2度目。ーー久々に皆様のお顔を拝見しました。・2
いつも、お読み頂きまして、ありがとうございます。
「やっぱりケイトリンは、いいよね」
ノクシオ殿下の発言に「はぁ、ありがとうございます?」と疑問付きで礼を述べておく。何がいいよね、なのかさっぱりですからね。
「ケイトリンは、辺境伯当主を目指しているわけだろ?」
ドナンテル殿下の確認に「ええ、まぁ」と頷いておく。この方達の婚約者を辞退した6年前から、私の気持ちは変わらない。
「当主になれなかったらどうするのだ」
再びドナンテル殿下に問われてちょっと首を傾げる。それを考えた事がない、のではなく、何故そこまで私を気にするのか、という意味で。友人だからか。
「当主になった者を支えますよ。今回の件をご存知ならば男爵領も伯爵領に戻って来た事はご存知でしょう」
「まぁね」
ノクシオ殿下が頷く。それから「ああ、そういうこと」と得心がいった、という顔になった。……そう。ノクシオ殿下の読み通り、ただでさえ広い辺境の伯爵領に辺境の男爵領までも戻って来てしまったのだ。元々はセイスルート家で管理していたとはいえ、管理が大変だから領地を大まかに分割したというのに、今回の件で元通り。数百年ぶりにそうなってしまったので、責任持って管理しなくてはならない。
「つまり、ケイトリンは当主を目指すけれど、駄目でも広大な辺境領の一部を領地としてではなく、領主代理か何かで治める、或いは領地の見回りをする、ということか」
さすがノクシオ殿下。頭の回転が早いですね。説明しなくて済むので有り難い存在です。
「それは、当主になれなくても辺境領で生涯を終える、と?」
「そういうことになりますね」
ドナンテル殿下が分かりやすく尋ねていらしたので、肯定しておきます。そうです。当主は当然目標ですし、諦めるつもりは有りませんが、決定権はお父様に有ります。お父様が私以外を選んだ時には、元男爵領を代わりに治める等でも良いな、と考えています。
「結婚は嫁ではなく婿取りだな?」
ドナンテル殿下が更に確認しますが、何故食いつくのがそこなんですか。
「まぁそうなりますね。婿候補はおりますが未だお話出来ていない状態です」
ドナンテル殿下が驚いたように目を見開きました。何故です。
「婿候補がいる⁉︎」
「君は私達の筆頭婚約者候補者でしょう⁉︎」
あら。ノクシオ殿下も珍しく動揺されていますね。
「友人として、殿下方の婚約者候補者達を篩い落として、真に婚約者になれそうな方を見つけるために、私を筆頭の座に付けたのでは? 別に私が選別するわけではないでしょうが、私を基準にして、或いは私に対する言動を見て、選別するのでしょう? それに、コッネリ公爵の動きも読めないからこそ、警戒出来る私を筆頭の座に付けたのでは?」
私が引き受けた理由は、そういう事だろう。と推察してのものだったのだけど、ドナンテル殿下もノクシオ殿下も顳顬を押さえてます。えっ。2人共唐突に頭痛が始まったのですか? タイミング一緒って随分仲良しですよね。
取り敢えず私は、お2人にお茶を飲んで落ち着きましょう、と促した。ついでに甘いものを食べて少し気分を落ち着ければ、頭痛も和らぐかもしれません。そんなわけで、大皿に乗っているチョコレートを2人の前にある小皿へ乗せておくことにしました。2人共、そんな私を顳顬を押さえながら眺めてますけど、頭痛が酷いのに私の一挙一動に注目する必要なんて無いと思いますよ? 私の行動で頭痛が紛れるわけないでしょ。
そんなことを思いながらも、私も自分の小皿にチョコレートを乗せて口に放り込みます。前世で言うハイミルク的な甘さなので、ミルクかビターくらいが好ましいな、と思いながらも、口の中で溶ける甘さに、チョコレート好きの私は無意識に口元が綻びました。
そんな私を殿下方が注目している事に気付かず、私はもう一つチョコレートを口に放り込みました。
気づいたら150話でした。
これだけ書いても終わらなくてすみません。飽きた、とか、中々進まなくてイライラする、とか、そういった方もいらっしゃるでしょう。謝ります。
引き続き読んで下さる皆様には、感謝の意を表します。クリスマス小話でお礼になれば良いのですが。




