2度目。ーーキーマンとなるのは、やはりロズベル様みたいです。・11
遅くなりました。
その上短いです。
キリが良いのでこうさせて頂きました。
「カリオン家がシオン帝国に恩があるから、でしょうね」
アレジのその言葉に、サヴィがそんな事を話していたと思い出す。その一言で大体の事は理解出来た。
「サヴィ自身はどう思っているのかしら」
ポツリと言葉を落としたが、そこまでサヴィに踏み込む事はやめておく。サヴィは誰とでも仲良く出来るけれど深い関わりを避けているように見えた。彼の人生に今後も関わっていく決意があるならともかく、ロズベル様の件が決着し、あと数年で学園を卒園してしまえば、おそらく私はサヴィとは関わらない。
せいぜい手紙のやり取りとか、年一回会えるかどうかの付き合いしか出来ないだろう事は想像出来る。そんな私が深く人と関わる気の無さそうなサヴィと今後も関わっていく覚悟はなかった。……冷たいようだけど、それが事実。
「探ります?」
「いいえ、いいわ。彼に中途半端に関わるのは、私にとっても彼にとっても良くない。ドナンテル殿下とノクシオ殿下の時とは明らかに状況が違うもの」
あの2人は積極的に私と関わろうとしてきた。だから私も応えた。きっと長い付き合いになるだろうと思ったし、ある程度濃い付き合いにもなると思っていたから。でも深い付き合いを避けているようなサヴィに、私も積極的に関わる気はなかった。
「では、これ以上は探らなくてもいいですかね」
「アリシャとベタルターは特に何も?」
「ええ。アリシャ・ボターナ王女殿下は、ドナンテル殿下と頻繁に手紙のやり取りをして交流を深めているくらい。ですかね。ベタルター・ゼフォルは本当に可もなく不可もない善良貴族ですね」
「可もなく不可もない、ね」
「まぁ多少は堅物過ぎて逆に変なのに引っかからないと良いなぁって思いますが。カリオンの方はある程度王女殿下の様子を探ったら終わりになるんじゃないですかね。家の意向を汲んでと言っても、王女殿下に何があるわけでもないですからね」
「そう。アレジ、ご苦労さま。後はタータントへ帰ったガリアがヴィジェスト殿下とジュストの関係について、何か報告する事があるかどうか、ね。後。ジュスト自身」
杞憂に終われば良いのだけど。
「取り敢えずは報告会は以上ね」
デボラとアレジには、クルスから話を聞いてもらう事にした。ドナンテル殿下とノクシオ殿下から来ていた手紙の返信を書くためである。暫く放置していたので、そろそろ書かないとなんだか面倒くさくなりそうだな、と思って。その本能に従う事にした。
そうこうしているうちに、ロズベルさんの母親と会う時期が決まり、いよいよか、と気合を入れ直した。ここからどうなっていくのか。正直分からないけれどロズベルさんの母親しか、今は頼れる人がいない。最終的にロズベルさんをタータント国へ帰国させ、ヴィジェスト殿下と仲睦まじく暮らせばいい、と思うから。
そうして日々は瞬く間に過ぎて行き。その日を迎えた。
お読み頂きありがとうございました。




