第18話 雅城!爆誕!!①
「結構集まったな。もう使った以上に集まったんじゃねぇか?」
「そうですね。多分集まったと思います」
俺たちは一時間ほど探索をして、拠点に戻ってきていた。
採集は結構捗った。
目の前にはかなりの量のアイテムがある。
全て今日集めてきたものだ。
中には土やら草やらでほんとにこれがアイテムなのか俺では判断できないものも多かった。
今の俺ではダンジョンの一部とアイテムとの違いがわからない。
だが、ドロップアイテムかどうかは結構簡単に判断できる。
生産職の刀夜さんや雅なんかは生産スキルの対象かどうかで判断できるみたいだ。
そうして調べた結果、全てがドロップアイテムで間違いないそうだ。
これを売るだけでも一財産築けるらしい。
Cランクダンジョンはかなり儲かるんだな。
「朱莉ちゃんは優秀だな」
「そうなんですか?」
「あぁ。俺じゃ見つけられないレベルの採集ポイントまで見つけてたからな」
「そうですか」
採取ポイントは途中から朱莉が全部見つけていた。
Cランクダンジョンでもここまでのアイテムを見つけるのは難しいらしい。
これだけの収穫を得られたのは朱莉が優秀な斥候職だったからみたいだ。
Cランクダンジョンでも斥候職は大活躍するみたいだな。
斥候職は戦闘力が他の戦闘系のジョブに劣る。
ダンジョン内で一番重要な戦闘力という部分で欠点があるのだ。
ジョブは欠点があればその分利点もあるようにできているみたいなので、斥候職が戦闘以外の場所で大活躍するのは当然の結果と言っていいのかもしれない。
同じく戦闘面で欠点を持っている回復職も傷をなかったことにしたりまじかよってくらいの利点を持ってるし。
俺は朱莉の指示するままにツルハシを振るうだけの存在となっていた。
斥候職ではない刀夜さんも採取ポイントを見つけられるようなので、コツさえ掴めば斥候職でなくても見つけられるようになるのだろう。
その辺も隠れ里にいけば教えてもらえるらしい。
早く隠れ里に行きたいな。
こんなゲームみたいな世界なんだから、やっぱり自分で探索してみたい。
そのためにもさっさとこのダンジョンを攻略してしまわないといけない。
「この辺の採集ポイントは全部回れた感じですかね?」
「そうだな。これだけの量を集められたってことはそういうことだと思うぞ? それに、探す手間も考えるとこの辺りが限界だ」
一時間で周辺の採取ポイントは限界まで採集できたように思う。
合計すればかなりの量のドロップアイテムを手に入れられたので、取りこぼしがあったとしても、まあ仕方ないと思えるくらいの量は集まっている。
それに、今回の目標は準Cランクダンジョンの攻略だ。
採集が目的であれば取りこぼさないようにもっと丁寧に探すのだが、そこまでする必要はないだろう。
取りこぼしを無くそうとすると本気で大変らしいからな。
Cランク以上になるとダンジョンそれぞれに個性が出てくる。
それはモンスターだけではなく採集ポイントでも一緒らしい。
別のダンジョンではただの背景だった場所がこのダンジョンでは採集ポイントかもしれない。
覚醒者や斥候職だと魔力感覚でなんとなくわかるようになるのだそうだが、中にはその感覚すらも欺いてしまうものもあるそうだ。
斥候職の覚醒者なら何とか見つけられるそうだが、残念ながら今このパーティに斥候職の覚醒者はいない。
見つけにくい採取ポイントほどいいアイテムが手に入りやすいそうなのだが、このパーティでは見つける事は難しいだろう。
だが、そこまで頑張って採取ポイントを探す必要もない。
今回のダンジョンダイブの目的は採取ではなくて準Cランクダンジョンの踏破なのだから。
ぶっちゃけ、採取ポイントは全て無視でダンジョンボスを探してもいい。
このパーティだと生産職が多いし、戦闘のメインが生産職の刀夜さんなので、ドロップアイテムの量=強さになってしまうから探しているだけだ。
どうやら、刀夜さんが発動した『異界創生』という技は発動時にドロップアイテムを捧げることができるらしく、捧げたドロップアイテムの量で強さがかわるらしい。
自分の魔力だけでも発動できるのだそうだが、外部からも魔力を補充できる感じだ。
その技法は大槌家の秘伝で、大槌家はこの技を使って格上のモンスターにも勝ってきた。
刀夜さんが当主に選ばれたのもこの技を受け継げたことも大きいそうだ。
それ用に持ってきているBランクダンジョンクラスのドロップアイテムは雅城の建築には使わず残しているからわざわざ集める必要もないそうだが。
妖刀の強さ的に言って刀夜さんの魔力だけで発動した『異界創生』でも十分そうなのだ。
前回妖刀と戦った時に発動した時はドロップアイテムを捧げなかったらしいし。
あの時、妖刀と戦闘にはならなかったが、妖刀が逃げ出したという事は勝てないと思ったのだろう。
それ以前に、異界創生を使う前から刀夜さんがかなり押していたっけ。
「これだけの採取ポイントがあるってことは思った以上にCランクダンジョンになるのははえぇかもしれねぇな」
「そうなんですか?」
「あぁ。これはそろそろモンスターが襲ってきてもおかしくねぇかもしれねぇぞ」
「……いよいよですか」
俺は息を呑む。
俺たちはダンジョンに突入してから今まで一度も戦闘していなかった。




