表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
372/400

2度目。ーー次の報告を聞きましょう。・1

「取り敢えず、サヴィの件はもういいわ。それで? 騎士団の方と文官の方は?」


痛む顳顬を抑えつつガリアを促す。


「いやー、騎士団は、聞かなくても良いかなぁ、と思う」


「それって……」


「大部分は上官絶対視してるかなー」


「ウチと同じってことか……」


「そー。セイスルート辺境伯家絶対主義のウチの騎士団と同じー。あと、俺たち影もそうだけどー」


解った。よぉく理解した。つまり脳筋集団だ。詳しく聞く必要も無い。……って言うわけないでしょ⁉︎


「大部分は、ね」


「あーやっぱお嬢、ちゃんと聞いてたね」


「何処が問題なの?」


誤魔化されてくれなーい。とか言うガリアを無視して話を進める。ガリアは瞬時に表情を変えた。


「怪しいのは、騎士団監察部隊」


「騎士団監察部隊?」


「騎士団の内部を監視しているとこ」


「あーそういうやつか。でも騎士団の内情を探っているなら、怪しい動きは寧ろ普通でしょうに」


つまり、騎士団内部で例えば横領だの、例えば権力を嵩に来た横暴だの、の取締り部署ということだろう。それならば寧ろ、内部を探るために怪しい動きを取るはず。


「普通は、ね。仕事なんだから当然」


「成る程? 寧ろ何の動きも見せていない、と?」


「さすがお嬢! 本当に機能してんの? ってくらい、動きが無いとこだった」


「あらまぁ。それはその部隊のトップが無能だからってことになるわよね。部下にやらせて報告だけ聞いている部類の無能なのかしら? それとも虚偽の報告を鵜呑みにしている部類?」


「どっちにしたって無能でしょう」


「あら、聞くだけのトップなのか、踊らされているものの、話を聞こうとする意思は有るのか。それくらいの差は有るじゃない」


「話を聞くだけで聞き流している奴の方がいいですよねー」


「まぁね。同じ無能なら積極的に引っ掻き回すより何もしないおとなしい、という方が扱いやすいわよねー」


無能なくせに行動的な奴程厄介なものは無い。引っ掻き回されるから。但し、その程度なら予想範囲内だから、とリカバリー出来る程度の引っ掻き具合なら、という注釈付きですけどね。中には予想の斜め上に引っ掻き回す奴が居る。そういうのは、本当に手に負えない。大惨事を招きかねない、から。


だから、同じ無能でも話を聞いているだけの輩の方が未だマシなのだ。

取り敢えず話を戻そう。

無能な上司はさておき。

監察部隊かー。まぁ今のところは関わりは無さそう。ってことでいいかな。いや? 関わりないから安心出来るならガリアが引っかかるわけないか。


「で? あまりにも普通な監察部隊とやらの何が引っかかるの?」


「ほんとお嬢ってば、子どもらしさが無いなー」


「子どもらしさ?」


ガリアの苦言に理解出来ずに首を傾げれば。


「もう少し俺らを信用してよー。結果が出るくらいまでー」


「あらあら。信用していたら知らない間に配下が命を狙われていましたってどこの影達の話だったかしら?」


子どもらしさ、の意味を理解したので、痛い所を突っついてやれば、ガリアが「うっ」と呻いた。でも、彼の言いたいことの本質は理解出来た。自分達に頼んだのだからアレコレと考えていないで、学生生活を楽しめって事だろう。

で? その結果、あなた方が脅されている事にも気付かずに満喫してましたけど?


「学生しかも令嬢だからって、お前達を宿に泊まらせておくんじゃなかったわ。のんびりしていたら配下は命を狙われてましたってどこの無能よ」


「お嬢、ごめんって」


チクチクと嫌味を言ってやれば素直に謝るので、これ以上ガリアを虐めても何にもならない、と黙る事にした。


「まぁ監察部隊の件はガリアが報告出来る、と思った時まで待つわ。それで? アレジの報告を預かっているんでしょう?」


下っ端文官達の報告は? と促した。

お読み頂きまして、ありがとうございました。


宣伝です。

【3回目なので、もういいよね。】から始まる3回目シリーズの完結編を執筆しました。こちらをお好きな方はよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ