をしでかしましたね」


「……すみません」


 俺は鉄格子越しにとにかく謝る。

 ガチで大変な事はしてしまったからな。何を言われてもいい訳をできる自信がない。

 ユリアの目が残念なものを見る目に感じてしまう。


 しかし、ユリアが来てくれたのは何かあったのだろう。


「ユリア! ここから妾を逃がすのじゃ!」


「ユリア嬢、頼む!!」


 ユリアが見えた途端アルデとティオルが鉄格子を掴みながら騒ぐ。


「アルデちゃん、ティオルちゃん……」


「うるさいぞお前ら! 俺がユリアと話してるんだよ! 大人しくしてろ!」


 格子を掴んでいる2人を剥がし取り、後ろに投げ飛ばす。


「ぬなっ!?」

「ぐあっ!?」


「すまんなユリア。で、ここに来たのって何かあったんだよな……?」


 期待を込めて重要な事を聞く。

 釈放なのか死刑なのか、この2択で俺のここからの人生は変わる。


「そうですね。ここに来たのはただお兄さん達の顔を見に来たわけではないですからね」


 もったいぶる様にユリアがそう言う。


「お兄さん達がしでかした事ははっきり言って、死刑になっても仕方ないことです」


「……やっぱり?」


 やっぱり死刑だったのか……。逃げるか?

 アルデとティオルを突き出したら俺の刑は軽くならないかな?


「はい。ですが、エミリが頑張ってくれました」


「……っ!! マジで! じゃあ、だったら!」


 エミリが何か頑張ってくれたらしい。

 その言葉が聞けたってことは……!?


「はい、釈放です。ここから出してあげます」


 そう言って牢屋の鍵を俺達に見せる様に出した。




     

エミリのおかげですね。


次回の更新は木曜日の昼ごろです。

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