日常パート1
今日も今日とて俺は学生の本分を果たすために学校に来ている。
まあ、ほとんどラノベを読んで授業を適当にしているが。
「相島さん、相島さん! 昼食べようよ!」
昨日と同じく、矢沢さんが兵藤さんと一緒に俺の机に来てくれた。
ということはーー
「友野、机」
「へいへい。困ったお嬢様だ」
半ば呆れ気味に友野が机を合わせてくれる。
「あ、友野ずり~ぞ」
「そうだ! そうだ! 女子に囲まれやがって!」
「ははは! 俺は勝ち組だからな!」
クラスメイトの男子に茶化された友野はドヤ顔で返す。
「いや、私は友野をそういう目で見れないわ~」
「酷くない!?」
うへーと引いた表情を見せる矢沢さんにさすがの友野もショックを受ける。
「さて、ご飯ご飯」
今日の弁当は男性用の大きい容器で中身も俺が好きなもので埋まったボリュームのあるものだ。
さっそくいただくとしよう。
「そういえばさ。相島さんはいつも何の漫画読んでるの?」
矢沢さんの唐突な質問に俺は首を傾げる。
「私、漫画読んでたっけ?」
「あれ? でも朝も読んでたよね? 何か女の子が表紙の」
「ああ!」
俺はやっと意味が分かった。
机の中からそれを取り出す。
「ラノベだよ。ライトノベル。表紙は漫画っぽいけど小説」
「ああ、そうなんだ! へえー、よく小説なんか読めるね。私なんか文字見ただけで眠くなるし」
「照ちゃん、さっき国語の授業で居眠りして怒られてたもんね」
兵藤さんが口を押さえてクスリと笑う。
「まあ、確かに授業のやつはね。でも、慣れれば面白いよ」
「そうかな~?」
俺の言葉に頭を掻く矢沢さん。
よほど活字が嫌いらしい。
「そのイラスト、見たことあるかも」
食いついたのは以外にも兵藤さんの方だった。
「ん? 兵藤さんってイラストレーターとか詳しいの?」
友野も同じことを思ったようだ。
「え、あ、えーと」
「凪、絵を描くの好きだもんね。この前もノートに落書きしてた」
「て、照ちゃん! それは内緒にしててよ……」
耳まで真っ赤にしてわたわたと慌てる兵藤さん。
うん、実に可愛い。そしてその絵を見てみたい。
「絵はちょっと手持ち無沙汰になったときに描いてるだけで。そんな上手じゃないし」
「いや、絵が描けるのは素晴らしいと思う。兵藤さんの才能だね。私、絵心壊滅的だし」
二次元が好きなら一度だって思うこと。
美少女の虹絵を描きたい!
描いて一人でその可愛さに悶絶したい!
だが、悲しいかな。
俺は描けん。
悪いか!
「今度、良かったら見せてよ」
「え、う、うん。でも、面白くないよ?」
「私は見たい! お願いします!」
弁当を持っての懇願に兵藤さんは恥ずかしげに笑った。




