2度目。ーー伯父様からの召喚状・2
予告通りに執筆出来て安心してます。
今回は短めです。
さて。瞬く間に3日が過ぎてデボラ達の謹慎処分明け。学園には欠席届けを出していた私は、デボラとガリアとアレジを連れて魔術師団を訪れた。伯父様の召喚状の封筒を見せた途端に案内される。伯父様の執務室には、既にクルスが居た。
「お嬢様」
「お疲れ様、クルス」
なんだろう? クルスって、こんな感じだったっけ? 私を見た途端に幻のケモミミとシッポが見えた気がしたのは……気のせいだと思いたい。いやだって、クルスだからね。クールで常に一歩下がって見守る男だからね。うん、私の見間違いだ。幻覚が見えるなんて、私、疲れてんのか?
「良く来たな」
「伯父様」
机から顔を上げた父に良く似た人。きっと、セイスルート家に長らく出て来なかった魔力持ちで生まれて来た事で、その苦労とか苦悩とか家族とも分かち合えなかっただろう。伯父様の苦労は私には計り知れないけど、それでも私を拒絶しないこの方のために、私は私で伯父様と交流を続けたいなって思う。……帝国の中枢部は嫌みたいだけどねー。
「それで?」
「うむ、結論から言おう。全てが終わった」
私は机からソファーに移動した伯父様に促されて対面で腰を下ろし、召喚状の理由を問うた。対して伯父様は……そう言った。
いやいやいや。
ちょっと待って。ちょっと待ってっ。結論から言うにしても、簡潔過ぎない⁉︎ 全てが終わったって何⁉︎ どういうこと⁉︎
「ええと……伯父様? 簡潔過ぎてさっぱり解らない。どういうこと?」
「そのままだ。クルスを少し借りただけで協会のトップが動いた。さすがに予想外で、此方としてもまさか……と思ったのだが」
私の問いに伯父様が先程よりか、詳しく喋ってくれたけれど、やっぱり解らない。えっ、私の理解力が足りないの? 困った私に、私の背後に控えたクルスが苦笑して説明を始めようとしたけれど、その前に、とばかりにデボラ・アレジ・ガリアの方を向いた。
「お前達」
おや。珍しくクルスの声が怒っているわね。3人が肩を竦めたのも珍しい。
「アレはやり過ぎだ」
あー、やっぱりクルスの耳にも届いていたわねー。何の事を言われているのか解った3人が途端に猛反論始めた。
「やり過ぎなんかじゃないわ、クルス!」
「そうですよ! お嬢がお花畑令嬢とか嘘付かれているんですよ⁉︎」
「そうです! お嬢を悪女とか、どこをどう見たらお嬢が悪女なんですか! どっちかって言うと野山を駆け回る野生の猿でしょ⁉︎」
おい! さすがに失礼だぞ、ガリア。あんたの私に対する評価を理解した……って、なんでそこでクルスもデボラもアレジも頷いてんのよ! そこは諫める所でしょー!
お読み頂きまして、ありがとうございました。次話は月曜日(20日)更新予定です。




