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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
3年目の学園生活は留学の留学からスタートです。
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2度目。ーー新たな留学先は通称魔法学園と呼ばれています。・3

王家の影に渡した手紙の内容に、全てを覚えているわけではないのでまた思い出したら手紙を認めます、と付け加えて託したのと入れ違いでボレノー家から手紙が届きました。まぁジュスト・ボレノー様しかいないですよね。ボレノー家と直接関わりが無いから。しかも私宛ですし。……わざわざ辺境伯領の我が邸に出してくる手紙ということは、急ぎの内容なのでしょうが何でしょうね?


開封した内容を要約すると一緒にシオン帝国に向かいたい、との内容でした。貴族的な修飾語がこれでもかって程付け加えられた豪華な言い回しでしたけど。私が出立するのに合わせて辺境伯領へ来るそうです。まぁ隣国にしろシオン帝国にしろ、ウチの領地経由して行くのが一番良いルートですからね。他のルートだと時間がかかりますからねぇ。別に構いません。オッケーの返事を私も一応貴族的な言い回しで飾り立てましたけど。


前回の王子妃教育がこういう所で発揮されているので、無駄な事にはならなかったようです。さすがにね、8年に渡る妃教育は結構覚えてますよ。その教育がこういった時に発揮出来ているのは、なんだか感慨深いですよね。あ、そうだ。


「ボレノー家のジュスト様がいらっしゃいます。私と共にシオン帝国へ参りたいそうですので、セイスルート家に滞在して頂く事になりますから準備をお願いします」


執事にお願いしておきます。私と共にシオン帝国へ、と言う事はそれよりも前に王都から辺境伯領に来るわけです。ウチの鍛えている馬車やお供とは違って普通のお貴族様の馬車やお供じゃ一旦休んでもらわないと疲れるでしょうからね。

ウチは馬を含め御者も鍛えてますからね。馬車の車部分だけが普通ですよ。多分馬より車の方が先に潰れるんじゃないかな……。改良ってどうすればいいんでしょうね。改良出来たらかなりグレードアップしますよ、ウチの馬車。


護衛だの侍女・侍従だの、お供だってウチは精鋭揃いですからね。割と無茶にも対応します。多分王都まで半日も掛からずに往復して来いって無茶振りしたら文句どころか嬉々として行くんじゃないですかね。ウチは基本、皆が脳キン……いえ、なんでもないです。困ったことがあれば腕力で解決! とか脳筋思考……いえ、なんでもない。私もそっち側ですよ、どうせ。


話がズレました。そんなセイスルート辺境伯家とその領民とは違って普通のお貴族サマのボレノー家の方々に、到着しましたね、じゃあ出立しましょう! なんて鬼畜な発言は出来ません。疲労回復や体調不良が無いか確認するためにも一晩は最低でも休んでもらわないと、です。……そうか。出立しても全速力で! ってわけにはいかないですね。ボレノー家に合わせましょう。


それと、ボレノー様がいらっしゃるならヴィジェスト殿下の筆頭婚約者候補者の件について、お伺いして。後はボレノー様自身の事も少し尋ねて。……どう考えてもヴィジェスト殿下の側近という理由だけでシオン帝国まで行くというのは、ちょっと考えものだと思うんですよね。それでボレノー様は良いのでしょうか?


それにしても。シオン帝国……。行きたいなって3年前の留学先探しの時に思っていましたけれど、それが叶うなんて思ってもみませんでしたよ。魔法に興味があるんですよね、私。自分が使えないから、というのもありますけど。前世も科学が発達した世界だったのに魔法に憧れましたからね。厨二病……ではないと思いたいですが、厨二病ですかね。


そんな事をツラツラ考えつつ迎えた翌日。隣国からアレジが帰って来ました。あの王女殿下に気をつけてね! って手紙を持って行ってもらったので労いの言葉を掛けたところで殿下方から手紙を預かって来たそうです。目を通したところ、先ずは王女殿下の件を教えた事に対する礼が述べられ。


次いでドナンテル殿下及びノクシオ殿下に婚約者が出来たそうです。早いですね! おめでとうございます。婚約式も執り行っているようなので、正式な婚約者ですね。それと同時にノクシオ殿下が立太子される事が正式に決定されたそうです。近いうちに国内外に発表するとか。おおっ! おめでたい続きですね。ついては、私に立太子式に参列して欲しいとか。それは構いませんけど、立太子式って……3年後ですか。18歳ですね。……無事に18歳を迎えられますかね、私。


今から考えていても仕方ないですね。参列するつもりでいましょう。それから……


「あら」


呟いた私に側で控えていたデボラが反応したので、内容を話す。


「隣国の学園の女子寮にいた寮長さんを覚えてる?」


「もちろんです」


「あの方が長期休暇を利用してシオン帝国とシオン帝国学園……通称、魔法学園を案内して下さるそうよ。どうせ早めに出立して早めにシオン帝国に入るだろうから、案内役が居る方が良いだろうってノクシオ殿下に行動を読まれているわ、私。長期休暇が終わるまでには寮長さんは帰らなくてはならないけど、少しでも案内してもらうのは有り難いわよね」


苦笑しながらも、案内役が居てくれるのは心強い。寮長さんは魔法が使える魔術師なのだから、当然シオン帝国学園卒業生だものね。魔法が使える魔術師は少ない。少ないからこそ、魔法大国であるシオン帝国の学園には必ず入学し、卒業する事が魔術師の証。どんなにお金に困っている家でも、身分が平民でも、魔法が使えるのであれば魔術師として認められるように学園に入学し、卒業する必要がある。


ちなみに、そのためならばお金がないなら無償だし、あの帝国では魔術師は普通の貴族よりも身分が上になる。そういうお国柄。だからこそ魔法大国として他国にまで鳴り響いているのだから。魔術師の方に案内してもらう魔法大国と魔法学園。とても楽しみだわ。

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