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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎
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2度目。ーーだから、反省の意味とはなんでしょうねぇ?意味を考えて実行してくれ。・2

「お母様までそのようなひどい事を仰るなんて……」


なんだか随分ショックを受けていらっしゃるようですが、お姉様。今回の一件を結局大丈夫とか言っちゃう時点で、アウトだと気付いて下さいよ……。被害が無かったのは、早めに気付いて対処したからに過ぎません。


隣国との小競り合いの一件、エルネン伯爵が裏にいたって言っても、実際に隣国との橋渡し役が居ないと計画は“絵に描いた餅”だったわけで。

当然、その橋渡し役を担っていたのが、アウドラ男爵とバートンだったに決まっているじゃないですか! そこまで証拠が有ったからこそ、アウドラ男爵一家を捕らえたんです! おそらく隣国との小競り合いを隠れ蓑に、セイスルート家に反旗を翻しウチを壊滅させようとした。それがバートンの考えでしょう。……という事を、何故お姉様は結局大丈夫だったって思うんですかね⁉︎


「あなたはお父様がアウドラ男爵一家を罰していた事を、大した事がない事態だと思っていたの? 何を聞いていたのですか?」


お母様が静かに問いかける。お姉様は「ええと」と言葉を詰まらせた。あー、やっぱり理解出来ていなかったんですね。でもお母様は追及の手を緩めない。


「何も無かった、のは、お茶会でケイトリンがエルネン伯爵令嬢の言動を不審に思ったからに他なりません。それ故にエルネン伯爵家が、アウドラ男爵家と手を組み、隣国と我がセイスルート家が小競り合いを起こすことに因って、その小競り合いの責を取らせるか、或いはアウドラ男爵……いえ、バートンは我がセイスルート家にとって変わろうとしたのでしょう。だからこそ、キャスベル。あなたは婚約解消させられたのですから」


あら、お母様。きちんと今回の一件を理解されてましたね。


「……えっ? だから? 私が勉強出来ないからじゃなくて?」


「あなたが病弱を盾に性格が我儘になっている事も、病弱を盾に勉強をしてこなかった事も婚約解消の原因です。それは確か。それに加えて、バートンの野心を叶えるために、バートンはあなたとの婚約を解消した。それはあなたの性格が我儘なこと、勉強があまりにも出来ないことを疎んじたからでしょうね。そう言っていたのに、あなたはバートンを好きだと言いながらもバートンが話していることを何も理解していないでは有りませんか。それは、バートンを好きなのではなく、婚約を解消された自分を哀れんでいるだけに過ぎません」


意外でした。お母様がそこまで仰るなんて。お姉様可愛さにさすがに、自分を哀れんでいるだけなんて言葉は言わないと思っていましたので。……きちんと、母として間違った愛情で接したこと。辺境伯家の子を持つ母として間違った子育てだったと思ったのですね。


そうでなくては、お姉様に酷な現実を突き付けられないですもの。お姉様、お母様にここまで説明されたんです。そして自分が一番だという考え方を、それこそ悲劇のヒロイン的な思考を窘められたんです。理解してもらえたでしょうか?


「お母様……ひどい。ひどすぎます。そんな、バートンと私の愛を疑うばかりか、バートンが悪者のような……バートンはきっと、私の婚約者でいることにプレッシャーを感じて、だから早まったことをしただけで、別に我が家にとって変わろうとかそんな事を考えたわけじゃなくて。それなのに、私を我儘とか勉強が出来ないとか、お母様が、私を身体が弱いから別に出来なくても良いって言ったんじゃないですか! それなのに……」


あー。お母様、典型的な甘やかしダメ母ですね。お姉様に責められるお母様は、グッと何かを堪えたような表情をした後、お父様を見ました。


「そうです。私が間違っていたわ。だから。あなた。キャスベルと私を別々の修道院に入れて下さいませ」


そうしてそんな爆弾発言をかまして下さいました。……お母様、随分飛躍した決意ですね。

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