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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
3年目の学園生活は留学の留学からスタートです。
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2度目。ーー新たな留学先は通称魔法学園と呼ばれています。・12

ジュストが倒れたあの時以外、大きなトラブルもなく。まぁ昼食休憩は簡単に済ませて必ず宿がある街へ日暮までには到着出来たというのも大きいですが。ジュストともだいぶ打ち解けられましたし、ようやくシオン帝国の国境までやって来ました。この国境越え審査を終えれば……シオン帝国に入国です。


あー。なんて言えばいいのでしょう。有り体に言えば緊張してます。ワクワクとドキドキで心臓が高鳴り期待と不安が綯交ぜになっているこの感覚。アレです。遠足や修学旅行が楽しみで中々寝付けないとか、逆に早く目覚めてしまうとか、そんな感覚ですよ。……いや、子どもか!


まぁでも魔法なんてファンタジー! というより、魔法なんて夢物語の妄想扱いするような人間が多かった前世ですからね。……高校生の頃って、今思えばなんであんなに夢を見ていた自分を封印して、現実を見るというか、背伸びして大人になりたがっていたんだろう。


ーーなんて、そんな事を考えて高揚感を紛らわせているのは、まぁ結局のところ期待に胸が膨らみ過ぎて思った程普通の国だった……という衝撃に耐えられるように、あまり期待を持たないようにしているからです。さて。いよいよ国境越え審査の順番が回って来ました。


自分の名前や出身国等のお決まりの質問。シオン帝国が使用する貨幣の両替。(あ、シオン帝国では使用している貨幣……硬貨の方ですが、純金なんですよ! こちらの世界でも純金は価値が高いので、硬貨を国外へ持って行き、裏ルート的なヤツで売買されるのを防ぐために、この国境越え審査の時に両替します。それも持参金全て。帝国内に居る間は帝国の貨幣のみを使用し、残ったら国外に出る時にもう一度両替するのです)


そして……帝国に来た目的を話します。


「留学ですか」


ちなみに此処までのやり取りは帝国で使用している帝国の公用語です。留学する国の言葉くらいは喋れるようになっておくのは、留学生の義務です。(日本人だった時の感覚だとちょっと厳しい感じは有りますが)


「ええ。これが留学許可証です」


見せたのは、タータント国と隣国の両方の留学許可証。両方の国からこの許可証の持ち主を留学させる事を認めますよ、というわけです。普通は自国だけなので、何故2国から許可証が……という質問には、きちんと隣国に留学していた事。隣国の学園長がシオン帝国で勉強する事を薦められた事を話しました。(という設定です。無論問い合わせが有っても良いように学園長は知ってます)


「シオン帝国で何を学びたいのだ?」


「私は文官を目指していますが、タータントでは女性の登用が僅かです。留学していた隣国はタータントより登用されていますが、位の高い人物は皆、男性。シオン帝国は完全なる実力主義で、男女の別無く女性の文官が高い地位についてます。そのためにどのような勉強をしているのか、学びたいのです」


「うん。良い心意気だ。この許可証が本物かどうか、確認するから少し待ってもらうが構わないか」


「もちろんです」


商人が所属する商業ギルドの許可証や冒険者が所属する冒険者ギルドの許可証はどこの国でも同じなので、入国も簡単ですが、国の使節団が持つその国の許可証や留学許可証などは、鑑定が出来る方に許可証が偽造ではないか鑑定してもらう必要がある、と事前情報として知ってました。


シオン帝国は魔法大国。金貨の持ち出しと同様に魔術師の誘拐等が行われないように、かなり厳しく審査をするそうです。という事でこの足留めは最初から知ってましたので、折り込み済みです。ジュストもきちんとその辺は理解してますから、問題なく審査を受けていることでしょう。


この許可証の審査で偽造等がなく認められれば、ようやく入国出来ます。


「ようこそ、シオン帝国へ」


私を審査していた方がそう仰ってくれました。いよいよシオン帝国です。……やっぱり期待が高いですね。ドキドキしてます。これからの留学生活も楽しみです。あ、文官科に編入ですけどね。でも魔法大国なので、魔法科が有りますから、魔法の練習をしている方を見られるかもしれません。

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