かぐやルート15
「大丈夫っすか!?」
金剛の声で俺の意識がハッキリする。
「ざーんねん」
天はクスリと微笑むと俺から離れる。
「金剛くんじゃん。先輩を迎えに来たの?」
「ん? 二階堂か? ああ、先輩が倒れたって聞いて」
「そうなんだ。でも、もう大丈夫そうだよ。じゃあ私は行くね。また明日」
「おう、ありがとうな」
親しいのか、互いに言葉を交わして別れる天と金剛の二人。
「知り合いなの?」
「え、あー、クラスが同じなんで顔と名前ぐらいは。そんなことより本当に平気なんすか?」
「ああ、もう平気。というか、どうして金剛が? 呼びに行ってもらったのは麻衣だったんだけど」
「あー、それはーー」
「ちょっと金剛くん!」
遅れて保健室に来たのは麻衣とさくらちゃんだった。
「何で先に行っちゃうかな?」
「す、すみません。いてもたってもいられなくて」
ご立腹の麻衣に頭を下げる金剛という奇妙な構図。
二人ともいつの間に仲良くなったんだ?
「りっちゃ~ん」
さくらちゃんが泣きじゃくりながら抱きついてくる。
本当に俺の彼女は子供っぽいな。
ま、そこが可愛いんだけど。
「急に倒れたって聞いたけど、具合でも悪かったの?」
金剛への説教を切り上げた麻衣。
その表情は何処か辛そうだ。
可愛い妹も不安にさせてしまった。
お姉ちゃん失格だな。
でも、すぐに来てくれて嬉しくもある。
「もう平気だよ。でもちょっと不安だったから一緒に帰りたいと思って。部活は大丈夫だった?」
「うん。説明してきたからね。お姉ちゃんのことが大事だし」
「ふふっ。ありがとう。ほら、いつまでも泣いてないの」
なかなか泣き止まないさくらちゃんの涙を指で拭う。
「皆来てくれたし帰ろう?」
「……うん」
さくらちゃんが離れたので俺はベットから起き上がる。
「俺がおぶりましょうか?」
「え、いや良いよ」
男として何か恥ずかしいし。
「病人なんだから無理しないの。こういうときこそ男子を使わないと」
「そうっすよ」
「じゃあ、お願いしようかな」
俺は苦笑する。
人を心配させておいて我儘は言えないしな。
俺は金剛におんぶされて保健室を出た。




