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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
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2度目。ーー一筋縄では行かないとは思っていたけれど。・2

いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

さて、かなり指先に神経を集中させていたので両手の指が疲れましたね。特に右手は……元来左利きの私です。普段から右手を使うようにしていますが、こういう時ほど右手が疲れる事に気付きます。両手の指を曲げ伸ばししますが左手の方が動きが速い。……左手、使わないとダメかな。あまり左手を使いたくないのですが、まぁこの状況でそんな事を言ってはいられないですよね。自分の油断が招いた状況です。


溜め息を一つ落とした私は、気持ちを切り替えて髪の毛に手をやります。私は万が一何かあった時のために寝る時も髪を結い紐で縛っています。この紐はある程度の長さが無いと髪を纏めて結えない。つまり紐を解けばある程度の長さになるわけです。あまり使いたい手では無いですが、それこそ人の首を絞めるくらいの長さは有りますね。……まぁ綺麗事なんて言っていられませんから仕方ないです。気絶する寸前まで首を絞める事はあるかもしれないですし。まぁ武器としてならそんな感じですが、それだけじゃないですね。武器に使わないなら手っ取り早く足に引っ掛けて転ばせる手なんかもあります。こちらの方が有効でしょうね。


さて。結い紐を解き終えて今度は足ですね。こちらも自由にならないと動けませんから。足を自由にするより先に武器を手にしないと安心出来ないのは、一度死んだ経験があるからでしょう。逃げても逃げきれない事態に陥ってから武器を取ろうとしても、難しいものですからね。足を縛っている縄に手をかけた所で、足音が聞こえてきました。誰かが来たようです。


建物内にいる事は私も分かっています。ただ、夜なのか、それとも灯りの届かない場所なのか、暗いので目が慣れるまでは全体の把握が出来ていませんでした。手の縄を解く間に目が慣れて周囲を見渡せば、何もない部屋なのも既に分かっています。何もないんですよね。椅子一つ無い。私はただ部屋の床に転がされていただけ。まぁ何もないならそれはそれで障害物が無いので動きやすいですけどね。


その何もないこの部屋のおそらくは鍵がかかっているはずのドアの向こうから足音が聞こえてきたわけです。助けならば、ウチの影が足音を響かせるわけが有りませんので、おそらく敵さんでしょう。乱れの無い規則正しい足音というなら、焦りはないわけですからね。つまりこの部屋が何なのか知っている、というわけです。


真っ直ぐに聞こえてきた足音は、そのままこの部屋のドア前で止まりました。……さて寝ているべきか、起きているべきか。おそらく寝ている所に睡眠薬を嗅がされたと思われますから、寝たフリをしておきましょうか。まぁそんなに強い睡眠薬では無さそうだったらしく、眠気はないのが幸いですけど。痺れ薬だとしても、痺れが残っていないですし、まぁ薬の効果は切れてるのが幸いですね。


カチャカチャと鍵を開ける音がしています。寝たフリをしたまま、ドアが開くまで待っていました。


「なんだ、薬が強すぎたか。まだ寝ていやがる」


……知らない男の声。まぁコッネリ公爵が登場するとは思っていませんでしたし、私を攫ったのは男だとも思ってましたよ。だから知らない男なのは当然なんですけどね。ここまで予想通りだと、なんだか拍子抜けするんですよね。

で、この後私が寝ていると思って警戒心なく近づいて来たら笑えるんですけど、あなたはどういう行動を取るのでしょうね? 一つ言えるのは、見張りだかなんだか知りませんが、足音が一つしか無かったので、油断していると私に倒されますよ? という事でしょうか。

予告したように記念話を執筆するにあたり、アンケート実施します。本日午前中には活動報告に、アンケート実施タイトルで書きますので、ご覧下さい。期間も前回より長めにします。ご興味がある方はよろしくお願いします。

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