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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
キーマン探しを開始する魔法学園の留学生活。
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2度目。ーーまさかの事実が判明しまして、驚きの連続です。・3

遅くなりました。

ドミーからの手紙には、私以外誰も連れて来ないで欲しい、との事だったのでジュストにも話さなかった。……いや、再会翌日には、アリシャにもサヴィにもベタルターにも色々突っ込まれたけど。寧ろジュストが何も言わない事の方がビックリで。でも2日経ってから、どうやらようやく状況が飲み込めた、らしい。あの時黙っていたのって状況が飲み込めてなかっただけなのか。という事でジュストからアレコレ尋ねられた。


ーー曰く、連絡を取り合っていたのか、とか。

ーー曰く、あの男も2度目の人生を送っているのだろう? とか。

ーー曰く、ケイトリンは、ヴィジェスト殿下の筆頭婚約者候補者なんだぞ、解っているのか! とか。


それはもう額に血管が浮き出ていて、そこまで怒る必要無いよね? と思ったんだけど。まぁ真摯に答えましたよ。連絡は取ってないし、2度目の人生を送っているだろうし、私がヴィジェスト殿下の筆頭婚約者候補者なのは、下ろして貰えないだけでしょって。


だけど。


「ヴィジェスト殿下には報告させてもらうぞ!」


と、ずっと怒りっぱなし。ジュストってこんなに怒りが持続するタイプなのか。と、どうでもいい事を考えてしまいながら、別に疾しい事が無い私は「どうぞ」と応じた。尤もジュストに張り付いていた王家の影が既に報告はしている事だろう。


うーん。正直なところ、王家の影が報告しようと私は問題無いけど。何しろ2年も()()()()()()()()()()()の私。年齢が学園入学前ならば、幼いから、で済ませられるし、ヴィジェスト殿下が私より2歳年下である事も加味されて、問題は無かっただろうけれど。


既に私は15歳。ヴィジェスト殿下も学園入学を果たしている。何の問題も無ければ筆頭婚約者候補者ではなく()()()に決定していておかしくない年齢。しかも幼い年齢ならいざ知らず、10歳を過ぎた年齢の私だ。王族の婚約者候補者として様子見をしていても通常は1年程度有ればいい。


いくら私が婚約者に格上げされる事を蹴っているとは言え、王家に忠誠を誓っていないからこそ、


「二心無き事を証明するために婚約を締結する」


と国王陛下に宣告されてしまえば、承諾する・しないはともかくとして、一度はお父様が登城して話し合いの場を設けるはず。この2年、そんな話はついぞ聞かないし、おそらく私を筆頭婚約者候補者の座から下ろす方向で水面下で話は進んでいると思う。何しろ2年経つのに婚約者では無い時点で、国王陛下の胸の内は知らないが、宰相を含めた国の中枢辺りは私が筆頭婚約者候補者に相応しくない、と判断しているだろうから。


そういった事をジュストに話すべきだろうか。うーん、でもなぁ確定していない私の推測を話しても良いものか……。それに。ジュストが将来宰相を目指すかどうかはさておき。ヴィジェスト殿下の側近であるなら、この程度の事は考えておくものだと思うんだけどなぁ……。もしかして、私がヴィジェスト殿下の筆頭婚約者候補者から格上げされる、と考えているんだろうか? いやいや、まさかね。……えっ、まさかだよね?


「ねぇジュスト」


「なんだっ」


うわぁ。機嫌悪いなぁ。


「もしかして、というか。まさか、というか。私がヴィジェスト殿下の筆頭婚約者候補者から婚約者に格上げされる、なんて……思ってないよね?」


「は? 当然格上げされるだろう?」


ジュストが眉間に皺を寄せて何を当たり前の事を……的な言い方をしているけれど、いやいやいや、それは無いから! 格上げされるならとっくにされてるから!


「いや、それは無いでしょ」


「何故」


私は仕方なく自分の推測を話す。もちろん推測だが、間違っていないと思うんだよね。それに。


「私がドナンテル殿下とノクシオ殿下の公的な友人どころか、向こうでも筆頭婚約者候補者の座についていた事は、タータントの王家も把握済みでしょ。それがどちらか片方ではなく、両方の殿下の筆頭婚約者候補者の座から下りている。私が下りたのか、下されたのか、それはこの際どうでもいいんだよね。結論から言えば、どちらの殿下方からも不要だと判断されたようなもの。あの2人の気持ちはおいといて、隣国の中枢からは不要だと判断された、とタータントの中枢は思っているはずだよ。更には隣国からこのシオン帝国へ留学の留学を勧められた。表向きは良い話に当然するけど、タータントの中枢は、私が厄介払いをされた……とかって考えているんじゃないかな。そんな私がいつまでもヴィジェスト殿下の筆頭婚約者候補者の座に居るなんてって中枢は思っていると思うよ? となれば、私をその座から引きずり下ろそうと水面下で動いていてもおかしくない」


つまり、今回のドミーからのプロポーズは、寧ろタータントにとっては、引きずり下ろせる材料じゃないかな。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

現在リアルで色々とバタついてまして、明日以降の更新時間もどうなるのか不明です。毎日更新は……頑張る予定です。

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