さくらルート12
俺は名残惜しいと思いながらもさくらちゃんの肩を軽く押した。
「ご、ごめんね。急にキスなんかして。さすがに嫌だったよね」
俺が涙を溢したからだろう。さくらちゃんはとても辛そうな苦笑をする。
「違うよ。嫌なわけがない。だけど、だけど……! さくらちゃんは私の親友だから! 幸せな恋をしてほしいから! さくらちゃんの隣に居るべきなのは私じゃない。金剛だよ!」
俺の口からは堰を切ったかのように言葉が吐き出される。
「どうしてまたそんなことを言うの? 私が好きなのは他でもない、りっちゃんなんだよ?」
それは分かっている。だけどーー
「金剛からラブレター貰ったとき、さくらちゃんは嬉しそうに笑ってた。だからきっと金剛は良い奴なんだ。さくらちゃんにはそういう人と幸せになってもらいたい」
「ラブレター? 何のこと?」
わけが分からない、とさくらちゃんは困惑する。
「一昨日貰ってた手紙だよ。ほら、金剛と二人きりのとき」
「手紙? え、違うよ!? あれはりっちゃん宛の手紙だよ!」
「……へ?」
さくらちゃんは俺の膝から下りると階段を上がって自室に行き、例の手紙を持ってきてくれた。
「ほら!」
受け取ったのは間違いなく、あのときに見たラブレターだ。
だが、宛名はさくらちゃんではなくーー
「マジかよ」
相島 立花だった。




