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自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
国内無双編

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永い(1)

 とりあえず、個人的に書きたかった所が始まる予定です(笑)

ーーー



 それから 一週間が経った。

 まぁ、俺の一週間はさほど変わりない。


 普通に朝ヤッて、株式のチェック。


 あ、ちなみに去年木村さんに教えたゲンホーについて俺達が大株主になれるくらいは儲かった。


 ちょっと耳打ちして、モンスターの新情報やこんなの欲しくね?というのを要望している。


 キノコ大戦争やその辺りのタイトルが上がってきて昔見たなぁなんて思いながらダウンロード。


 未来を知っている以上、進め過ぎも良くない。


 楽しめる範囲で楽しんでいる。


 ただ、今の内から高学歴大学や専門、地方の大学を含めて技術者を集めている事だけは欠かさない。


 未来の宝くじ抽選券を買うような物だ。


 人心掌握として大事な"満足はさせないが相応の物を与える"ということを今のうちから行う事で、外で働く事がリスクであると。


 ⋯⋯いう風に植え付けていくことが大事ではある。


 ノウハウやその他の外でやっていく為に大変なことはしっかりと作りつつ、彼らに箱庭の中での天国を作ってやろうとその外側から観測する自分は意識しているつもりだ。


 彼らにも人生があり、趣味があり、家族がいる。


 その点の福利厚生や業務過多によるストレス等は避けるつもりでいる。


 たかが学生に400万円もの大金を約束した俺の懐の深さたるや。


 そりゃ無双するわなって感じだ。

 


 と話は脱線したが、それからメール、電話にて優先的に必要なものだけを処理してからは自分の魔力制御・エリクサーの精製。


 こちらは以前も言ったかもしれないが、"エリクサー"と呼ばれるものは一つだけだが、俺が作ったエリクサーは一つを指していない。


 例えばテルテルエリクサー。

 これはよく俺の口から出るエリクサーの代表格だ。


 テルテルエリクサーは自分の魔力の上限を数値にすると一万ほど底上げされるモノだ。


 エリクサーだからといって回復するものだけではない。


 黄金の雫は身体を再構築する為のものだし。


 最終的なエリクサーの種類は数百もある。

 足を速くしたり、怪力になったり、反射神経が良くなったり。


 「もうこんな時間か」


 午後一はちょくちょく連絡が来る。

 それに対応しながら鈴と大地と遊ぶ。


 最近はブームで家庭用ゲーム機が流行っているのでもちろん設置して3人で遊んだりするのだが、今日は夏休み終盤ということもあって二人の夏休みの宿題とやらを強面数人をかき集めて解決へと向かっていく。


 ──ストライク!


 「湊翔お兄ちゃん!三連続ストライク!」


 リモコンを揺らしながら駆け寄ってくると突進気味に抱きついて来る鈴。

 

 「おぉ⋯⋯よくやった!凄いじゃん」


 「えへへー」


 撫でてやると抱きつきが強くなる。

 鈴も最初は結構銀みたいに喋らない大人しい子だったのに、今じゃ一緒にプール行ってはしゃいだり、こうして抱きついてくれるまでに懐くようになったとは感慨深い。


 「鈴ずるいー!俺もストライク出したらお兄ちゃんに撫でてもらう!」


 ──子供って、純粋で可愛いな。

 

 「頑張れー」

 

 「外せっ!大地め!」


 画面はボールが転がり、しっかり目のガター。


 「鈴ずるい!」


 ゆっくりじわじわ。

 こちらを振り向くと走り込んできて俺達二人の方へ飛び込んでは抱き着いてくる。


 「い⋯⋯って!」


 「痛い大地!」


 「うるさい!鈴ばっかりずるいもん!!」


 「ほらほら、二人とも撫でてやるから」


 そう言うと二人はすっぽり収まり、撫でながら俺は死にそうな顔をしている銀をチラ見。


 "お前の仕事は?"


 目に力を込めるとアイツはふいっとそっぽ。


 "お前の兄弟だよな?"


 縦にしっかり頷く。


 "何故やらない?こんなに懐かれてんだけど?お前もやれよ"


 ──逃げやがった!

 意思疎通は出来てるのに。


 





 そして夕食。

 鈴と大地と食う予定ではあったのだが、急な連絡で会長たちと済ませ、帰りの車内。


 「石田、理沙ちゃんの様子は?」


 「⋯⋯問題ありません。ただ、」


 「ただ?」


 「少し様子がそわそわしてていつもネイルなどをしている永井さんらしくない爪を噛んだりなどの自傷行為がカメラから見れたりします」


 窓を開ける。


 徐々に強い風が俺の前髪をふっ飛ばす。


 「伊崎さん?」


 「⋯⋯明日」


 煙草を寄越せと隣にいる銀にせびり、火をつける。


 「いや」


 鏡越しに傾げる石田を放置し。

 俺は握った記憶の一部を思い出していた。


 ーーお前はいつも男と遊んでいるじゃないか!!


 ーー貴方こそ!いつもいつも言うことを聞かない!!


 彼女の手にはぐちゃぐちゃになったケーキがあり、震えながらその口論を眺めている姿があった。


 ーー女に生まれた以上、お前は子供を作るために生まれてきたんだ!男の奉仕の仕方を教える必要がある!


 ⋯⋯なんとも嫌な記憶だ。

 

 ーー嫌だ?俺達は表向きには小さい町工場だが、実は海外の@↓【→》【


 ーー俺達はあの人たちから逃げられないんだよ!お前だってわかるだろ!?


 ーーそう言いながらあなたは笑顔で私を置いて好き勝手してぇぇ!!!


 俺は、家族というのは仲睦まじく、いつも笑顔の絶えないものだと思っていた。


 家族の誰かが倒れれば助け、喧嘩が起きても妥協点をみんなで見つける。


 そうしてみんなで力強く雑草のように生きていく。


 そう、思ってた。


 「大将がタバコなんて珍しいな」


 こう見えても煙草は向こうで散々吸ってたからな。


 「まぁな」


 「⋯⋯永井の事か?」


 「あぁ」


 銀はこういう時は男なんだよな。

 人が付いてくるのもよくわかる。


 「俺達は黙って従うだけだ。

 ただ、大将が後悔しない方を選ぶ事を俺達は望む」


 そうして俺は灰を叩き。

























 「明日、戦争を吹っかける」


 どうやら普通の工場ではないらしいからな。

 読み取ったのは一部だけだからなんとも言えないが。


 ⋯⋯ただ、他にも読み取った言動が本当なら、俺は行かせることは出来ない。

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