2度目。ーー伯父様からの召喚状・1
長らく(およそ1ヶ月)更新せずにすみませんでした。
自分で驚きです。
暫くクルスを伯父様に預けているから、私の所には話が来ないのよね。どうしようかな。取り敢えず、アリシャの事は帝国の中枢部が関わっている以上、何の問題も無いだろうし。デボラ達のやらかしも帝国の中枢部の掌の上なら、其方も忘れるに限る。後は魔術師団と魔術師協会の事だけど。それこそクルスが居ないと分からない。
考えていてもコレといって思い浮かばないし、今日は一先ずこれで終わりにしておこう。今は勝手に動く時じゃない。
決断をくだすと、お茶会というか報告会というか……まぁお開きになった。ちなみに、いくら中枢部が文句を言って来ないとはいえ、デボラ達のやらかしは、やらかし。1週間、問答無用で謹慎処分。勝手に出歩いてはいけないし、私の護衛や侍女仕事なども当然出来ない。部屋から出るな、と通達してから4日目の朝。
魔法なのだろう、突然手紙が私の元に現れた。現れたという表現はおかしいだろうか。しかし、突然手の中に収まったのだから、やはり現れた、で有っているはず。その手紙には……。
「あらまぁ」
微かに呟く自分の声が耳に届いて……思案する。内容は至ってシンプル。3日後に来るように、とだけ。まるで謹慎処分明けを知っているかのようなタイミング。……知っているのだろう。それならばデボラ達を謹慎させている理由もご存知だろうし、その上で謹慎明けに訪れるように、という事は。
クルスが探っている一件。
魔術師協会の話。
もしかしたら……あの襲撃事件にも関する事かしら、ね。
あの襲撃事件は今も考えているけれど、どうしても分からない。
襲撃の相手は伯父様が遣わしてくれた魔術師を対象としていた事は分かっている。
最初はロズベルさん母娘を狙っていると思っていたんだけど。それならタータントの国境近くで事を起こすよりももっと早くから狙えていただろうし、ジュストの話やクルス達、影の話を聞いてもロズベルさん母娘を狙ったように見せかけた魔術師への襲撃にしか思えない。これは確定とする。
だけど。
分からないのは、そもそも誰を狙うにしても、もっと襲撃し易い場所なんていくらでも有った。いや、襲撃しなさいって言ってるわけじゃないけど。それなのに、あの場所まで襲撃しなかった事が不可解。
しかも、セイスルート家の目の前。……意味が分からないのよね。何回考えても。
可能性としては、魔術師への警告……つまり魔術師団への警告。
けれど警告にしては、随分と大人数だったし、派手だったし。おまけに死体は行方不明だし。襲撃事件そのものを、誰かに知らせたいとしか思えないような意味不明な行動。一体誰に知らせるというのか。誰かに向けた脅迫? それならば魔術師を狙った事からも窺えるように、魔術師団への脅迫というか警告だろうけど。それを何故、わざわざ他国を絡める必要が有ったというのか。
別にあの時でなくても何かの脅迫もしくは警告なんていつでも出来ると思う。
結局……堂々巡りの思考になってしまって、未ださっぱり不明のまま。
「もしかして、魔術師団の魔術師を襲撃するのが目的じゃなくて、派手な襲撃を見せつけることこそ目的だった……? いえ、そんなまさか。何を私ってば、訳の分からない事を考えたのかしら。でも。目的が違うかもしれない、という観点は大事かもしれないわね」
何にせよ、3日後。伯父様に会いに行けば、何か分かるでしょうね。
お読み頂きまして、ありがとうございました。
次話はなるべく早く更新します。
多分、金曜日(17日)。




