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春日部てんこの異世界器用貧乏  作者: O.K.Applefield
4章
36/215

4-2


 私達はエドガーさんからの手紙を持って、王都に向かって歩き始めた。

 王都まではゆっくり歩いて七日くらいかかるらしい。

 村に帰る道とは途中で別れ、南寄りの街道を進む。

 村の人達とは途中まで一緒に行き、分かれる。

 村の人達は怪我人は何人か出たものの、命を落とした人はいなかった。

 王都に行った後はカレンも私達の山小屋で一緒に暮らすことにした。

 弓が使えるし、狩猟・解体のスキルもあるようなので、私と一緒に狩りをしてもらおう。

 森の獲物が足りなくなるかもしれないが、その分は畑を増やすなりして補えばよい。

 取り敢えずは、エドガーさんからと領主からの報酬が貰えれば、当面苦労することも無いだろう。

 部屋は二つしかないから、リーナと相部屋という事になる。

 私だけ一人部屋なのは申し訳ないが、元は私が貰った小屋だし、二人は元々仲がいいみたいだから、いいでしょ。

 私が長時間誰かと一緒にいると疲れると言うのもあるが。


 山道や川を越え、収穫間近の麦畑や村、街を幾つも通り抜けて歩いて行く。

 来るときは戦争に駆り出されてドナドナみたいな気分だったけど、今は自分の意志で自由に進んでいると思うと、同じ景色でも見ていて嬉しく思える。

 夜はなるべく宿屋に泊るが、報酬の換金がまだで手持ちの現金が少し心許なくなってきたから、食事は可能な限り自炊にした。

 国境で解散した時に余っていた麦を少し分けてもらえたし、元から持っていたお肉、道端に生えている食べられる野草をなんかを料理する。

 食材が足りなくなったら、途中の街などで買い足してもいい。

 食堂や出来合いのものよりは自炊する分節約にはなる。

 この時期になると、道から少し外れた森の中に山ぶどうやアケビなんかが有るので、見つけたらおやつ代わりに食べる。

「あ、アケビの皮は捨てないでね。後で炒めて食べるから」

「へえ、これも食べられるの?」

「ちょっと苦いけど食べられるよ」

 あと、意外なことにリーナが釣りのスキルを持っていたので、途中に川が有った時に釣りをしてみた。

 釣り竿は無いが、釣り針と糸を転生時の初期装備として貰っていた。

 川岸の岩の下に居る虫を捕まえて、餌として針にかけて糸の端を手で持って川面に落とすやり方だ。

「うおー、虫キモイ、虫キモイ」

 リーナはそう叫びながら虫を付ける。

 スキルを持っていたとしても生理的に嫌なものは嫌らしい。

 私が出来ないことも無いけど、スキルを持っているのはリーナなので彼女にやって貰おう。

 カレンは岩をひっくり返した時点で遠くに逃げていた。

 鹿とか兎とかを狩る時間は無いが、釣りならちょっとした休憩時間で出来るので、たまにやって数匹釣れることもあった。

 木の枝に刺して焼いて食べる。

 気を付けなければいけないのは、そこら辺に生えている木の枝だがたまに毒術スキルで見たら毒が有るものが有ったので、魚を刺すだけの物だとしても、ちゃんと選ばないといけない。


 なんやかんややりながら私達は王都に到着した。

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