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自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
国内無双編

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未来の権力とオバサンの言うことを聞いてみよう

 「伊崎さんおはようございます!!」


 うーわ。声がデケェよこいつは。


 「おはよう。嬉しそうだな」


 「はいっ!」


 ビシッと軍人さながらの敬礼を見せ、前屈みである。


 ⋯⋯しかし何処か誇らしげな石田くんであった。


 丁度1週間ほど前。

 俺と石田は接待を受けに行った。


 まぁ、俺は日々の性生活で慣れているからそこまで緊張はしていなかったが、石田は車を運転しているときからどこがとは言わないがビンビンだった。


 うん。俺より学生していた。


 接待はかなりの時間あり、飲み放題のクラブでVVIP。


 入れば俺が微かに覚えていた清純派女優と言われていた数人が笑顔で挨拶をしてきて、かなりの至近距離で呑み。


 会話はやはりサバ関連。

 "あれ本当に凄かったんですよ〜"


 なんて言って俺の内腿をなぞったり、耳元で囁いてるんじゃないかと言うくらい吐息たっぷりだった。


 勿論ある程度のリップサービスや、口利いてやるよなどの旨を言ってやると足に乗ってくれたりしてくれてな。


 普段衣里や理沙ちゃんレベルとヤりまくってはいるが、やはり芸能人だ。


 自分が劣っているなんて微塵も思わなかったが、レベルが一個違った。


 四方八方いる女たちに途中で肩を組んだりしたが、全く嫌な顔をせず。


 むしろ、積極的に足を絡ませたりしてきた事からその気で来ているのだとすぐに理解した。


 そのまま1時間もすれば全員ガンガン酔い。

 某成人アイドルグループの子たちも仕事帰りの空気だったが参戦してからが全ての始まり。


 その場で着替え始めた。

 結果、着替えなくていいからと俺がガンガンおっぱじめてしまったのだ。


 まぁそう。

 ルームにいたほぼ全員の穴を喰らいました。

 ⋯⋯すいません。


 謝罪致します。


 石田も我慢の限界か、猛獣のように腰を振ってはバグった顔で伊崎さんありがとうございます!


 なんて言って果てていた。


 ⋯⋯俺やばいことしでかしてないよな?

 とまぁ、俺と石田は立派な兄弟となって、彼女達も接待のつもりだったらしいのだが個人的に連絡先を交換する仲になった。


 石田も金がないように見えるが、既に上位数%の金持ちの方ではある。


 しかも見た目は上だし。

 中でも相性が良かったらしい女の子と付き合えたそうで。


 その日から顔が嘘みたいに凛々しくなって俺を崇めるようになった。


 ──というのがここまでの一週間だ。


 「今日の予定はないですが⋯⋯」


 「ん? 言わなかったか? 白波会長の所だよ」


 




 「来たか、伊崎くん」


 「どうもこの間ぶりで」


 訪れたのは白波会長宅。


 前に木村さんに話を調整してもらうように言ったつもりが、どうやらそのまま上がったらしく、話を聞いた会長が急いで予定を開けたそうだ。


 「伊崎くん!これだけの面子を揃えさせたのだから勿体ぶってないで早く教えてくれ」


 そう。今、俺の目の前にいるのは、後に地獄になる半導体関連の社長たち。


 「伊崎くんの話はある程度済ませている。

 それに──坂井さん」


 顎でしゃくると、坂井という男が軽い会釈混じりに喋りだした。


 「初めまして、噂はかねがね。

 坂井隆一。歳は53。


 娘がその節では世話になりました」


 腰を低くしながら、名刺を貰う。


 「さすが社長、来てくれたんですね」


 東京エレクトロ社長、坂井。

 今回招待した中で一番期待した所だ。


 「白波さんがお熱いコールを投げられてはねぇ」


 「有難く頂戴しておきます」


 他にも、日本の製造に関わる様々なデカイ所を集めた。

 

 「今回来てもらったのは半導体に関してのお話です」

 

 どよめく。それもそうだろう。

 日本で半導体は終わったという空気だったからな。


 だが、これは後に地獄を招く。

 ⋯⋯舵を切る必要がある。



 ーー王様は民を導かなければならないからねぇ



 ──オバサンめ。人を制御しやがって。


 「近い未来、世界中が半導体を巡って戦いだします」


 「伊崎くん、本気か?」


 「至って本気ですよ。土地も既にいくつか押さえましたし、設備も必要そうなものはすぐに購入しました。


 人材の方も東大や地方大学の研究室などに投資を始めましたし」


 俺の台詞に思わず坂井が眼鏡をとった。


 「⋯⋯本気ですね?」


 「えぇ。次の戦争は半導体になると確信しています。


 華国、あの辺から狙われていますし、日本より大きくなると想定しています」


 「何を根拠に」


 「知らないのであれば仕方ないと言うまでです。


 ただ、今みなさんは重大な選択の前に居ます」


 そう。この選択は、俺という悪魔と契約することになる。


 「俺は──この国を最強にする」


 そう。俺が知る最悪になる前に。


 「外国がなんですか」


 黙らせられるくらい。


 「日本ほど優れた技術力を持った人間は居ないはずです」


 強くなればいい。

 この──"俺様が居る国なんだぞ"。


 「変態性を持った発想、安全性、精密性、どれも次の時代を超える力を持ったポテンシャルを秘めてる!


 今ここで承諾するならば、今大打撃の補填を即座にします」


 「⋯⋯幾らかわかっているのか?」


 「白波会長──俺のガチ度、伝わりました?」


 目が泳いでいる。

 ⋯⋯勝ったな。


 「半導体は絶対に必要です。

 こんな国のムードに流されたら最後です。


 金がない? 俺が作ります。

 人材が? 金ならあります。

 施設がない?土地がない?


 ⋯⋯もう使わんだろと空き地をうちでいくつも押さえました。


 人材ならいくらでも雇えます。

 ──進みましょう」


 ⋯⋯やり切ってこそだ。

 この国を最強に仕上げるには。


 ここからだ。


 「既に吸収されかけている企業にも声をかけ、主要人材は確保しました」


 全員の目つきが殺気立つ。


 そうだ、お前らジジイども、動け。

 ⋯⋯燃やせ。老害になる前に立ちやがれ。


 「諦めて、次なんかで──来るわけがない。


 半導体が盛り上がれば、皆さんの士気も金も、権力も増えます」


 「なら、少年──私達年寄りをどう使う?」


 坂井が俺を見る。

 先ほどとは違い、まるで20代前半のようなギラギラした瞳で。


 「どうです?ここまで言われてやっとやる気になりました?」


 「もう終わったと思ったがな。

 まだこんな若者がいたとはな⋯⋯そりゃ白波さんが持ち上げるのも無理ない」

 

 「これで金も持ってるんだから本物ですな」


 「さて、年寄り達にはやることがありますからな。


 少年リーダー。すぐに見せに来る」


 立ち上がって消えていく老人達。

 しかし、その顔には昔のサムライのような滾った顔が俺には映った。


 ⋯⋯やりゃ出来んじゃん。

 ──日本人も。

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― 新着の感想 ―
華の国の前に台湾を味方につけてな 屈折率の高い液体の他にレジストの分散性や洗浄性を改善する溶媒もね あと、揺れない地面もあるといい
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