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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十八章:新ダンジョンラッシュ

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1317:トレジャーイベント意見書

ダンジョンで潮干狩りを

Renta!等いろいろなサイトで発売中です。是非とも続刊のためにもご購入のほうよろしくお願いします。


 おはようございます、いつもより十五分だけ早く目が覚めました、安村です。どうやら昼寝をした分だけ夜は寝なくても良かったらしい。しかし、昼寝の分が夜の十五分だと換算されるならば、俺はそれなりに疲れていたんだな、という証拠にもなる。疲れを吹き飛ばすこの布団の気持ちよさにはまだまだ今年もお世話になること間違いなしだな。


 早速起き上がって少し肌寒くなってきた中、寝間着のまま朝食を作る。今日の朝食は一枚はバター、一枚は昨日早速買ってきたジャムで頂くことにする。目玉焼きをターンオーバーしないターンオーバーで焼くと、黄身だけがしっかり生で白身が固まった理想的な目玉焼きを作ることが出来た。


 火力調節と投射面積の限定により、火魔法を最大限無駄遣いしてみた。これも重複習得した分できるようになった小技だ。三重化すれば黄身が生の目玉焼きを簡単に作れるようになる。プツッと箸を入れて黄身を割る楽しみが増えたな。


 キャベツも千切りにして……これも昨日のスーパーではそこそこの値段がした、普段より二百円ほど高いキャベツだ。その美味しさを確かめさせてもらおう。


 バターとジャムを塗り早速食事開始。バターはいつものバターだ。久しぶりのバター味に安心を感じる。やっぱ朝はバタートーストだよな。昨日お高いバターも補充してきたのでそれを味わうためにちょっと余分に塗っておくか。


 ジャムのほうは……うむ……違いが判らぬ。違いが判らぬが、ジャムそのものの香りはこちらの方が自然っぽい香りがする。多分製法が違うとか香料が入ってないとか、そういう違いはあるんだろう。お高いだけのことはあったが、リピートするかどうかは今のところ微妙なラインだな。


 目玉焼きの先をキャベツの上でプツッと潰して、中の黄身が流れ出してキャベツの上を黄色く満たす。うむ、今日のキャベツの調味料は目玉焼きの黄身だな。少し味気はないが味付けとしてはちゃんとしている。そして、昨日買ったばかりのキャベツがまた甘くて美味い。本当に同じキャベツなんだろうか? と言いたくもなる味わいの違いだ。やはり、高いだけのことはあるんだな。


 今日も満足した食事を取れ、胃袋も喜んで消化を開始してググっと腹が持ち上がるような感触を見せる。やはり一日の最初の食事は大切だな。これからガンガンカロリーとして消費していくから覚悟していてほしい。


 さて、昼食を作るか。今日のテーマは……照り焼き。毎回鶏やワイバーン肉、ましてやグリフォン肉では少々芸がないな。ここは一つ馬肉の照り焼きといってみるか。肉質が合うか合わないかを確かめるためにも本当に作ってみて美味しくできるのか、というのもチャレンジ精神の表れだろう。後、口に合わなくても今日の被害者は俺一人で済む。


 ネットで軽くレシピを検索すると、馬肉の照り焼きについてはかなり深堀しないと情報が出てこなかったが、代わりに照り焼きのタレをそのまま売っているのを発見した。今度買ってみて自作の照り焼きのタレと比べてみて、より俺の舌に合った方を採用しようと思う。今日は自作だ。


 炊飯器に米をセットして炊飯にすると早速調理開始。馬肉を今回はあらかじめ切っておき、食べやすいサイズにしておく。このほうが焼きムラが少なくて済むし、それぞれの肉の焼け具合が確認しやすい。焼き目を入れる際にも一つ一つ裏返していけるので全体に火が通りやすいと判断。


 そして、鶏の照り焼きレシピをいくつか探した中でちょっと試してみたいレシピがあるのでそれを参考にする。塩胡椒を軽くした後片栗粉を馬肉にまぶして、中火で両面に焼き色が付くまで焼く。


 ほとんど出ないが一応油をふき取って綺麗にして、砂糖みりん酒醤油の合わせソースを馬肉に合うようにちょっと配合を変えたものを用意。醤油がちょっと主張強めの自作照り焼きソースだ。こいつをかけ流して入れて、スプーンですくっては身にかけていき、段々煮詰めていく。


 水分がかなりなくなったところでドロリとした照り焼きソースとそのソースを全身に味わい、片栗粉で身をキュッとさせられた馬肉が姿を現してくる。こんなものでいいだろう。後はいつも通りサラダを用意して、サラダの上に肉を乗せていけば出来上がり。何ともいい香りがする。これは期待できるかもしれない、という香りだ。味見は実食までお預けにしておこう。


 料理が終わったところで炊飯器もご飯が炊きあがる音が聞こえたので料理と共に丸ごと保管庫へ。これで飯の準備ヨシ、と。後は良く冷えたコーラと昨日買っておいたお菓子が保管庫にあることを確認すると、スーツに着替える。ちゃんと籠手も着けていつも通りの出勤スタイルに整えると、いつものアレのお時間だ。


 柄、ヨシ!

 圧切、ヨシ!

 ヘルメット、ヨシ!

 スーツ、ヨシ!

 安全靴、ヨシ!

 手袋、ヨシ!

 籠手、ヨシ!

 飯の準備、ヨシ!

 嗜好品、ヨシ!

 車、ヨシ!

 レーキ、ヨシ!

 保管庫の中身……ヨシ!

 その他いろいろ、ヨシ!


 指さし確認は大事である。今日も気楽な六十九層。ほどほどの無理をしてきちんと丸一日回れるかのチェック作業に向かう。不必要に火力を上げつつ、体内魔力量を少しでも上げていくように仕向ければ精一杯の努力の結果が報われるかもしれない。やりたいことがあってダンジョンに潜るのは精神的にもよろしい。さあ行くか。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 いつもの電車、いつものバス、いつもの時間のダンジョンに到着。うむ、定時出社定時退社がやはり心身に負担がなくていいな。さあ入ダン手続きするか。


「安村さん、ギルマスのところへ行ってもらっていいですか? 急ぎではないとは言ってはいましたが出来るだけお知らせは早めにお伝えしておこうと思いまして」


 ふむ、最近何かあったかな。イベントが終わって数日、特に報告するような内容の話はないはずだがお呼び出しとあらば早めに済ませておくほうがいいだろう。


「解りました、入ダン手続きは後にしておきます」

「はい、いってらっしゃい」


 入ダン予定をキャンセルしてギルマスルームへ向かう。その前にトイレを済ませておくが、トイレにギルマスは居なかったので部屋にいるのは確実だろうな。ちゃんと手を洗って身ぎれいにした後ギルマスルームのドアをノック。


「はい、居ますよ」

「安村です、失礼します」


 ギルマスは珍しく書類と格闘していた。多分月例報告が近いのだろう、書類をちらっと見るとギルドのギルド税の売上報告から査定品目から推察される最近の探索者の傾向などが見て取れる。やはり四十二層から四十五層辺りに潜り込んでいる探索者がそこそこの数いるようで、そのドロップ品の提出を理由に、俺達を除いたダンジョン探索者の探索階層のメインがどのあたりにあるのか、という辺りを簡潔にまとめている。


「それ、一応部外秘の書類なんだけどね」


 チラ見したつもりがガン見していたようだ。おっと、いかんいかん。


「安村さんとしても後輩が徐々に育ってきているのは嬉しいことなのかな? 」

「嬉しいというよりはちょっと悩み事があるってところですかね。そのまま追いつかれたらさすがに保管庫のことはバレるでしょうし、そうなった場合どう言い訳をするか考えなきゃいけないな、ということですね」

「なるほど……現状で追いつかれる可能性は? 」


 ギルマスが真面目に考え出したのか、机の端っこをカリカリと掻き始めた。


「五十二層、五十五層、六十七層、六十九層、と解ってても逃れきれない難所がありますからね。そこでどれだけ手間取ってくれるかによりますね。……と、本題はこっちじゃなくて何か用事ではなかったのですか? 」

「おっと、そうだったね。実は今更感があるんだが、この間のイベントに関する探索者の感想がダンジョンマスターなんでもボックスの中にかなりの数紛れ込んでいてね。それをまとめた書類があるのでそれを渡しておこうと思ってね。もしかしたらもう要らなかったりするかな? 」


 スレッドをまとめる以外にもこっちにも情報源はあったか。しかもこっちはネットを使わず直に届けられた肉声だ。こっちのほうが実情としては近い感想なのかもしれない。中々に大事な情報だ。


「一応預かっておきます。ミルコたちには一応既に反響のほうは知らせていてその前提でもうかなり進展してたりはするんですが、一応これも中身を精査して、ドロップについて色々選考する価値はあるかもしれません。行き道にでも確認して共有するべき話があるなら話しておきますよ」


 書類を受け取ると、そのままギルマスルームを出る。エレベーターの行きに一仕事やることが増えたな。暇つぶしになってちょうどよかろう。ダンジョンの上から下までとはいかないだろうが、それぞれの階層での不満や出来具合について色々書かれているかもしれない。楽しみにして今はバッグに放り込んでおくことにしよう。


 改めて入ダン手続きをしてリヤカーを引いていつもの七層。茂君ダッシュをして帰ってきて、七十層へのボタンを倍速ポチ。さて、書類の中身を確かめることにするか。


 書類は各階層ごとに感想を分けられている感じで、流石にイベントがなかった一層から二十層まではまとめて報告されている。イベントに参加したかった、という声が一番多かったが、新規ダンジョンはおそらく例に倣ってCランク以上でないと新規ダンジョンには入ることは出来ないだろうから、Dランクの出番はないと考えられる。そういう点では頑張ってもらうしかない、というのが感想だろうな。


 イベントの階層を二十一層から三十二層に限定したのも、CランクBランクの混雑解消と気分転換が目的だろうからその点でもまだ二十一層に到着できなかった探索者はイベントを楽しめなかっただろうから申し訳なさは残るな。


 二十一層から二十四層についての項目に移る。ここからが本番だな。さて……この間まとめたスレッドの内容を見返しながら、共通点を探して同じ感想を書いて投函したものと、スレッドにはなかった意見のピックアップを行う。


 バグか仕様か、スペース的問題と破壊不能オブジェクトに囲まれて開けられなかった宝箱の話題はこっちにも挙げられていた。どうやらそこそこ数があったらしい。しかし、翌日には対応を行っていたようで、バグで開けられない宝箱は回収されたり横にずらした位置に置かれていたりそれぞれ宝箱の場所によって違うようだ。


 それ以外には、何でモンスターを倒した後の糸が宝箱から出てくるのが不思議だったという意見。これも両方にあったな。ドロップ品の種類が少ないからと色々放り込んでみたし、宝箱の出現率も予定よりは多く作ってあったらしく、宝箱探しに出てイベント中一回も宝箱に出会えなかった、というケースは数件しかなかったらしい。


 十日間ダンジョンをさまよい続けて数件。これが多いかどうかは悩ましいところだが、よほど運が悪かったのか、人通りの多い所で普段の稼ぎのついでに回っていたか、というケースが思いつくな。


 二十五層から二十八層については、そもそも小部屋ぐらいにしか死角がないため出現率そのものが少なかった、という報告がされている。これは小西ダンジョンの仕組み上仕方ないことではあるが、この階層で狙っているのは宝箱よりも索敵のスキルオーブだろうから、宝箱探しにはあまり熱中はしてなかった様子だ。


 しかし、スキルオーブが宝箱から出るという情報が出た後で一気に人口密度が増加してモンスターがほぼ現れなくなったらしい。最終日には芋洗い状態で完全にモンスターが湧かなくなった階層もあったらしい。二十八層も混み混みで宝箱が現れる可能性も少なく、諦めて二十九層へ向かう探索者のおかげで二十九層、三十層としっかりと混んでいたらしい。


 ただ、三十層は三十層でキュアポーションのランク4が出る可能性があるとして当初から高い人気を誇っていたため、通常のモンスターも湧きにくくなっていたらしい。


 この辺の話を結構具体的にまとめてくれたのもギルマス、ということだろうか。有り難くはあるが、こっちで把握してる情報とほぼ同じものが多い。あえて言うなら、宝箱の出現率だろうか。出過ぎてダンジョンマスターに負担がかかるのはあまりよろしくないし、今回は突発イベントだったとしても恒常的に宝箱が出現する場合どうなるのか。そこは考えていかなければいけないところだろうな。


 ふむ……宝箱の出現率についてはおいおい計算して宝箱だけでダンジョンが完結しない程度にはするとは思うんだが、オープン記念と称して宝箱のドロップ率を高めにしておくのもありかもしれないな。昼にでもミルコを呼んでちょっと相談してみようか。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
> 安村です」 北の国からのおじさん > 投射面積の限定」 ドーナツみたいな火魔法を使うおじさん > 黄身を割る楽しみ」 皿が汚れるからターンオーバーして焼くとか言ってたおじさん > やっぱ朝は…
ターンオーバーしないターンオーバーで焼いた目玉焼き!? なんのこっちゃ?って思ったら火魔法をバーナー代わりにしてたのねw
世界で唯一のテストイベントでしたからねー 外国の人はともかく日本で近場の探索者は押し寄せてきていたでしょうからねえ テストのデータとしては混雑時の物なんかはいいデータになりそうですな
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