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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
3年目の学園生活は留学の留学からスタートです。
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2度目。ーー新たな留学先は通称魔法学園と呼ばれています。・9

遅くなりました。すみません。

ジュストはデボラの薬が効いたのか、その日のうちに解熱したようですが(ジュスト付き侍女談)体力を消耗しているようです。デボラに疲労回復に効果のある薬をお願いし、クルスが交渉した通り三晩この宿に泊まり、4日目に出立しましょう。ジュストは熱が下がったから行く、と言っているようですが。無視ですよ、そんなん。


ジュストには私が疲れたのでここに逗留する、と伝えるようにジュストの様子を報告に来た侍女に言います。彼の性格では自分が足手纏いなのは嫌でしょうが、私が休みたいと言うならば無理はしないタイプです。ちょっとめんどくさい性格ですね。まぁそういう人って居ますよね。そんなわけでデボラ特製苦い滋養薬をきちんと飲んだジュストは、4日目の朝には疲労していた顔が無くなっていました。


そんなわけで出立した私達は国境間近の街に入り翌朝には国境を越えます。タータントから隣国への国境越えは良くあるので、国境での身体検査や身分証明書などを国境を守っている砦の兵士をまとめる兵士長に見せるのが通例です。ついでにその国に入って何をするのか、ということも伝えました。明日朝の小国への入国も同じように審査される事でしょう。スムーズに通りたいですね。


小国とタータント国は国境を接していないからか、直接関わりが無い国です。一応国交は有りますし、年に1回くらいは使節団を結成して互いの国に使者を送り合ってご機嫌伺いはします。ですが、それくらいしか交流の無い国ですので、情報は少ないです。影に様子を見てもらいましたが、変わった事はないようなので、何事もく通過出来るでしょう。


ところが、でした。盲点があったのです。3年前、私が留学先を探している時にシオン帝国の学園も探ってもらった事があります。その時のルートはこの小国を通ったものでした。で。私はその時の通行料が3年経った今も変わっていないって思っていたんですよねー。ちょっと前にクルス達に国境の街と小国の様子を探ってもらった時は、皆、小国へは行かなかったわけで。当然、国境越えの審査を受けてないし、通行料も払ってない。


だから。

まさか通行料が値上げしているなんて思っていなかったんですよねー。タータント国と隣国で使用している貨幣と、小国で使用している貨幣は別なので、国境の街では貨幣を準備してもらえます。所謂前世で言うところの両替です。まぁだから両替してもらってあったので、通行料が値上がっていても対応出来ましたけどね。そういった細かな事もチェックしなかったのは、私のミスです。


思い込みってダメですよね。反省です。この小国を通り過ぎて更にもう一つ小国を通り過ぎた先に魔法大国のシオン帝国があります。なんとなくもうすぐな気がしますね。さて、この国には一泊する予定です。ジュストの体調次第ですけどね。でもまぁ今日の様子だと大丈夫そうですかね。念のために早めに宿へ入りましょうか。


そんなわけで。私とジュストは久しぶりに、きちんと顔を合わせました。


「その、迷惑をかけて済まない」


私と顔を合わせるなりジュストが謝ってきました。別に迷惑はかけられてないけど。


「体調を崩す事は別に迷惑でもなんでもないよ。気にしないで。私も疲れていたから休めて良かったし」


ジュストは頭を上げる。これ以上の謝りは不要だと理解してくれたようだ。だから今まで通りに接した。そして私は、以前から気になっていた事を復帰したジュストに尋ねた。つまり、側近だからって隣国に留学したり、更にはシオン帝国に留学したり……。それってどうなの? と思っていた疑問について。


「ねぇジュスト」


「なんだ?」


「あなたは、いくらヴィジェスト殿下の側近だからって、何故そんなにも頑張っているの」


「隣国やシオン帝国へ留学して、とか?」


私の疑問にジュストは苦笑してそんな事を言った。肯定すれば、ますますジュストは苦笑した。


「そうだな……」


と遠くを見つめるような顔をして、話を切り出した。

お読み頂きましてありがとうございました。


現在、短編作品を執筆中です。(活動報告で宣言した作品では有りません)

昨日の更新が遅くなったのも本日もこの執筆のせいです。16000文字を超えてもまだ書き上がらない状態ですが、早ければ明日辺りに公開出来ます。

気になる方がいらっしゃるようでしたらよろしくお願いします。

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