2度目。ーー次の報告を聞きましょう。・2
すみません。体調崩して更新遅れました。
「はいはい、そっちねー」
ガリアののんびりとした口調とは裏腹に顔は面白がる表情。……何かしら。
「アレジがねー。珍しく笑顔でブチ切れてたよー」
あらまぁ。影の割には温厚なアレジが、ねぇ。
「セイスルート辺境伯って、小国のタータントの辺境ってことだろ? そこの令嬢なんて、権力に媚を売るか男に媚を売るかのどちらかしか出来ないような頭空っぽ令嬢だろ、どうせ、と。留学なんて言ってるけど、王家にでも媚売って空っぽな頭の割に金積んで来たんじゃないかー? って」
「あら。随分と私をお花畑な頭をした令嬢のように評価しているのね」
私を知らない人間からすれば、想像で評価するわけだからまぁそういった評価も無いとも言えないだろう。……私を知った人間は、そんな脳内スカスカ令嬢の評価は消え失せるみたいだけど。
「俺もアレジから話を聞いてビックリ。その上、小国とはいえ一国の国王相手に身体使って籠絡した、とか」
その瞬間。殺気が膨れ上がったのは、私。……ではない。ガリアの殺気を(ガリアも笑顔で怒っていたわけだけど)上回る殺気である。
「ガリア。今の、不愉快な、話。何処の、誰、かしらね……?」
ーー休みを取らせていたはずの、デボラの殺気でした。
「デボラ、怖いんだけど」
「お嬢様が、わ・た・し・の、お嬢様が、タータント国王如きに身体使って籠絡した、と聞こえましたが?」
デボラ。ゆっくり休めたのかしら。というか、一応タータント国王にたいして、如き、なんて見下す発言しちゃダメだと思うわー。まぁ確かに私も不愉快な発言ですけれども?
「このシオン帝国の下っ端文官達が噂していたんだってー。アレジがブチ切れてたから」
「何らかの報復は、した、と見て良いわけですね?」
デボラ。笑顔で圧を加える相手は、ガリアじゃないから。ガリアが可哀想よー。
「お嬢が良いよって言わないのに勝手は出来ないから、精々全員が苦労して(笑)作成した文書を間違えてゴミとして捨てるくらいだよ。それもその日の朝提出期限のやつ」
それが、アレジが行った報復らしいが、それは確かに嫌がらせよねー。と思っていた私の耳に「なんて地味な嫌がらせにもならない報復なんですか」と冷ややかな声のデボラのツッコミが聞こえてきました。……うん。デボラ、お怒りね。
「いやだって、お嬢が良いよって言わないのに勝手なことして、お嬢の機嫌は損ねたくないからさぁ。やれる事がそれくらいしかなかったし。ってことで、お嬢、報復してもいい?」
「何をするのか知らないけど、私も不愉快だから構わないけど、それより前にアレジに伝えて欲しいのよ。一体、誰がそんな事を言い出したのかって」
「ん? お嬢、どういうこと?」
「だってそうでしょう? 身体使って籠絡して留学してきましたー。なんて言うわけもないけどさ、仮にそれが私の留学の真実だとして。それでこのシオン帝国の上学園に入学出来る程の実力が有ると思う? 言っておくけど、留学生の成績なんて生粋のシオン帝国国民の学生の倍くらい良くないと、留学も上学園入学も出来ないのよ?」
「つまり、お嬢様が仰りたいのは。誰かが故意にお嬢様を貶めている、と?」
「恨みを買ったつもりはないけど、そういう可能性はあるってこと。一応正規ルートで留学してきた私を、そんな噂で評価を落として誰か得する人が居るのかしら? とも思うけど。タータント国もセイスルート辺境伯家もバカにしているわけじゃない? タータント国はともかくとして、ウチの怖さを知っていれば、そんなアホな噂はしないと思うのよ。特に。カリオン家というウチを知る存在がいるのに。カリオン家がシオン帝国でどの程度の位置に居るのかは、知らない。でも一貴族家がウチをそれなりに尊敬しているってことを、その下っ端文官達は知らないのかしら。知らないなら情報収集不足だけど。知っていて、私を貶める発言をしていたなら、私と敵対する気があるってことだし。ウチを尊敬しているカリオン家にも敵対するってことでしょ。だから」
「カリオン家を敵に回しても平気な家柄なのか、何も考えていない無能なのか、何かの思惑が有るのか、という事ですか」
私の言いたいことをデボラがあっさりと言ってしまう。うん、そうなんだけどね。その通りなんだけどね。最後まで言いたかったかなぁー。
執筆完了次第公開したので、誤字脱字チェックしていません。時間が出来たらチェックします。
お読み頂きまして、ありがとうございました。




