18:四日目。
ダンジョンで潮干狩りを
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朝だ。今日も軽い筋肉痛を覚える。多分昨日のグレイウルフとの戦闘で普段使わない筋肉を使ったせいだろう。
ダンジョンへ行く前に確認することが一つある。バッグの中に手を突っ込んでいるふりをして保管庫スキルを使えるかどうかだ。これが出来れば、バッグの中にいろいろ入ってました~と言い訳をすることができる。
バッグの中には昨日食べなかった食料代わりのカロリーバーと水が入っている。バッグから取り出した後
【保管庫】と念じながら、俺はバッグに手を突っ込みカロリーバーを入れてみる。
カロリーバー x一
ちゃんと保管庫に入ったらしい。次は水だ。
カロリーバー x一
ペットボトル(水2L) x一
うん、ちゃんと入ったようだな。次は取り出しを試したが、まるで中に入っていたように取り出すことにも成功した。これで持ち物問題はほぼ解決したと言えるだろう。
俺は万能熊手とバールを続いて中に放り込んだ。だがここで問題が発生した。バールはバッグよりも明らかに大きいのである。これはバレるな。もう少し大きなバッグを見繕う事にした。
いつものホームセンターに俺はたどり着いた。バックパックで良さそうなものを探すためだ。
最近は探索者需要もあっていろんなサイズのものが用意されている。六十リットルぐらいの容量のサイズのものならごまかせるような気がするので、価格を見ながらそれらしいものをチョイスすることにした。
バールは千二〇〇ミリメートルのサイズがあるが、七十センチの高さがあるバックパックなら斜めに入れてあるということでなんとかごまかせるだろう。しかし、バールではグレイウルフに対して効果があるのだろうか。やはりリーチがある刃物を使うほうがいいんじゃないだろうか。
しばらく悩んだ挙句、八千円ほどのトレッキングバックパックを購入することにした。一日分の出費は少々大きいが、これも必要経費だろう。高さも七十センチあり、重さも一キログラム強と比較的軽い。背中に背負ったままなら重さを感じることも無いだろう。
バール以外の武器を調達することも考えたが、剣ナタは結構お値段がする。行くかどうかもわからないグレイウルフ相手にここまで装備することは本来なら必要だろうが、しばらくは要らないだろうとタカをくくっていた。もっとも、これがのちにフラグになるのだが……
◇◆◇◆◇◆◇
今日も一時間ほど遅れて小西ダンジョンに着いた。ササっと受け付けを通ってダンジョンに入ろうとしたが、受付で止められた。
「今日もスライム狩りですか?」
「そのつもりですが、もしかしたら二層にも顔を出してみるかもしれません。どんな場所かまだよくわかってませんし」
「そうですか……まぁ頑張ってください。私たちも頑張りますので」
謎の応援をされてしまったが、やることはいつも通り人通りの少ないスライムが密集しているところを目指すだけだ。査定をする人にとっては大変だろうが、これもお仕事なので頑張ってほしい。
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