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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十八章:新ダンジョンラッシュ

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1316:午後の休み

 昼食を食べ終わって一休みし、さぁ今から午後の休みを満喫したいところだが、やっておかなければならないことがいくつかある。休みとは言え腹は減るし、次の探索向けの消耗品や食料は手に入れなくてはならない。


 最低でも買い出しにはいかなくてはな。午後のゆったりとした時間を買い物だけで済ませるつもりはないが、食料の買い出しは俺の役目だ。しっかり食材を補充してダンジョン飯をしっかり食べて活力を得、探索に邁進する必要がある。


 今日は時間があるし、足を伸ばして高級スーパーにでも顔を出そうと思っている。スーパーとはいえチェーン店化され、そこの店でも同じような品物が買えるようになっている現代インフラのなせる技だ。


 もしも気に入った食材があればそこにその商品を買うためだけに足しげく通う可能性もある。たまには近所のショッピングモールではなくそういうところにも足を運んで気になるような商品を目にして、新しいダンジョン料理の開発に精を出すのもいいだろう。


 いつもより長く車を運転し、高級スーパーへたどり着く。早速カートを押して中に入り込む。良い商品に巡り合えると良いのだが。


 中は他のスーパーとあまり変わらないが、値段がどれも一段階上、という感じ。普通に他のスーパーに並んでいる食材もあるが、ここにしかなさそうな商品もあったりで見どころは中々ある。とりあえず夕飯何作るか……そこからだな。


 食材を色々見ながら作るものを考えていく。そういえば結衣さんの肉じゃがは中々美味しかった。是非とも俺の肉じゃがと戦わせてみたいところ。肉じゃがを作るか。そうと決まれば肉とじゃがと人参、玉ねぎはちょっと多めに仕入れておこう。


 後はナッツ類なんかもここは潤沢に用意されているな。健康食品派閥の香りがする。後は乳製品、主にチーズやバターの種類とワインに力を入れているな。よくよく考えればナッツもチーズもワインのつまみだな。つまり高級一人呑みには適しているラインナップだと言える。ワインを買って優雅に過ごす、というのも悪くはないだろうが、そういう気分ではないので今日はパスだな。


 あ、お高いジャムは一つ買っておこう。明日にでも早速活躍してもらって、今までのジャムとの違いを判らされることにもなるかもしれないが、その時はまたこの店に来ればいい。後バターも更にお高いのをチョイスした。開けるタイミングが来たら味わい違いを楽しもう。


 いつもの必要なものを購入して……と、レッドカウ肉がパッケージそのままで売られている。流石にそこそこするな。その横にはレッドカウ肉の加工品も売られている。レッドカウジャーキーは挑戦的な値段と美味しさらしい。流石に買う気にはちょっとなれないが、お高いワインにお高いおつまみとしては高級感を出すのにちょうどいいんだろう。こうしてダンジョン産食品が高級店に並ぶというのを肌で感じるのも悪くないな。


 せっかくだし弁当コーナーにも顔を出してみよう。主菜は肉じゃがに決まったが、それ以外の主食や副菜なんかは決まっていない。美味しそうな奴があれば見繕ってみよう。


 高級店だから弁当も高級なのかと思ったら、予想外に弁当が安い。ワンコイン弁当が普通に並んでいる。しかも、どれも気合が入っていて美味しそうだ。これは中々選択のし甲斐があるぞ。


 三色そぼろ弁当なんかの、自分で作るのが非常に手間な弁当でもほぼワンコイン。この際百円は誤差だ。六百円でもこれだけのクオリティが出せるなら下手にその辺のスーパーの激安弁当を買って帰るよりも安くつきそうだ。今日の夕飯の主食はここで調達するとしよう。


 色々見回ってみるが、どれも自分で作るには二手間も三手間もかかるような弁当がお手頃価格で食べられるようになっている。流石に量のほうはいつものスーパーのほうが多いが、種類が選べるのは素直にうれしい。そぼろ弁当と……後は何にしようかな。悩むな。


 多人数が家に来客した時用にオードブルや巻き寿司のセットなんかも売られている。流石に一人分には量が多すぎるのでパスだが、これもまた頭を悩ませてくれる。


 よし、もう一品は鶏唐揚げと鮭の弁当にしよう。後買うものは……食後のおやつか。冷蔵品コーナーに向かうとこれまた多種多様なオリジナル商品が俺を出迎えてくれた。その中からチーズケーキを選ぶととりあえずの買い物は済んだな。後はミルコへのお土産用にお菓子を何品か見繕っていこう。


 チョコレートアソートと出来立てであるらしいポテトチップスを買い込むと会計。結構なお値段になったな。でもまあ、たまの贅沢だと思って気にせず会計を終えて車に戻る。ガソリンはまだまだ残っているし外での用事は……税理士さんのところへ行くかどうかだが、今のところ領収書面で相談することはないので今日はなしだな。


 家に帰ると家の掃除をして今日は風呂の掃除もする。水垢や黒カビなんかがあってもウォッシュで綺麗になってくれるのは有り難い。風呂掃除に十数分かかったり水濡れしていたりしていたのが一発で綺麗にできるのもいい所。


 洗面台の掃除も同じく、ウォッシュで水分を綺麗にふき取りピカピカになった。こうやって一つ一つ生活魔法のありがたみを感じながら掃除をしていくのは気分がいい。本当に綺麗になっているのかどうかはともかくとして、見た目上問題がなければそれでいい。


 ひとしきりの掃除を済ませた後、朝の続きでニュースを見る。昼のニュースでも魔結晶発電炉についての話が行われていた。こっちは速報ではなく、話題の一つとしてダンジョンをどう見ていくか、というような視点での話が行われていて、弦間さんがちゃっかりダンジョン研究家のポジションで収まっていた。今日の出勤は昼からだったか。


「ダンジョンを踏破すること自体には問題はないとは思います。ただ、国内に百カ所ほどあるダンジョンの内、交通アクセスが良くて人が出入りしやすく、またほどほどの人入りである、という三条件が重なることが効率的な魔結晶の持ち出しが可能になる条件なんですね。探索者が多すぎると、モンスターの特性上、モンスターが出現しなくなってしまうんですね。これは、モンスターは誰かしらの視界外でしか登場しないというダンジョンの仕組みに基づいたものなのですが、以前あった話ですと、清州ダンジョンでエレベーターが設置された結果、人口密度が高すぎてろくに魔結晶を集めることが出来なかった出来事がありました。ダンジョンを踏破しすぎると探索者が一部の交通の便の良い、または生活範囲内にダンジョンがあるというようなそういうダンジョンに流れていくでしょう。そういうダンジョンはあまり数が多くありませんから、ダンジョンの人口密度が上がることで魔結晶の搬出効率が落ちる可能性はあると思います」


 流石弦間さん、人の流れがどうなっていくかを冷静に判断している。


「ということは、ダンジョン庁が今ダンジョンの踏破を足踏みさせている、という話がありますがそれもここにかかってくるのでしょうか? 」

「よほど赤字を出すダンジョンでなければ踏破の可能性はないと考えています。また、自衛隊員……いわゆるD部隊というダンジョン作戦群、つまりダンジョン攻略専門の部隊だけが潜っていたダンジョンを民間にも開放する予定があるので、その時に民間の探索者がより自分の居場所より近くのダンジョンに移動するかどうか、という辺りについてはまだ判断の分かれる所でしょうね」

「なるほど、今後も目が離せませんね。次のニュースです……」


 一部の官用ダンジョンの民間開放はもうすぐなのか。どこのダンジョンが解放されるのかは解らないが、交通の便がいい所だといいな。もしかしたらライドアンドパーク方式にして現地のダンジョンへはバスで行くような形になるかもしれないが、小西ダンジョンよりは移動しやすい場所であってくれるとみんなが助かるな。


 さて、肉じゃがでも作るか……深いことは考えず、自分の味付けで肉じゃがを作ることにする。玉ねぎはいつもよりちょっと薄切りにしておこう。肉は薄切りにしたウルフ肉を使い、肉を炒めて色が変わり始めてから他の具を投入。火が通った感じになったら調味料として適切に薄めためんつゆ、醤油、酒、みりんとを足し込んで軽く煮こむ。


 弱火でしばらく焦げないように煮込んで箸で具をつつき、柔らかくなっていたら更に五分ほど煮詰めて完成だ。煮込み過ぎるのは俺の悪い癖なので、出来上がったと感じた時点で火を止めて少し置き、その後保管庫で眠っていてもらう。


 夕食の準備はこれでよし、と。後はやることは……無いのでボーっとしておこう。今日も布団の山本に納品したことで稼いだことにはなる。安くとも収入は収入だ、ゆっくり趣味を楽しんだこともあり、満喫していると言っていい。


 明日からはまた探索に戻るんだ。今日一日の休憩をゆったりと過ごして精神的に休ませてやることも大事だろう。今日はもうなにもしなーい。夕飯までのんびり昼寝を決め込むのもいいだろう。ご飯をタイマー炊飯するとちょっとゴロンと横になってこよう。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 夕方目が覚めた。ちょうどお腹も空いてきた。身体が正直なのは心身ともにリラックスできている証拠でもあるので、体調のほうはかなり良いコンディションに仕上がっているのは確かだ。


 今日の夕飯は買ってきた弁当と自作の肉じゃが。弁当から行こう。三色そぼろ弁当と鶏唐揚げと鮭の弁当を温めて自分の前に並べる。買ってきたものとはいえ、彩り豊かな食卓が俺の前に繰り広げられている。さあ、どのあたりから食べようかな。


 とりあえず三色そぼろから攻めるか。鶏ミンチと炒り卵と……あ、これほぐした鮭だったな。鮭弁当もあるし鮭が被ってしまった。しかし、どれも味付けがしっかりされているためご飯を飽きさせない工夫がされている。うむ、現時点でポイント高し。付け合わせのきんぴらとオクラ。オクラもしっかりと味付けがされている。全般的に甘辛だが、ほぐし鮭がしっかりと塩味を利かせてくれているので無限に入っていきそうだ。弁当二個でちょうどいい感じの飯らしい。


 一気に食べきって次の弁当に移る。次は鶏の唐揚げと鮭弁当だ。売りは鶏の唐揚げのほうではなくタケノコご飯のほうらしいが、俺個人としては鶏の唐揚げのほうに気が移ってしまうのは鶏の唐揚げが無類に好きなせいでもある。


 ともあれ、まずは頂こう。うむ、鶏の唐揚げはジューシーで、レンジアップをしても中の油や水分が抜けきらないように作ってある。それがほんのり甘い筍ご飯に合わさって美味しさを担保してくれる。


 塩分辛めに仕上げられた銀鮭との対比もいい。それから添えられている煮卵、根菜の煮物も自己主張が強く中々良い感じに弁当のバランスを高めてくれている。これも美味しい。今度から飯に悩んだらあそこの店に行くことにするかな。そのぐらい色々試したいものが増えた気がする。


 さて、本題の肉じゃがだ。それぞれの弁当の余韻を残しつつ、肉をまずパクリ。醤油とみりんの香りが残っていてしっかりとした味付けになっている。ジャガイモも中まで煮えているし、人参も箸で割れるぐらい柔らかくなっている。結衣さんのと違う点があるとすれば……結衣さんの作ったものの方が若干甘みが強いかな?


 多分醤油とみりんの割合が少し違うんだろう。だが、どちらが上、という話ではない。どっちも美味しい。結衣さんといい関係とはいえ、結衣さんには結衣さんの、俺には俺の家庭の味というものがあるのだ。そこを対立させる必要はない。ただ、明らかに美味い不味いはあるのでそこはクリアしているとみていいだろう。


 俺が普通に食べておいしいと感じられるのだし、結衣さんは普段余分に四人も欠食児童を抱えて毎日鍋を振っているのだ、その分の安心感もプラスされる。やはり結衣さんの料理は侮れないな。


 肉じゃがを食べ終わり、腹八分。まだ肉じゃがが残ってはいるが、これは冷蔵庫でひんやり冷えて汁を完全に吸い込んだ第二形態として明日の朝に食べよう。より味の濃くなった物を食べる楽しみを明日まで引き延ばすことができるぞ。


 食べきれないご飯は冷凍していつでもパックライスの代わりにレンジで温められるようにしておこう。


 風呂に入ってサッパリしたところで、いつものようにネットニュースとスレッドをチェック。俺抜きで俺の話題になっていないかどうかを確認して、みんな楽しそうにしてる様を眺めたらおねむの時間だ。今日は昼寝もしたが夜寝もする。もしかしたらいつもの時間よりも早く起きるかもしれないが、それはそれで明日の昼食の仕込みが出来るので有意義に時間を使っていこう。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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たまの贅沢、安村さん稼ぎの割に全然お金使いませんからねえ もっとじゃぶじゃぶ使って経済回さねば
お弁当2つと肉じゃがで晩御飯……炊いたご飯は……保管庫行きかしら?
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