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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第一章:四十代から入れるダンジョン

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10/1270

10:三日目、その頃他所のダンジョンでは

ダンジョンで潮干狩りを

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 朝だ。今日も寝起きから筋肉痛が腰と腕を刺激する。でもダンジョン初日ほどじゃないな。


 さぁ今日も張り切ってダンジョン行くか!というテンションでもないので、ゆっくりと朝の支度をして、ホームセンターが開いたら万能熊手をもう一つ買っておこう。


 今日はバールは無しで熊手だけでスライムに挑んでみようと思う。そのほうが身軽で腰にも来ないし荷物も減る、対スライムとしては現状最良手であると考える。

 よし、そうするか。今日の課題は、無理せずに一時間何匹倒せるかというのを計測する、だ。


 昨日は気合を入れてやった結果、一時間当たり九十匹という結果が出ているので、今日は気合を入れずに何匹倒せるかを計測しよう。


 常に百%の力で挑むよりも、八十%の力でどれだけこなせるかを指標にするほうが何かと上手くいくほうが多いという俺の経験則である。その経験則に従ってみようと思う。



 ◇◆◇◆◇◆◇


 朝食がてらTVをつける。

 朝のニュースでは、例の高輪なんとかダンジョンの攻略チームが会見を開く予定であるとかなんとか。


 情報については官民共同チームであることから、全部公開するとかなんとかかんとか。

 今の俺には到底追いつけなさそうなレベルの話をしていた。

 コメンテーターとしてスタジオに居る自称ダンジョン研究家曰く


「ダンジョンは三十層以降まであると確実視してもいい」

「ダンジョンでの負傷者が減少傾向にあり、ダンジョン探索者のレベルの上昇が伺える」

「これからのダンジョン攻略を引き続き注視していく」

「地方のダンジョンにも探索者を送り込むべき」


 等、あまり参考にならない意見を連綿と述べていたが、こっちも当面関係なさそうな話だった。


 ホームセンターは朝九時からなので開店時刻まで暇だ。今のうちに家の事を終えてしまおうとゴミ出しをしていると、お隣さんとばったり出くわした。お互いに頭を下げて挨拶をしておく。お隣さんは女性だったのか。


 仕事してるときはお隣さんと会話する機会も無かったな。これからしばらくはちょくちょく顔を合わせることもあるかもしれない。


「おはようございます」

「……おはようございます」


 ……話題がない、どうしよう。


「今日はゆっくりされてるんですね。お仕事は昼から出られるんですか?」


 ラッキー、向こうから話題を振ってくれた。そしてアンラッキー、今の俺にその話題は禁句だ。


「あ、いや、その、仕事は今探してるところで……」

「あ、すいません。答えにくいことを聞いてしまって」

「いや、悪いのは仕事がない私なので……」

「あれ、でも昨日ツナギ着て帰ってきてませんでしたか。お仕事では?」


 帰り道までばっちりみられていたのか。たしかにレンタルロッカーを利用しないから、ツナギのまま帰ってきてはいるが。


「あー、あれはですね、最近ダンジョンに行くようになりまして、それでですね」

「ダンジョンですか。レンタルロッカーは使わない派なんですか?」

「そんなものありましたね……忘れてました。お詳しいようですがダンジョンへ行ったことが?」

「一度か二度友人に誘われて行ったことはあるんですが、モンスターとはいえ動物を傷付けるのにどうしても抵抗があって、すぐやめちゃいました」

「そうだったんですね」


 あー、それは無理そうだわ。

 話が終わると俺はごみを出し終わって自室に戻り、ダンジョン装備に着替え終わった。

 家を出るとまたお隣さんに出会った。


「今日もダンジョン行かれるんですか?」

「そのつもりです」

「あの……そんな装備で大丈夫なんですか」

「大丈夫です、問題ないです。一層でスライム狩るだけなので」

「そうですか、十分気をつけて行ってきてください」

「ありがとうございます、では」


 人に送り出されて行くというのは悪い気分がしないな。



  ◇◆◇◆◇◆◇


 ホームセンターで無事予備の万能熊手を手に入れると、少し遠回りになったがダンジョンにたどり着いた。

 地方はバスの本数が少なくて予定よりも一時間遅れての到着だ。

 バスには俺以外の乗客はいなかった。大丈夫かこの路線。

 今日はプレハブに向かわずに直接ダンジョンの受付へ向かう。


 ダンジョンへ向かう前に装備を確認する。

 万能熊手二つ、ヨシ!

 ヘルメット、ヨシ!

 ツナギ、ヨシ!

 安全靴、ヨシ!

 手袋、ヨシ!

 食料水、ヨシ!

 指さし確認は大事である。



「おはようございます。入場確認お願いします」

「おはようございます。今日は二日続けて潜られるんですね」


 昨日と同じ担当の人だったらしい。顔を覚えられていたようだ。


「えぇ、ちょっと試したいことが増えまして」

「無理せず戻ってきてくださいね。では行ってらっしゃいませ」

「行ってきます」


作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
やさいしせかい
探索者のレベルって有ったんだ…スライム何匹倒したらレベル上がるの? レベルを確認する手段って有るんだよね? 仮にステータスが有るのなら、何故ステータスの確認とかしないの? もしかして、スキルとか魔法も…
熊手と、投げやすくコスパのいいお徳用スナック菓子でも買って 一粒投げて食ってる間に熊手…とか考えてしまったw スライムがなに食うかは知らんけどw
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