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2度目。ーー事の真相は知らない方が幸せです。・3

いくら、魔術師協会長の顔をクルスが知らなくても、魔術師団長である伯父様とか、タータントの国王陛下とか、そういった所謂トップの人間と関わっているわけだから、雰囲気と言えばいいのか、そういった類のものにクルスが気付かなかったなんて私は信じられなかったのだけど。認識阻害魔法とやらが、顔だけでなく、そういったトップが持つような雰囲気すら消していたのだとしたら。納得は出来る。


「まぁそんなわけで、あちらが正体を晒したのは、俺に魔術師団長との橋渡しを頼む、と決意したから、でした」


「伯父様との橋渡し?」


伯父様をチラッと見れば重々しく頷く。魔術師協会のトップと魔術師団のトップが話し合いをする。見る人が見れば世紀の会合、的な感じなのだけど。それにしては伯父様の顔が疲れている。……もう終わった話し合い、だよね? それなのにこんなに疲れているような顔って何が有ったの。それ突っ込んでいいのかな。取り敢えず置いといて。


「それで話し合いをした……のよね?」


「そうだ。向こうは初代協会長達、私が推測していた者達の孫だった」


「あー、100年以上生きているとか何とかって話が有った人達の孫。そうだよね。普通ならとっくに亡くなっているもんね」


もしかしたら怪談じみた、人間が長生きしているという話も協会長の正体を隠す為に必要だったのかもしれない。


「その協会長のトップとの話し合い、というよりここまで乗り込んで来て、相手が言うには。先ずクルス達、影を脅す意味合いで襲撃したのは、魔法で間違いないこと。その魔法の詳細は話せない、とは言われたが。襲撃理由は判った。セイスルート辺境伯……つまり弟に命じられた、と思い込んでいたらしい。彼らがセイスルート辺境伯家の影である事は、あのロズベルとかいう小娘を護衛していた魔術師団の魔術師を襲った時に知っていたからな」


要するに、お父様が探りを入れている、とクルス達の存在に危機感を抱いたわけか。そんで魔法でクルス達を襲撃した。理由は判った。お父様の部下だと思ったなら、まぁ襲撃するかもね。


「お父様から探られている、と判断したわけね」


「そうだ。但し、クルス達を脅す目的の襲撃は、魔術師協会長の意思では無かった」


「勝手な暴走?」


「そうだ。その襲撃犯は協会長直々に捕らえている、という事で会わせてもらったが。何故クルス達を狙ったかと言えば、ロズベルとかいう小娘を護衛していた魔術師を襲った時に、顔を確認していたから。つまりその時の襲撃犯がクルス達を狙ったわけだ」


「じゃあ、そもそもの話。ロズベルさん達の護衛をしていた魔術師さんを狙った理由は何なの?」


「あー……」


それまではスラスラと答えてくれていた伯父様が、その質問になった途端に言い淀んだ。えっ? 何? 余程の事ってわけ? 


それこそシオン帝国の機密に抵触するとか、そんな大きな問題?


いや、それならば伯父様だって危険だと判断して、ロズベルさん達一行を守っていた魔術師さんをわざわざ外に出さないよね? そこまで大きな問題では無いけど、そこそこ大きな問題に魔術師さんが関わっていた? あ、でもそれもおかしいか。そこそこ大きな問題だって、伯父様はその魔術師さんを護衛に回さないと思うし。


ーー個人的な問題を拗らせた、とか? でも、個人的な問題があんな襲撃事件になるもの? 痕跡は消されたけど、かなり大きな襲撃事件だったけど?

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