2度目。ーー友人を疑いたくないけれど。・1
少々短めです。
「さて。デボラ」
「はい」
「寝るわ」
「それが宜しいか、と」
夜明けまであと少しなのか空が白み始めているけれど。クルス達に指示を出した以上はもう一度寝る事にする。一応今日は学園が有るからね。
「デボラは私が学園に行っている間に昼寝出来るよね。羨ましい」
「何をすれば宜しいのですか」
「あー、分かった?」
昼寝が出来るんだから私がこれから寝る間に頼みたい事がある、とデボラは気付いたらしい。さすが長年の私専属侍女だと思う。
「アリシャを」
「かしこまりました」
アリシャを疑う事はしたくない。……疑っている、というよりは。背後関係を知りたいという所。今はアレコレ考えるより、デボラの報告を待とう。それからじゃないと判断は付かない。私はこれ以上考えるのをやめて、再び夢の世界へと旅立った。それから少し後。
「お嬢様」
「おはよう、デボラ」
「朝食を摂りながらお聞きになられますか」
「ううん。報告書を作っておいて。後で読むから」
「かしこまりました。では、支度を」
テキパキと私の支度を進めたけれど、今日の髪型は何故かハーフアップにされた。……デボラって何かストレスが溜まると私を着飾る方向に走るよね、そういえば。今は着飾る先が無いから髪型を好きに弄ったのか……。普段の私の髪型は寧ろ前世でいう所のポニーテールだもんな。ツインにはして欲しくない。精神年齢50歳を超えた女にツインテール。私が嫌だ。
それはさておき。
支度を終えて授業に出るべく寮を出ようと思った所で、アリシャ付きの侍女さんから、本日アリシャが休みだと伝えられた。了承してからチラリとデボラを見ればシレッとしているから、アリシャが今日は休みだと知っていたみたいね。私は何も言わずに授業を受けてスムーズに帰って来た。
寮の自室の机の上に置かれた報告書を見るに、短時間で調べたにしては結構な厚み。デボラがそれだけ優秀である証拠でもあるけれど、厚みから察知するに、おそらく私が命じる前からアリシャを調べていたのだと思う。
その理由が、単に小国とはいえ王女だから、なのか。アリシャが留学している事そのものに何か有ると思ったから、なのか。まぁ何にせよデボラの中で引っかかる事が有ったから独自に調べていたのだろうな、と解った。
「デボラ、ゆっくり休んでね」
「お言葉に甘えて休ませて頂きます」
結構な厚みのある報告書故に、デボラに労いの言葉をかければ、デボラはにっこり笑って本当に下がった。まぁいいけど。自分でお茶淹れられるし、ゆっくり読んでおくから。
「さて」
報告書の1枚目に目を通せば、デボラの字で簡潔に調査結果を書いていた。曰く。
ーーアリシャ王女殿下に疑いの余地無し。
私が彼女に疑っていたのが何か知っているような調査結果。全く良く出来た侍女を持つと有り難いけれど、時々怖いなって思うわよね。なんて思いつつ、詳しい報告書に目を向けた。
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