さくらルート25
……悪戯しちゃうか。
「はむ」
俺は目の前にあったさくらちゃんの耳朶を甘噛みする。
「ひゃん……!」
ビクンとさくらちゃんが反応して俺にしがみつく。
「……はむ」
「あっ、ん……」
声を我慢しようと必死に口をつぐむさくらちゃん。
可愛いな~。
でもこれ以上は不味いかな。
でも、さくらちゃんも同意してくれそうだしな~。
……どうしよっかな~。
確かこういうのエロ同人で見たことあるぞ。
え、やってみちゃう?
やっちゃうか。
……何かスゲエ、ドキドキしてきた。
一回だけなら良いかな。
俺の右手はさくらちゃんの強張る頬に触れ、親指で彼女の唇を撫でる。
その唇は固く閉ざされているから解していくように指先を動かす。
「ん……んう。あっ」
とろんと溶けた瞳のさくらちゃんが熱い呼吸と共に小さく口を開く。
そこに俺の親指が侵入する。
「ダ、んっ」
抵抗しようとしているんだろう。
さくらちゃんの温かい舌が俺の親指を追い出そうと動く。
だが、俺には逆効果だ。
完全に興奮している俺は彼女の舌を優しく撫でてやる。
ガリっと親指が噛まれる。
しかしアドレナリンとは凄いもので痛みを感じない。
それどころかもっと虐めたいと思ってしまう。
これだから男は最悪だ。
欲望に忠実で嗜虐的で。
いや、これは俺が変態なだけか。
「ダメだよ、さくらちゃん。おいたは、メッ」
俺が囁くと歯がゆっくりと俺を解放する。
取り出した親指は皮膚が破れて血が滲んでいた。さくらちゃんの舌にも赤い滴が垂れている。それがとても艶かしく見える。
ドクリ、と心臓が強く脈打つ。
頭がボーッとしてくる。
潤んで見上げてくる瞳は俺の命令を求めているように感じる。
俺が言えばさくらちゃんは何でもしてくれる。
服も下着もその先も。
男だったら逮捕ものだが、この身体なら容易く一線を越えられる。
だって犯罪になんてなりはしない。
さくらちゃんの大好きな相島 立花は俺なんだから。
「さくらちゃん」
「うん……」
「ちゃんと服を着なさい」
俺はさくらちゃんのブラウスのボタンを閉めていく。
「りっちゃん?」
呆けるさくらちゃんは幼子のように俺にされるがままだ。
「ほら、リボンを拾って」
「は、はい」
素直に従ったさくらちゃんに手渡されたリボン。
「う~ん。自分では結べるけど相手のは難しいな。まあ、あとは帰るだけだから良いか。はい、完成」
俺は歪に結んだリボンを軽く叩く。
そして最後に頬にキス。
「りっちゃん、口にしてくれないの?」
頬を染めながら拗ねて唇を尖らせるさくらちゃん。
「そんなことをしたら私はさくらちゃんを壊しちゃう。だから我慢してるの」
今は女の身体とはいえ、この想いを衝動的に伝えたら暴力になってしまう。
気持ちが落ち着いてから改めてが最良だろう。
「……私は良いもん」
「私が嫌なの。だからこれで許して」
俺は自分の人差し指にキスするとそれをさくらちゃんの唇に当てる。
いわゆる間接キスだ。
「……けち」
……可愛い過ぎんだろ。




