61:初清州
ユニークユーザー三十五万超え、PV二百三十万超え、ありがとうございます。後日々の誤字報告もありがとうございます。時々とんでもなくミスってますが大目に見て頂いて、誤字報告上げて頂けると幸いです。
という上の文に誤字があったことを指摘して頂きました修正しておきました。
朝だ。いつもの朝食をとる。トースト二枚に目玉焼きに刻んだキャベツ。目玉焼きには今日は何もかけない。いつも通り過ぎて面白くないかもしれないが、それも昨日の夕食が少なかったせいでもある。
もうちょっと赤野菜を買い込んでいれば、今日のトーストはローストビーフのホットサンドに変わっていただろう、残念だ。
余りにあっさり朝食が終わってしまったので、念のため冷蔵庫の賞味期限が近そうな食べ物が無いか調べておく。マヨネーズの賞味期限が二週間ほど過ぎていたが、マヨネーズだし大丈夫だろう。
明日の朝マヨネーズとチーズでホットサンドにしてしまえばちょっとは消費できるはずだ。そうすると夕食向けにマヨネーズ和えを使うようなものを確保して帰ることになるな。一応メモっとこう。
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車でまともに出かけるのは久しぶりになる。ラジオを適当なチャンネルにあわせると、早速ドライブの始まりだ。と言っても俺にとっては車は完全に足なので、拘りもない。買ったときも燃費の良さを基準にしただけだ。
名古屋方面へ向かう国道にのり、真っ直ぐ愛知県を目指す。この道はオービスが無い。一応速度制限は五十キロになっているのだが、流れに沿って走るだけで常に七十キロオーバーという高速路線だ。
目的の清州ダンジョンまでは一時間半といったところだろう。家から電車二本乗り継いで行くほうが時間的距離から言えば近いのだが、たまには運転技術も慣らしておかないといけないし、あまり放っておくと車が拗ねてしまう。
ラジオは軽快なディスクジョッキーが古い歌から新しい歌までリクエストに沿って音楽を流し続ける。あ、これキーが高くてギリギリ歌えない奴だ。なんでみんな、若い人はキーを高くしたがるんだろう。十年後二十年後同じキーで歌い続ける自信があるのだろうか。
ほどなくして愛知県に入った。港湾地域への輸送なのか、大型トラックがこっちより速いスピードで追い抜きをしていく。相変わらずオービスの無い交通無法地帯だ。
歩行者が来たら一発であの世行きなのは間違いないが、地元住民はその辺をよくわかっているらしく、歩いてこの道路に近づくことはしない。みんな命が危ないことをよくわかっている。
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どうやら命のあるうちに清州へたどり着いたらしい。真新しい看板が「清州ダンジョン→」と方向を教えてくれている。ナビが付いているので迷う事はまあないのだが、それ以上の問題なのは周りの車がすべてソードゴブリンに見えて仕方ない。なんせ道がややこしいし以上に運転者がややこしい。
名古屋には独自の交通ルールがある。NAGOYA走りというらしい。ただ、NAGOYA走りをするほとんどの車は名古屋ナンバーではなく尾張小牧・三河・岡崎である。春日井ナンバーは比較的おとなしい傾向がみられる。
それらのナンバーについて、青信号は進め、黄信号は急いで進め、赤信号は気をつけて進め だ。更に赤信号であるにもかかわらずすべての方向について矢印信号が付いていたり、名古屋を走ることに慣れていない者を巧みに翻弄してくる。
これでも昔に比べればマシになったものだなぁ、と感じるほどだ。周りの車に倣ってやや強引に右折すると、清州城が見えてきた。もう目と鼻の先である。
有料駐車場はどうやら空いていたようだ。時間無制限一台千円というわかりやすい価格で、金に正直でよろしいと思う。
清州ダンジョンはギルドとダンジョン入口に若干の距離がある。小西ダンジョンのように真横に併設されているわけではなく、三百メートルほど離れた場所だ。
清州ダンジョン付近の第一の感想は「すげえ、人がいる!」だった。小西ダンジョンでは探索者同士が出会う事は非常に珍しい。朝一に三人出会えばその日は大入りというぐらいだ。やはり交通の便というのは大事だな。
まずはダンジョンに入場する前に地図を入手しておかないとな。ギルドの建物内で五百円で販売されている。とりあえず七層まではこの地図で十分だそうだ。それ以降の地図は別売りで個々で販売されている。名古屋人の商魂の逞しさを感じるぜ。
織田信長・濃姫像があったその場所には盛り上がった防空壕のような穴がぽっかりと開いていて、
これが清州ダンジョンの入り口らしい。入口の脇ではプレハブハウスの中でダンジョン庁職員らしき人が入場手続きを行っている。
入り口には「本日の負傷者数:三人 死亡者数:〇人」という立て看板があった。交番かな?
「守ろう探索者の命、目指せ年間死亡者数ゼロ」というスローガンも掲げられている。やはり死者数が多いとダンジョンとして減点があったり、査定に響いたりするのか?
ダンジョンの入口は小西ダンジョンと比べてはいけないのだろうが、大盛況である。二十四時間営業であることも踏まえてだろうが、どんどん中に同業者が消えていく。
これだけ人が入れば混んでてまともに狩りもできないとか、そういう心配は無いのだろうかとお思いかもしれないが、清州ダンジョンは小西ダンジョンと比べ規模が大きい。一つの階層における広さが五倍ぐらいある。階層によっては東西南北でループしている階層もあるらしい。迷子にならないように注意しないとな。
手続きの方法は何処のダンジョンも共通で、二枚つづりの探索者証の片方を受付に預けることで終わる。初めての清州ダンジョンだ、なんだかワクワクするなぁ。
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