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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第23章 AV女優でも母親でもない私

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雪と温泉とウィンタースポーツ 1話

「えー、続いてのニュースです。この一週間は暖かい気温が続いていましたが、再び低気圧が日本海から迫っており。」


そんなテレビの音だけが聞こえる。

今日も学校が終わり龍と飯田と集まって俺たちはリビングで勉強していた。


相変わらず数学の応用が苦手で少しだけ頭を抱えていた。

テスト勉強は概ね大丈夫なのだが、偏差値を5高い試験をやるだけでも何を聞かれてるのか分からない状態が続いていた。


「大丈夫か〜、直輝。」

「飯田……。」

「虎ノ門、お前スパルタ過ぎねえか?直輝もうヘトヘトだぜ。」

「いや、ダメだ飯田。なおっちは医学部に行くには偏差値がギリ足りてねえんだよ。あ、これ1番偏差値の低い医学部基準な。」

「そ……そうなのか。うちの学校でもお前らふたりは頭いい部類なのに、俺には無理かもしれんな。」


龍の意見もご最もである。

俺は偏差値61がいい所だ。

でも紆余曲折を経て本気で医者を目指そうとなるのだけどイマイチ成長してるか分からない。

それなのに、容赦なく問題が次から次へと襲ってきて、何とか解くのが手一杯で3時間やるだけでもかなり疲れていた。


「お待たせー!おやつの蒸しパンだよ!」


すると、母ちゃんが俺たちの元へ来て蒸しパンとカフェラテを差し入れてくれた。


「えー、凄い!めちゃくちゃふわふわしてますね!やっぱり遥香さんの料理最高っすよ!」

「もう〜お上手なんだから!」


俺も蒸しパンを食べる。

中にさつまいもが入っていて、酷使した脳が最も糖分を欲しがってたんだなと感じた。

カフェラテもさっきの疲れが吹き飛ぶようだったので、いいタイミングだったと言える。


「どう?龍くん。直輝の調子は。」

「んー、ぶっちゃけまだ医学部行くには早いっすね。」

「ぬ……。」

「やっぱりそっか〜。」


龍はズバズバ忖度無しで話してくれるから客観視しやすくて助かるけど、帰って勉強に明け暮れて今月はそんな事ばかりだったので少しだけ傷つく感じがした。


「でも、流石に勉強時間って裏切らないなと思っていて。」

「お、と言うと?」

「実はなおっちって集中力が長く持たないのが弱点なんですよ。あとは、想定外の問題に大きく惑わされるとか……そういった振れ幅はへってますので偏差値としては2~3程度先月より上がってるように思えます。」


相変わらず龍は観察力と言語化が上手くて医者をやるには本当に向いてるなと感じる。

そして、確かに問題の正答率こそ上がっては無いものの、問題を解いてる数の絶対値は上がっていた。


「って事は……。」

「ああ、あとは問題の精度をあげれば合格は見えてくる。むしろこの学校だと3年の範囲をやってるから根性ありますよ。」


少しだけ、心が暖かくなっていた。

俺は全く成長していない。

そう思っていたけど龍はちゃんと見てくれていた。

これからもこの男について行きたいと思ってさえいた。


「その……龍、いつもありがとうな。」

「何言ってんだ!まだお礼言うの早いだろ!でも頑張ってるお前さん見ると俺も負けてられないなって火がつくぜ。」


そう言って普段は眉間にシワを寄せた顔からニヤリと笑う。

それを見て、母ちゃんと飯田も嬉しそうに見ていた。


「龍くん。たまには遊ぶのって厳しいかな?」

「え?どうしたんすか?」


突然母ちゃんがそんなことを言う。

俺も想定外の質問だったので少し驚いた。

もしかしたら母ちゃんはたまにはみんなと遊びたいのかもしれない。


「あ、いいんじゃないですかね?今月は試験範囲の大枠を学ぶのと体力作りが目標だったんでその一環としてもいいと思いますよ。」

「え!ほんと!?」

「遥香さんの行くとこなら……ついて行きますぜ。」


おい飯田。さらっと母ちゃん口説くな。


「んで……何がしたいんだ母ちゃん。」

「スノボ行きたい!」

「「「へ?」」」


あまりの母ちゃんのアクティブさに俺たちは間抜けな返事をしてしまう。

え、母ちゃんウィンタースポーツやったことあったっけ?


「え……じゃあスキー場いくの?」

「もちろん!」

「……なおっち、お前の母さんほんとアクティブだよな。」

「まあ、そりゃあ元AV女優だから。」

「なんか言った?」

「「いえ、なにも!」」


そう、俺の母ちゃんは沖縄から単身で東京に来ては生活のためにAV女優をやる人だ。

行動力としてはもはや想定内かもしれない。


「つーか、どこ行くんだ?スキー場なんてどこがいいのかすら分からないんだけど。」

「長野県の野沢温泉スキー場ってとこいいかなって思ってるんだよね。」


その言葉を聞いてみんなでスマホを触る。

どうやら最大1650mもある大きな山のスキー場みたいだ。

近隣には温泉もあるので宿泊もできるという施設になる。


「これ、いつ行くの?」

「明日!ニュースで寒波来るからめちゃくちゃ気持ちいいみたいよ。」

「いや急すぎるよ!龍も飯田も忙しいんじゃない?」

「「いや、空いてるよ。」」


あまりにもノリの良い2人にズッコケてしまう。

え、まじで明日スキー行くのか?


「いいなぁ〜最近ずっと体動かしたいとは思ってたんだよな。」

「俺も!笛吹さんがまだ家出中だから帰ってもやることないしな。」


そう言って、2人は蒸しパンを食べ終える。


「よし!そうと決まれば今日は泊まるか!」

「そだな、なおっち〜布団借りるからな。」

「お前らノリがよすぎるよ……。」


しかし、これで人数は4人となる。

中々賑やかになりそうだとため息を着くと突然スマホの通知がなった。

スマホを開くと舞衣からのLINEだった。

内容はこうである。


「スキー私も行く。」


……あれ?どうして俺たちの会話が筒抜けなんだろう。


「おい、どうした?なおっち。寒いのか?」

「なあ、舞衣この会話聞いてるんだけど……。」

「あー!すまんすまん、勉強中のお前を監視したいからって撮影頼まれてたんだった。」

「お前えええ!!何言ってんだ盗撮に加担してるんだ!!」


そう言っていつもは龍にキレられてるけど立場が逆転してキレる。

最近追いLINE来ないと思ったらちょっと行けない方向に走ってんじゃねえか。


「まあ、良いじゃねえか。愛されてる証拠だよ。」

「ねえ直輝?そろそろ孫の顔も見れるの?」

「母ちゃんはもうちょい思春期との会話を考えよ!?」


そして、その言葉を聞いたのか舞衣からポッ……と照れてるスタンプが送られてくる。


寒波が近づき窓が高い音を奏でるのだが、全くそれが気にならないくらい俺たちは賑やかだった。


突然の息抜きスキー旅。

しかし、俺はこの旅で自然の厳しさを味わうとは……思いもしなかった。

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