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魔闘演戯、本戦開幕!!


ーー本戦当日ーー

教員含め、守十刻(ジャッジメント)のお偉い方の挨拶が終わり、長い長い学園長の棒読み挨拶が終わってからに、彼女はマイクを片手に大きい声を上げた。



「それでは!!今回もやって参りました!

年に一度のビッグイベント、魔闘演戯の本戦、開幕です!!」


カルラの大きな声で紡がれるアナウンスと共に幕を開けた魔闘演戯本戦。

次にカルラの横に座っている少年は高らかに声を上げた。



「この俺様のカッコいい姿に見惚れすんなよ!女共!

実況はこの俺様、最強で無敵のイケメン様、キルス・エーベルヴァイトとーー」


「カルラ・イングラディッチでお送りします!!みんな、楽しんでってねー!」


実況者の自己紹介は、キルスの元へ空のペットボトルなどのゴミがぶつけられていることを除けば華麗に決まったであろう。


「選手登場の前に!!簡単に本戦だけの規定説明を行うよ!


えーとね、シード戦同様、ステージ上には巨大な防壁を貼らせてもらいます!!これで観客席へのとばっちりは心配ないね!!


後は、選手の防壁だけど、本戦では再起不能になるまで、が基本規定だよ。

ので、選手の方々はくれぐれも怪我のないように!とは言えないので、頑張ってください!!」


カルラの高らかな説明は容易に終わった。



この日、本戦が行われている会場は凡そ1000人が入るほどの巨大なスタジアムで上から見れば七角形の形状で構築されており、

七角あるうちの対になる辺に入り口を。

真ん中を主体として試合会場という構成で、観客席は斜め上へ積み重なるように創り上げられている。


真夏のように直射で当たる日光が眩しい程、今日の天気というものは晴天だ。




「それでは、登場していただきましょう!」



観客席から湧き上がる熱と歓声、晴天の下、太陽が浴びせる熱とで会場のボルテージは常に最高を超えていた。



「Aブロック優勝、涅槃随一の光魔法の使い手にして《光帝》の名を持つ、前大会の準優勝者、エト・アルカディナ選手です!!」


彼女のアナウンスと共に白い蒸気が彼の歩みを遮ることはあり得なく、彼は登場した。

金色の髪をいつになく煌めかせ、その真剣な面持ちは普段のエトを連想させ得ない。



「今回は優勝するよ。

俺が涅槃で最強になってやる!」


彼の言葉は観客席を超えて、他選手の闘志までをも熱くさせた。

その様子を見て、やれやれと首を横に傾けたカルラは次の選手の紹介に移った。




「Bブロック優勝、シード戦初戦から敵と観客をも欺き、驚きの方法で敵を倒してきた、黒闇からの猛攻を二度も防いだ今大会随一のダークホース!エゼル・シスタ選手です!」


アナウンスと共に歩みを進めて、エトの隣に立ったエゼルは彼へ宣戦布告を紡ぐ。



「僕は、夢を叶えるために。

この大会で必ず優勝を決めます!!」



この時点で負けず嫌いのエトの顔が引きつっていたことはカルラ以外は気づいていないだろう。



「同じく、Bブロック優勝、男の大切な場所を簡単に踏みにじる彼女こそ、涅槃随一の女王様!男を椅子にし、男を踏み台にする!

サディ・エスティック選手です!」


ド派手な衣装を簡単にも着こなし、黒いヒールの音を会場中に響かせる彼女は高らかに、セリフを吐き捨てた。


「そこの優勝宣言を高らかにしているお馬鹿…お二方と張り合いたくはないので、私は自分のベストで玉を叩き潰していこうと思います!」


その台詞で会場中の男の股間に寒気が走った瞬間は男にしか分からない。



「同じくBブロック優勝!

生ける伝説の種族、吸血鬼にして、涅槃の強者(ニルヴァリン)のセルシア・ブラッド様の実の弟!

その手に携えた吸血王は何者をもの血を吸い尽くす!リグルス・ブラッド選手です!」



優雅に余韻を持ってしたり顔で出てきたリグルスは足に嫌な予感を感じ取ると、次の瞬間、視界は歩いていた床に切り替わり、大きな音を立てて派手に転んだ。


シーンとなる会場に、「この空気どうすんだよ!」という気持ちの中で再度立ち上がると、自分の場所へ立って一言。



「本戦に立てるなんて光栄極まりねえけど、頑張るわ!応援よろしくお願いするぜ!」


「「「当たり前のように一言言った!?」」」


会場中が思った。



「続いて、Cブロック優勝!

前大会の優勝者にして、《阿修羅》の異名を持つ、涅槃最強の召喚士、ルナール・ディネーチェ選手です!!」


歩いて出てくるは、その場にいた全員が察した。カンに触る妙な悪寒と、凄まじく強大な力が取り巻いている状態。

ルナールはそのまま何も言わず、自分の場所へ立って、ただ前を見続けた。



この様子には観客席側を何かを感じ取ったように静まり返り、次の瞬間には元気を取り戻したかのように会場を盛り上げようと声援を飛ばした。



「続いて、Dブロック優勝!

繊細で、美しい体術は敵も観客席をも魅了する。経歴不明のダークホース、α(アルファ)選手です!!」


下面を被った彼女は出てくるなり、ぺこりとお辞儀をして何も言わずに自分の立ち位置に立った。




「続いて、Eブロック優勝!灼熱の業火より生まれし伝説の騎士!人間の姿になっても最強種族は伊達じゃない!炎龍(サラマンダー)の異名を持つ、イグニール・ナイトヘッジ選手です!!」


赤い鎧を全身に身につけ、巨大な大剣を背中に挿す、眼力の強い男が入り口から歩いてきた。

自分の立ち位置に立つと、剣を抜いて一言。



「誰が相手であろうと容赦はしない。私の業火で灼かれたいヤツはどいつだ?」


「キャァァァ」っと観客席からは女性客からの凄まじい声援が送られてきた。

イグニールは、《朧憑夜(ハウント・ナイト)》の総合序列三位の人気者だ。

男からの人気もあるが、圧倒的な女性人気は計り知れない。



「イグニール様かっこいい………ハッ!



き、き、気を取り直してお次は最後にEブロック優勝!

涅槃では珍しい身体能力施術(アルク)の会得者にして《妖聖隷(フェアリーズ・エデン)》の管理人を務める!ニア・クルト選手です!」



カルラのアナウンスで出てきた彼は手を振りながら笑顔で自分の立ち位置に立つと、横に立っているイグニールに笑顔で一言。



「《朧憑夜(ハウント・ナイト)》での借り…返してもらうよ!!

今日は俺が君を倒すから!」


……というのも、元々総合序列三位だったのはニアで、ココ最近のイグニールの人気急上昇のお陰か、現在は四位にランクダウンしたのである。


イグニールは笑いながら答える。



「ふっ、そんなことはどうでもいいだろう。

そんなことより、貴様が俺に勝てるわけがない。まあ、楽しみにしておこう!」



ーーと。


全ての参加選手が出揃ったところで、実況者はキルスに変わりーー



「では!!トーナメントを発表するぜ!


第一回戦は、

リグルス・ブラッド VS ルナール・ディネーチェ


第二回戦は、

エゼル・シスタ VS イグニール・ナイトヘッジ


第三回戦は、

アルファ VS サディ・エスティック


第四回戦は、

エト・アルカディナ VS ニア・クルト


だぁぁぁ!!!」



その場の全員の覚悟が決まった。


いよいよ、本戦開幕!!


この時、この本戦で再び現れる黒闇の猛攻に押し潰されようとは誰も予想だにしなかっただろう。


毎日投稿を心掛けていきたいです!

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