かぐやルート3
「何だったんだいったい?」
いつも通りの四人での昼食。
俺は先程のことを口にする。
「八重橋さんは、相島さんをライバル視してるからね」
矢沢さんが苦笑する。
「何で?」
「そりゃあ相島さんが完璧だからね。勉強も運動も出来て。八重橋さんも一番が好きな人だから、一年のときは定期テストとか、行事がある度に張り合ってたんだよ」
さも、面白そうに笑う友野。
こいつ絶対に楽しんでやがる。
「じゃあ約束について知ってる?」
「約束?」
友野たちは互いに顔を見合わせる。
「知らないな。二人だけの約束なんじゃないかな」
「なるほど……」
ということは、かぐや本人に訊かないと約束が分からないな。
でも、かぐやは隣のクラスだからタイミングをみないと。
「あ、そうだ! 相島さん、放課後ひま?」
「え、あー暇だと思うけど」
「ならさ、私と凪と相島さんの三人でゲーセン行かない?」
「ホントに!? 行く行く!」
そういえばこの世界に来てからゲーセンに行ったことがなかった。
久し振りに全力で遊びたい。
「良かったな、凪!」
「うん」
「あれ、俺は?」
「男子禁制に決まってるだろ、バーカ」
「嘘でしょ!?」
矢沢さんに冷たくされてショックを受ける友野に俺と兵藤さんはクスリと笑う。
「でも、なんか相島さんが近くに感じるな~」
矢沢さんが嬉しそうににっと笑う。
「今まではずっと高嶺の花で、さ。話すことも出来なかったのに実は結構親しみやすくて良かった」
「……そうか」
相島 立花が冷たい態度をとっていたのは、さくらちゃんを自分に近付かせないためだった。
それでさくらちゃんを守っていた。
だけどさくらちゃんとの仲を取り戻せた今は必要ないだろう。
この身体を相島 立花に返すならたくさんの友達を作ってやらないとな。
彼女が我慢してたことを俺が叶えてやる。
「そういえば、相島さん。神崎さんとどうなったの?」
「どうって?」
友野の質問に俺は首を傾げる。
「付き合うことになったの?」
「「えッ!?」」
矢沢さんと兵藤さんが目を丸くして顔を真っ赤にする。
「え、相島さんって神崎さんとそういう仲なの……?」
「あ、まあ、うん」
直接訊かれると急に気恥ずかしくなった。
でも隠すことでもないし。
「相島さん!」
「おおう」
身を乗り出してきたのは、まさかの兵藤さんだった。
普段、大人しいので驚いた。
「く、詳しく訊いても良いかな? そのー馴れ初めとか、二人でどういうことをしてるのか、とか」
「え、良いけど。兵藤さんって恋バナ好き?」
「あ、えと、そ、それは」
「漫画の参考にしたいんだよな!」
「て、照ちゃん!?」
え、何?
兵藤さんってイラスト描けて漫画も描けるのか。
神やん。
「あ、あのね。ネットで二、三ページの本当に落書きみたいなのを投稿してたんだけどね。こ、恋にまつわるお話が描きたくて……」
「なるほどね。分かった! 私で良ければ協力するよ!」
「ありがとう、相島さん!」
出来たらあとで見せてもらおう!




