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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二章:出来ればおじさんは目立ちたくない

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116:ガチ休日

評価者数 四千人超、ブックマーク登録 一万三千件超、ありがとうございます。

燃料があるとやる気って上がるものですね。


 今朝も気持ちのいい朝を枕が提供してくれる。ここの所寝不足感が全くない。枕はもう手放せなくなってしまった。これで布団を作ったらいったいどれほどの快感を味わわせてくれるだろうか。おいくら万円するのだろう。今度調べてみるか。


 いつものゴキゲンな朝食プラス買った総菜で腹を満たした後、もう一度仮眠する。寝ようと思えばいくらでも寝られそうだな、枕のおかげもあるかもしれないが。


 ここの所しっかり身体を使っているからか、気が付くとギシギシという音を立てながら体を動かしている。ちょっと柔軟体操でもやっとくか。


 床に直接座って足を開くと上体を前へ倒す。おいっちにーさんしー。年々体が硬くなっているのを感じる。もう四十だからなぁ、多少は仕方ないか。十回ほど前後させると、そのまま限界まで前にぐいーっと伸ばす。ぐぬぬぬぬ……限界だと思えるラインを越えてもう一歩前に曲げるように動かす。ミチミチミチ……と音が響く。このぐらいで良いだろう。


 次はそのままの姿勢で足に沿わせるように体を曲げる。こっちは足に密着するぐらいまで伸びた。腰が伸びていく感覚がする。コキッと一回腰が鳴ったが、痛みを伴う鳴り方ではなかった。もう一方の足にも体を伸ばす。こっちも足に密着させて体を伸ばす。またコキッと腰が鳴る。ちょっと若返った気がする。


 更に足をそのままに、右手を左足に添えて上体を左に捩る。ゴリゴリッと音を鳴らしながら腰から上が左に回る。今度はその逆だ。良い音させてるねぇ。


 手を組んで上げて、そのまま背中を反らしてポキッという音がする。よし柔軟体操終わり。肩を回してゴリゴリ言わせる。ゴリゴリいわなくなるまで回し続けようと思ったが、いつまで経っても鳴り続ける。気が済むまで鳴らそう。


 五分ほど鳴らし続けた結果、音がだんだん軽くなってきた気がする。これだけ回しておけば暫く持つだろう。最後に首を鳴らして終わりだ。左右にゴリゴリ。


 よし仮眠する準備は完璧だ、おやすみ~


 ◇◆◇◆◇◆◇


 昼まで寝た。これだけ寝たのはずいぶん久しぶりのような気がする。昼食はどうしようかな。朝と同じでいいか。どうせろくに動いてないし腹を満たすだけの食事で十分だろう。


 朝食と同じメニューを作る。いつものトーストと……トーストこれで打ち止めだな、買い物に行くか。卵……も切れたな。目玉焼きを作って冷蔵庫から適当な野菜を取り出して千切りにして炒める。醤油と塩コショウと少量の麺つゆで味付け。これで野菜も取れる。それにインスタントコーヒーを入れて昼食の出来上がりだ。


 朝と同じメニューだが、野菜とコーヒーがついてるだけ朝より豪華だ。うん、そう納得しておこう。夕食は……どうすっかな、どうせ今から買い物に行くことだし、また適当に総菜買うか。


 毎日食道楽という訳にも行かないし、ダンジョンでは基本カロリーバーかカロリーゼリーだ。あまり腹に溜まる物を食って動きに影響があっても困るからな。お腹が膨れればそれでいい。


 昼過ぎすぐに買い物にでかけると、スーパーも人が大分少ない。当面必要なものだけを買いそろえておく。食パン二斤、卵二パック。これだけは絶対に外せない。これが無いと朝食が始まらぬ。後野菜も使った分補充しておこう。カップ麺も念のため二、三気に入った味を購入する。個人的にはスタミナニンニク系が好きだが、胃が重たくなることが増えた。塩系で攻めよう。夕食用の総菜も買っておくか。


 後ミネラルウォーター三箱ぐらい保管庫に入れておけば非常時でも役立つだろう。後は冷やし用のコーラも一ケース買っておこうかな。当面必要なものと言いつつも、当面必要じゃない量を買い込むのはご愛敬だ。紙皿と紙コップも忘れずにカートに乗せる。


 一旦買い物を終わらせ荷物を保管庫と自動車に積み込むと、身軽な状態でもう一度見回ってみる。一人ウィンドウショッピングだ。最近は百円均一にも色々便利なものがあるからな、何かインスピレーションを得ることがあるかもしれない。


 たとえば何の模様も書かれていない布。七層の隅に立てる予定のポールに張り付けておけば立派に旗としての役目を果たしてくれる。ばねかなんかで伸びるようにすれば、月に立てた米国旗のようにはためいて見えるかもしれない。一枚では小さくても二枚重ねれば十分大きく見えるだろう。


 内側に膨らませるための……そうだな、傘の骨でいいか。いやむしろ傘でいいのでは? 傘の上に布をそのままかぶせて、傘をポールに固定したらいい目印になるな。これでやってみよう。


 値段を見ると傘は三百円らしい。百円均一ではなかったが、二本購入しておく。それと、傘に張り付ける用の布を二枚ずつ計四枚。布をつなぎとめるための……これはホチキスか何かで止めておけばいいな。


 やはり良いインスピレーションが浮かんだ。ウィンドウショッピングもたまにはするもんだな。


 ポールに張り付ける用のクリスタルテープを……これはさすがに百円のものでは力不足のように思える。隣のホームセンターでそれなりのお値段のものを見繕おう。後はポールとテントが届くのを待って、七層に設置できればこのミッションはクリアだな。


 鼻歌交じりに帰り道を行く。保管庫の中身もだいぶ頼もしくなった。保管庫で同時に使える限界も解った。後は何をどう使うかだな。


 持ってこれそうで持ってこれないギリギリのラインを攻めて、七層をより楽しく開発していく。無許可で。そういういたずら心は忘れないようにしたいと思う。


 もちろん犯人がバレないようにすることが大前提だが、小西の七層を使うような人は稀だという事はすでに確認済なので、便利になる方向に寄せていく事は可能なはずだ。


 しかし、俺は小西七層に何を求めているんだろうな。便利さなのか、気軽さなのか、それとも観光地としての楽しさなのか。自分でもその辺はよく解っていない。ただ、何となく自分の行動が楽しいという事だけは解っている。一種の愉快犯か。愉快犯だな。


 帰ったらまたダンジョン関連のニュースを見て、スレの流れを観察するんじゃ。

 三勢食品に対しても、ギルドに対しても、探索者に対しても、今回ドロップ確定を公表したことで大騒ぎになっている。いつかバレる、という言い訳をしたものの、俺にダメージが無かったわけではない。


 スライムと語り合う余裕が無くなってしまった。小西ダンジョンへ他のダンジョンから流れてくる探索者が思ったより多かったためだ。これは完全に予定外だった。またスライムと戯れていたいなら、三層か四層を目指す必要が出てしまった。稼ぎとしては問題ないが、俺個人の感想としては不満である。


 家に着くと保管庫を弄る。冷蔵庫に入れるものは全部入れてしまったので、後はダンジョンに出かける際に詰め込めばOKだ。今度は小西七層でゆっくり過ごしたい。ただ小西六層のワイルドボアの集団とダーククロウの大量ポップにソロでどれだけ耐えられるかはまだ試したことは無い。


 課題はそれなりにある。七層にオブジェクトを設置する時、見られてないことは前提になる。ポールを立てるぐらいは問題ないだろうが、大きいテントは重量で二十キログラムもある。


 これを背負ってダンジョンを踏破してきた、という事がばれてしまった場合、保管庫のスキルもついでにばれてしまう可能性はある。また、大きさも問題だ。それなりに値が張る物を買ってしまったので、使わないという手は無くなった。どうしようかな。


 何らかの手段で対策を講じなければならないな。上手い方法は無いだろうか。重さに直結する部分は保管庫に仕舞っておいて、長いポールだけを背負っていくという事が出来なくもないが、荷物として邪魔だ。やはり保管庫に収納してしまうのがベターだろう。


 人に見られないように行動する。小西ダンジョンでは割と簡単なミッションではある。四層以降はまず人が居ないため、七層に人が居ない間に設置してしまう。それしかないな。


 思考をいったん中断しよう。スレの速度を見守る作業に戻るか。どうやら見ている限り、まだ混乱しているようで、購入報告スレ、検証スレ、各ダンジョンスレとを確認していく。


 どこもスライム狩りの探索者であふれかえっていて、二層三層までの日曜探索者に多大な負担をかけているらしい。ここは予想通りだ。まさか自分がゴブリンを狩れないことまでは予想外だったが。


 四層をソロで攻略するか。七層へ向かうか。今自分が取るべき選択肢はこの二つだ。一層のスライムは他の探索者が頑張るだろうからあえてそこに挑む理由はスライムとの対話以外にはない。


 ストレスが溜まってスライムと対話を楽しみたくなった時までスライム狩りとは少し距離を離そう。


 潮干狩りおじさんが潮干狩りをしないなんて話は外野としては不思議に思われるかもしれないが、それだけ探索者として実力をつけたんだと思われておこう。


「暫くスライムはオアズケで四層か六・七層で探索しようと思うんだけど」

「スライム騒ぎが収まるまで? 」

「そう」

「いいんじゃないかなぁ。ほとぼりが冷めるまで金策に勤しみましょう」


 文月さんとレインで相談した。どうやらあっちもそれで納得したらしい。


 さて、問題はテントじゃなくてポールをどこに立てるかだ。一応ポールに巻き付ける布は二種類の色を用意した。これを七層キャンプの隅っこに立てるか、それとも目印としてテントとの中間に置いて、八層までの階段を解りやすくするほうが良いのかもしれない。選んだ色の布は黄色と赤の二種類だ。


 例えば六層側からテントに向かうまでの途中には黄色を、八層側にむかうほうには赤いポールを立てる。もしかしたらポールの周りに探索者が集まることになるかもしれないが、それは俺以外が決める事でありこうしてください、とお願いする立場ではない。


 あくまできっかけを作るまでが目標だ。細かいことを考えても詮無き事かもしれないな。


 気にせず今日は寝るか。夕飯を適当に食べると久しぶりに早く寝た。




作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔石が1個100グラムだったとしても100個で10キロなんで、装備品や本来持たなきゃ行けない雑貨の事考えたら20キロとか余裕余裕 ステータスブースト抜きにしてもダンジョン入って戦ってると身体…
[一言] 寂れた観光地に有りそうな顔の部分に穴の開いた記念撮影用のボード。おいでませとにっこり微笑んだ怪しいゆるきゃらの縦看板。意味もなくくすだま。お稲荷さんの祠。お土産物の木刀(代金は横に置いた缶の…
[一言] 「遊び」で地図作ってまた隠し部屋だの見つけそうですね。
2022/10/25 11:35 退会済み
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