表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/74

私、もうこの隊のお荷物なんかじゃない!

白銀の槍(アルジェント・スピア)》を持つ、覇滅龍きってのお調子者にして、戦闘狂の男、ザック・レスタロスが選んだ相手は、涅槃の吸血鬼、リグルス・ブラッドだった。


彼らはエゼル達のいる街中から少しズレた位置に移動すると、ニヤリと微笑んで戦闘の態勢へ移行を。



「……俺はテメェみたいなふざけた奴と遊んでる暇は……ねェんだ!!」


「へぇ〜?

なら、早く倒さないとねぃ!」


ザックの放った《白銀の槍(アルジェント・スピア)》は空中で円を描くように加速し、リグルスへ追尾する攻撃を仕掛けよう。

真っ直ぐに直線で飛んでくる槍を一度は避けるも、避けた瞬間。


「そらぁぁぁぃ!

俺もいんだよ、バーカ!」


ザックの蹴りがリグルスの背中に放たれるも、持ち前の反射神経でクルリと回転し、折り曲げた腕で防御を。



「チッ、反応速度も良いなお前!!

なかなか楽しめそうじゃん!!


なら、これは?


白銀の槍(アルジェント・スピア)形態変更(フォームチェンジ)TYPE:(ソード)!!」


ザックの言葉に合わせて、白銀の槍は姿を変えた。今度は宙に浮く、鋭利な剣へ。



「何が変わったんだよ!?

槍から剣じゃ、一気にリーチが損だろ!」



空中を浮遊する《白銀の剣(アルジェント・ソード)》を視界に捉えながら、余った視野でザックへの警戒も怠らないリグルスは、呆れたように言った。



「俺様の特注武器、《白銀の武器(アルジェント・アルマ)》は七種の武器に形態変化(フォームチェンジ)することを可能とし、其々の形態によって特殊な能力が一つだけ付与されるようになってんだぃ!!


この剣から逃れる奴は一人としていない…!」



白銀の剣は、先程の槍と同じように円を描いた軌道で真っ直ぐ加速しながらリグルスの方へと飛んできた。



「……危ねえ!!

槍よりは早い気がするが、何が違うんだ!?まるでわからない…」


剣が槍よりも早い速度で飛んでいることを確認し、さっきよりも早いタイミングで回避行動をとると、リグルスの服の袖を微かに鉾が抉い、布の破片が地面に落ちる。



「ここでバカは退け切った!って思うんだよなあ、はははははっ!!


避けられないんだよねぃ!」



剣はザックの言葉ではなく、自分自身の力で形態変化し、無数のナイフに変化した。

それが、回避をし、ガラ空きになった背中へと無数に降り注ぐのだからリグルスは避ける暇も与えられずーー


グサグサグサッッ!!

無数のナイフが彼の背中に突き刺さり、

地面にうつ伏せで倒れ込んでしまった。



「ふむ、良くやったよぃ。

お前はこのザック様に形態変化を使わせただけで良くやったぃ!


だから後は大人し……ッッ!!」


ザックは血だらけのリグルスに歩み寄り、

トドメを刺そうとした瞬間に血相を変えて、蒼ざめた。

ザックの腹部に緋色の血液で作られた大剣が突き刺さったのだ。


「……なッッ!!」


口から大量の血液を流しながら、ザックは目の前の血塗れの倒れている男に視線を移し、覚束ない身体を無理矢理使いざまにトドメだけでも!と、持っていた刀を彼の背中に突き刺した。


ーーが、それは全く意味のない行動。



「……血液操作(ブラッディ・オペレーション)。俺の体内から放出された血液、または俺が触れた血液を意のままに操る。


だから、こんな風にテメェに背中を刺されて……身体中、穴だらけになろうが!!


俺は血液さえあれば、甦るんだよ」



背中に剣が刺さったまま、リグルスは立ち上がり、拳を握りしめて大きく振りかぶる。


「ひぃぃぃぃ!!!

や、やめてくれぃ!」


ザックの声は彼には届かない。

全力で放たれた拳はザックの顔面を直撃し、歯をも折って近くの家ごとめり込ませ、破壊した。



「手間取らせやがって、ザックじゃなくて雑魚にでも改名しとけ、雑魚野郎!」



リグルスは、中心部の方に向かって足を踏み出すーーも、彼も限界に近かったようで、近くの壁に倒れ込んだ。



「はあ…はあ…全員負けんなよ…!!

ここで死なれたら俺が罪悪感に殺されちまう……!!」



ーーその頃、チトと魔術師の女性は。



「な、なんで!!!

私の魔法が!杖の効果までもが通用しないの!?


あんたのその白く光った瞳は何!!」


チトの天使の眼(エンジェル・アイ)は常時稼働型の異能力故に、彼女が魔法を振るっても、それを目に捉えて仕舞えばーー消滅。


最初から調子に乗って、複数の高位魔法を唱えまくって一斉に放ったのだが、彼女の思惑は外れてしまった。


魔法が一斉に消滅したのだ。


今回の彼女の敗因は間違い無く、選択のミスだ。

魔法や異能が一切効かない彼女へ、魔法や異能でしか攻撃できない人物が挑んだら、どうなるのかは誰でも分かる。



「もう、お荷物なんて思わせない!!」


「な、何を!!」


瞬発力がやや高めのチトは、魔術師の女性めがけて地面を蹴り、瞬発的に間合いを詰めた。

そして、左足を大きく上げて彼女の右足を踏みつけると、そこから右、左のストレートの殴打を続け、最後に!!


と言わんばかりに、力を込めた右ハイキックを彼女の顔面に喰らわすと、何処か遠くまで吹っ飛ばした。



「……やったよ、サディさん!

私、もうこの隊のお荷物なんかじゃない!」


彼女の瞳は光沢のある桃色に戻り、

彼女もまた来た道を戻ろうと、蹴り飛ばした時の足に残る痛みを抑えて中心部へ向かったのだった。



ーーそして、サディとキルスは。

ガスマスクの男に苦戦を強いられていた、二人と一人の人数さはあるが、何せサディとキルスは連携を取ったことがない。


彼らは自分達の絆を信じてみることにしたようで、キルスは次の行動に出る。



「こいつ…私の催眠術(ピプノティズム)が効かないと思ったら、体が機械なのね。


つまり、ガスマスクを取って顔に鞭を当てれば、勝ち!!ほら、童貞!

さっさとなさい!!」



「うるせえ!!

俺様のカッコよすぎる力に惚れ惚れしやがれ!このガスマスク男ォォ!!」


キルスが振り下ろした金棒は惜しくもガスマスク男には届かない。

が、彼の狙いは間違いなくそこにあった。


金棒での攻撃は回避への誘導に過ぎず、彼が努力によって掴み取った乗せられる重力の威力はシード戦の時よりも遥かに上だ。




回避行動をしたガスマスク男にのし掛かるキルスの最大馬力で紡ぐ重力の応酬は、彼を地面と一体化させるばかりに潰した。

重力の重みにガスマスクが音を立てて壊れ、素顔があらわになった瞬間。


サディがすかさず、催眠術(ピプノティズム)を纏った鞭で顔面を叩いた。


「童貞、オッケーよ。

これで私の支配下だわ…!!」


「ナイス連携だったな、俺ら初にしては上出来すぎじゃね?!」


ガスマスクが割れた男は地面に四つん這いになって、サディの椅子となった。

そこで暫く休憩だけすると、彼らは中心部に戻ろうと歩みを始めた。


遅れてすいません。

人物紹介の方はかなり時間がかかりそうなのでゆっくり執筆して投稿させていただきます。

ブクマ増えまして、感激しております。

本当に、ありがとうございます!!


また、ブクマと感想、採点の方もお待ちしております。


楽しい作品にしていけたらなと!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ